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タイガース安芸キャンプ、初のシート打撃で北條が4打数4安打!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
9日、試合後の野球教室で子どもに相撲をしかける北條選手

タイガースの安芸キャンプは9日、久々にグラウンドを使っての練習が行われました。朝から青空が広がり、最高気温も14度まで上がったキャンプ日和。お客様も多かったですね。ただし、前日の朝に出発して土日の2日間見学するはずが、積雪の影響で本州から四国への橋が渡れず…フェリーの乗船待ちや迂回などで半日以上かかってしまった方が相当多かったみたいです。というのも、北條選手のご両親がまさにそれ。前日22時に高知へ到着されたとのこと。そして9日の練習が終わると、すぐ帰途に着かれました。お疲れ様です。

ご両親のそんな事情を知っていたのかどうか、今キャンプ初のシートバッティングで北條選手が4打数4安打の猛アピール!加えて、昨年のフェニックスリーグよりさらに磨きのかかった守備も目を引きました。また、この日は本隊に合流したばかりのドラフト2位・横田選手が、初めて屋外で打撃練習を行うとあり注目していたところ、フリーバッティングではその期待に応える豪快な打球を連発!なんと6本もの柵越えを披露したのです。そのうち2本はスコアボートを直撃と、ただものではないパワーをアピールしました。この話題は後日くわしくお伝えします。

シートバッティング全結果

ではシートバッティングの結果から。【 】は投手です。

【藤原】 岡崎/空振り三振、狩野/左前打、高山/中飛、田上/遊ゴロ、荒木/二ゴロ

【小嶋】 原口/中飛、坂/空振り三振、黒瀬/中前打、岡崎/左飛、狩野/左前打

【藤原】 高山/四球、原口/左前打、荒木/一ゴロ、黒瀬/死球、坂/一ゴロ

【小嶋】 田上/左飛、一二三/左前打、横田/空振り三振、北條/左前打、陽川/三ゴロ

【伊藤和】 阪口/左邪飛、原口/右飛、小豆畑/右邪飛、横田/二ゴロ、一二三/空振り三振

【玉置】北條/左前打、陽川/三ゴロ、阪口/空振り三振、原口/遊飛、小豆畑/左邪飛

【伊藤和】 狩野/空振り三振、田上/左前打、荒木/中飛、高山/一ゴロ、黒瀬/一ゴロ

【玉置】 坂/二飛、岡崎/右前打、小豆畑/空振り三振、田上/左飛、荒木/右二塁打

【島本】 狩野/中飛、高山/見逃し三振、岡崎/左二塁打、坂/空振り三振、黒瀬/中飛

【田面】北條/遊内野安打、小豆畑/四球、黒瀬/二ゴロ、一二三/四球、横田/遊ゴロ

【島本】 陽川/二ゴロ、阪口/右飛、一二三/左前打北條/中前打、陽川/投ゴロ

【田面】 横田/四球、阪口/左飛、北條/四球、一二三/二邪飛、陽川/二飛

北條選手の4安打は、小嶋投手の真っすぐ、玉置投手のチェンジアップ、田面投手のスライダー、島本投手のフォークをそれぞれ打ったものです。

「1年でこんなに変わった」と平田監督

まず平田監督が「北條は、結果もだけど内容もよかった。去年とは違う。1年経つと成長を感じるよな、1年でこんなに変わっている。シートバッティングでも4本は打てん。内容も伴って、変化球にもついていっている。彼は去年、甲子園で4発打って入ってきた。1年間やり、この世界でどうやって飯を食うのか、どういうバッティングをしなきゃいけないか、自分のスタイルがわかりつつある。もっともっと磨かないといけないところでヒット4本!」と大絶賛でした。

さらに「ツボにきたら長打もあるけど、ホームランバッターじゃないもん。そうやって自分のバッティングを崩す方がよくない。今日の内容はよかった。守備も昨年1年間、コーチがすごく熱心に取り組んできた。それに応えるだけの練習を北條はやった。最後に捻挫したけど、練習できる才能がある」と、頑張りを高く評価しています。

