「お名前を頂戴」はNG?使うと恥ずかしい間違い敬語10選
ビジネスの場における「敬語」は、相手への敬意を示すものです。学校では国語の時間に、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」など教わったことと思いますが、社会に出てからは学ぶ機会が少ないものです。会社の上司や先輩の言葉を聞いてその通りに真似をしたり、あやふやなままで敬語を使っていたりしないでしょうか。
適切な敬語が使えると、相手に「しっかりした仕事をしてくれそうだ」という好印象を与えることができます。
そこで、今回は「間違えやすい敬語」の例をご紹介します。自分が使っていないかチェックしてみてくださいね。
ビジネスで使いがちなNG敬語10選
(1)お話を伺って、参考になりました。
「参考にする」とは、「聞いた助言を、判断する上で一つの材料にします」という意味です。つまり、相手にとっては「あなたのお話は参考程度です」と捉えられてしまいます。失礼にならないように、「勉強になりました」と言い換えましょう。
(2)社長、ご苦労様です。
目上の人に対して「ご苦労様です」は失礼です。この場合は、「お疲れさまです」を使います。
(3)会議日程の件、了解しました。
「了解する」には、「理解して、認める」の意味が含まれます。このような場合には不適切なので、「承知いたしました」や「かしこまりました」を使いましょう。
(4)発表させていただきます。
「させていただく」は、「◯◯をしてもいいでしょうか」と許可を取る場合、もしくは、その動作によって自分が恩恵を受ける場合に使う表現です。この場合、発表をすることに許可を取っているわけではありませんし、恩恵を受けるわけでもないので、「発表させていただく」は適切ではありません。「発表いたします」が正しい表現です。
同様に、「佐藤はお休みをいただいております」も誤った表現で、「佐藤はお休みを取っております」を使いましょう。ただし、「この資料をコピーさせていただけますか」なら、許可を受ける場合なので、これで合っています。
「させていただく」は、謙遜を表すために使われますが、不必要な時にも使われがちなので気をつけましょう。
(5)このお話で、お分かりいただけましたか。
どことなく「分かりましたよね?」と念を押されているようなニュアンスを感じられる言葉です。「ご理解いただけましたか」と言い換えた方が良いでしょう。
(6)お体をご自愛ください。
メールの結びに使ってしまいがちなこの言葉ですが、「自愛」には「体を大事にする」という意味があります。「お体をご自愛」では、「体」が重複してしまうので、「ご自愛ください」とだけ使うのが正しい表現です。
(7)お名前を頂戴してもよろしいですか。
「頂戴する」とは、「もらう」という意味です。つまり、「お名前を頂戴する」では、「名前をもらう」という意味になってしまいます。名前を聞かせてほしい場合には、「お名前を伺ってもよろしいですか」「お名前を教えていただけますか」と伝えましょう。ただし、「お名刺を頂戴できますか」は、「名刺をもらう」ので、正しい使い方です。
(8)こちらが商品になります。
「なる」という動詞は、「今までと違った状態・形に変わる」という意味を表す言葉です。商品がこれから別のものに変化するわけではないので、「なります」は誤りで、「商品です」「商品でございます」が正しい表現です。
(9)なるほどですね。
相手の言葉を聞いて、合点がいった時に相槌のように使われます。しかし、やや相手を下に見ている雰囲気を含んだ言葉であり、「マジで」「ヤバい」のような若者言葉でもあるので、使わない方が良いでしょう。特に目上の方には、「確かに、おっしゃる通りです」と言い換えましょう。
(10)田中様でございますね。
訪問者や電話応対など、相手の名前を確認する時に言ってしまいがちな言葉です。しかし、「ございます」は「ある」を丁寧にした言葉なので、人に対して使うのは適切ではありません。相手は人なので、「いる」を丁寧にして、「田中様でいらっしゃいますね」を使いましょう。
まとめ
言葉は時代によって移り変わっていくものです。職場においては、まずは上司や先輩から正しい敬語を身につけ、部下や後輩にも伝えていけるといいですね。さらに、次代を担う子どもたちにも、正しい敬語を教えていきたいものです。
------------------------------------------------------------------
【研修効果と実施内容を確認できる】
新人研修など8種類の研修概要資料を無料配布しています。
⇒ 8種類の研修概要資料を無料ダウンロードする
------------------------------------------------------------------
■企業研修・講演・執筆・取材のお問合せ
アイキャリア株式会社
太田 章代