まさかHSPが適応障害になったらすべきこととは!?
こんにちは、精神科医しょうです。
精神的な病気ではないHSP気質ですが、繊細で敏感な気質のために心にダメージを負ってしまうことも少なくありません。
その結果として、適応障害を発症してしまい苦しんでいる人は少なくありません。
今回、取り上げる内容は、HSP気質のあなたに適応障害の症状が見られた場合の対策方法などになります。
優しすぎるために適応障害になるHSPさんもいる
繊細さんは人柄的に言うと優しいタイプの人が多いですが、優しさの度合いが突き抜けていて優しすぎるとも言えます。
穏やかで優しい性格なのは悪いものではなく、その人の美点であり周りが見習うべき素晴らしいものです。
ただし優しすぎると他人を通して、本来感じる必要のない心の痛みを受けることになるのです。
HSP気質の人が適応障害になるのは、他人への思いやりが深すぎるところも一因となっているでしょう。
他人への共感能力が高い故の辛さ
気質の特徴として他人への共感能力が高く、自分ではない他者の心情を自分に重ねて理解することができます。
優しすぎると傷ついている様子の人の意識に心を傾けてしまうため、共感能力が働き相手の辛い気持ちが自分の中に入りやすいです。
他人の気持ちが分かる性質は周囲の空気を読み合わせる際に役立ちますが、相手の気持ちに引きずられて落ち込んでしまうのが辛い点と言えます。
適応障害の症状が出た場合に行うこと
適応障害とはなんらかの明らかなストレス因に反応し、精神症状が出現して社会生活が困難となっている状態です。
適応障害に分類される症状が見られた場合には、早めに自覚して改善する取り組みが何よりも重要です。
自分に感じた異変を「そのうち良くなっていくのでは」とおざなりにすると、自分で自分の心の状態をどんどん悪化させてしまうことになります。
どんな症状が適応障害?
適応障害の症状は心と体の両方に出る可能性があり、心の方に出るものとしては気持ちの落ち込み、不安、興味の低下など様々です。
体の方に出る症状としては、食欲の低下・睡眠不足・慢性疲労・ 慢性疲労などこれも様々なんですね。
過度のストレスで一時的にこのような症状が出ることもありますが、持続的に見られるようであれば適応障害による可能性もあるんです。
症状が出たら早期改善が必要
適応障害は何もしないまま進行していくとうつ病に発展する恐れがあるので、疑わしい症状が出たら早めに治療を受ける必要があります。
適応障害は精神科などで治療が受けられる病気であり、独力で治そうと無理はなさないでくださいね。
有効なのはストレス因からの回避
自分にストレスを与えている他人と距離をとって接近しないように回避することが有効的です。
誰かが怒られたり注意される空気を察したら、なるべくその場所から離れましょう。
職場であればトイレに立って時間をつぶしたり、他の用事を見つけるなどして雰囲気が悪くなる現場から逃げてしまいます。
HSP気質の人にとっては見て見ぬふりをするようで心苦しいかもしれませんが、あなた自身の心の健康を守るためには必要なのです。
HSPで適応障害に悩む人へのおすすめ
HSP気質の人で適応障害に悩んでいる人の中には、すでに自力での回復が困難な人もいます。
自分一人で病気の苦しみに耐え続けるのではなく、心に葛藤があっても他人の手を借りて回復する道を選んでみてください。
無理せずに病院へ
適応障害の症状が進むと体重が減り体力が落ちるなど、はっきりとした健康被害が見られるようになるので病院できちんとした治療を受けた方が良いでしょう。
心身に大きな変調が出てしまう状態は自力回復が困難なレベルであるため、医師の診断を受けて改善を試みることをおすすめします。
SOSを出すことにためらわない
あなたがHSP気質であるのなら我慢強く、弱音を吐くことはしたくないと思うかもしれません。
辛い適応障害から解放されたいのであればためらわずに、誰かにSOSを出してサポートを受けることも時として必要です。
医師を含めて誰かに相談することによって、最適な治療を受けて回復する・診断書を出してもらい休職して療養するなどの対処ができます。
共感を抑える予防も効果的
HSP気質の人が適応障害にかかるリスクを減らすには、予防として他人と共感しないように抑えることも効果的です。
他人とあなたは全く別の存在である意識を深めて、自分と他人を同調させない考え方を身につけましょう。
心の中で他人と自分との境界線を引くようにし、自分の感情のみを切り取って見つめ他人が味わっているだろう感情に目を向けてみるのはいかがでしょうか。
他人と接する際には精神的にある程度の距離を持って向き合い、あなたの心が相手に寄りすぎないように自制するのです。
冷たい見方だと感じる人もいるかもしれませんが、自分の心の自衛策として他人とあなたの心が重ならないようにしましょう。
まとめ
繊細な人はこれまでの経験の中で、家族・友人知人・または見知らぬ人の悲しみに胸が痛くなり自分も涙を流したことがきっとあるでしょう。
自分のものではない感情に気持ちを振り回され、心の病気になるのは傍から見るとやるせないですよね。
HSP気質の人は他人に共感しすぎないことを心がけ、適応障害になる可能性をできるだけ減らしてみるのはいかがでしょうか。
もしも適応障害になってしまったら精神的なストレスを受けることを避け、病気がうつ病へと移行する前に治療を受けましょう。
症状が重くなってしまっている人は、迷惑をかけることを恐れずに助けを求めて心の元気を取り戻しましょうね。
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