掛布DCは「実戦になるとやってくれるね。崩しにくるボールに対して、崩れず打つのは難しい。そこを自分が主導で、いい崩され方しているんだよ。非常に内容があったと思う。抑え込まれた打席はなかったし。自分が主導権を握って勝負していた」と振り返り、また「焦らせたくないんですよ。このまえ話したら『じっくりまだ自分でやりたい』と言っていた。自分の土台を作りたいんだろう。きょうの結果は意味がある」とのこと。

結果より内容を重視、納得の北條

お待たせしました。北條選手のコメントです。「きょうは、結果より今までやってきた形で打てるかというのを課題にやりました。実戦になるとわからない。意識はしていたけど、ちょっと前に突っ込んだりしていたかも。久々の実戦でしたが、よかった。変化球を打てたのでよかったです」。掛布さんが、いい崩され方をしていたと言っていましたよ。「ひざの使い方が、うまくできていたからかなと思います。練習でも掛布さんから、右足のひざをうまく使えるようにと、崩れても、そのひざで粘って打てと言われていて。実戦になると崩れるのも多いので、もっと身につけていきたい」

きょう一番の手応えは?「センター前ですかね。島本さんのフォークを打ったやつ。真っすぐを狙っていたんですけど、手首が先に出ずにヘッドを最後まで残して、うまく出せた。強い打球をライナーで低く、と思っています。ホームランが一番やけど、そう簡単に打てないので。上げても自分は飛ばない。角度がよく完ぺきに捉えたのがいかないので。センター中心に打っていかないと今はダメだと思う」。キッパリとした口調でした。

掛布さんによれば、じっくり自分でやりたいとか?「沖縄へ行きたくないわけではなく、沖縄に行くと主力選手が多くて、個別練習に入りにくいかなと思って。こっちは人も少ないし、いっぱい練習できるからです」。こんなところでも、大人になったなあという気がしますね。体もグッと大きくなりましたが、内面の成長ぶりにワクワクさせられます。

黒瀬が拍手に送られ“代表”で沖縄へ

再び平田監督の談話をいくつかご紹介しましょう。「陽川も結果じゃない。遅れて、このクールから入ったばかり。11日の練習試合はスタメンでいくよ。打順は別として。もっと若さがほしいよな。結果は出なくても、ハツラツさはほしい。エラーをしたり、ポロポロするのはいいんだ。気を出さないと!エラーしようが悪送球しようが、いいねん」

シートバッティングに登板した投手について「小嶋は順調。ヒジの状態もあったからね。玉置も順調。(伊藤)和雄もいいじゃないか。いいよ。真ん中めがけて投げりゃいいんだよ。島本もいい。ピッチャーは11日に投げて内容を聞いてから。小嶋は候補に挙がっている。岩貞は明日あす、フリー打撃で投げる。結果や内容を見て、その報告を見て。あとは1軍の判断」と話しています。

そして練習後の野球教室が始まる時、黒瀬選手が大きな拍手を送られて沖縄へ移動しました。「黒瀬は、西岡がこういう状態だから。内野を守れて状態もいい。みんなライバルやけど、みんなで拍手。代表でいってこいと。各自思いは色々あるけど、ああいうの見ると黒瀬も頑張ろうと、他の選手もヨシという気持ちになる」と平田監督。実はそのままグラウンドを去ろうとしていたのを、挨拶していけと一塁ベンチ前へ連れていったのは監督だったんですよね。黒瀬選手は「きのう聞きました。嬉しいです!」と笑顔。代表として安芸魂を見せてきてください。

最後に、10日の練習でフリー打撃に登板する岩貞投手のコメントです。打者に対して投げるのは「10月末の関東大会以来」だそうです。球種はすべて試す?「まだそこまでは。投げられる状態ではありますが、まずは真っすぐで」とのこと。対戦したいのは誰かという問いに、近くで打撃練習していた横田選手を指差して「彼」とニヤニヤ。「きょうオームランを打ったんでしょう?他の人より当たりは大きかったんですか?見てないんですよ。聞いてビックリしました」。そういえば他の選手は柵を越えていなかったような…。「インコースにガンガンいきます!」とまたニヤリ。横田選手、気をつけてください。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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