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【日立市】日々の暮らしにほんの少しの“いろどり”を。なくならないゴミを前に自分たちが今できること。

ひよりひよっこライター(日立市・高萩市)
河原子海岸をビーチクリーンするumikko姉妹

日立市河原子町にビーチクリーンをしながら、拾ったゴミを素敵なシーグラスアクセサリーや雑貨などのアップサイクル作品を作るirodori(いろどり)という作家さんがいます。

透明なシーグラスを組み合わせたピアス
透明なシーグラスを組み合わせたピアス

irodoriは仲良し姉妹の2人で経営をしており、妹様のお子様umikko姉妹と河原子の海岸でビーチクリーンをしながら、手先の器用なお姉様が海岸のゴミを素敵な作品にアップサイクルしています。作品は日立市内で開催されるイベントで販売したり、自宅の土間で作品の展示販売を行っています。

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自宅土間には素敵な海の作品がたくさん展示販売しています
自宅土間には素敵な海の作品がたくさん展示販売しています

シーグラスや割れた陶器の破片でできた作品
シーグラスや割れた陶器の破片でできた作品

粉々になったプラスチックゴミを溶かして綺麗なキーホルダーに
粉々になったプラスチックゴミを溶かして綺麗なキーホルダーに

アレンジ次第で素敵な作品に
アレンジ次第で素敵な作品に

irodoriさんの活動は海のゴミをアップサイクルするだけではなく、そもそも海を汚染するゴミがどのようにして流れ着いているのか、根本的な解決方法を見出し、自分たちができることから活動を実践されています。

■海のゴミ問題はどこか遠い国の話だと思ってた

ビーチクリーンを行うumikko姉妹
ビーチクリーンを行うumikko姉妹

irodoriさんの活動のきっかけとなったのは、妹様のお子様である当時小学生であったumikko姉妹がゴミ拾いを始めたいと言い出したことがきっかけだそうです。

綺麗だと思っていた大好きな海
綺麗だと思っていた大好きな海

umikko姉妹は、幼いころから海が大好きで、よく海に遊びに行ったり、海に行けない時は海の本や物語を見たりと、本当に海が大好きな姉妹でした。

大好きな海の現状をちゃんと分かっていなかった
大好きな海の現状をちゃんと分かっていなかった

当時小学生であったumikko姉妹がある時、綺麗な海の世界に人魚が描かれた一冊の本に出会いました。ワクワクしながら中を見てみると、表紙の美しさからは想像もつかないような、海のゴミ問題について取り上げられている内容でした。

小さすぎて取りきることができないプラスチックゴミ
小さすぎて取りきることができないプラスチックゴミ

海に浮かぶゴミや粉々になったプラスチックゴミを餌と間違えて食べてしまった鳥が、その餌をヒナに与え続けた結果、致死量のゴミを食べ死んでしまったヒナ鳥の亡骸の写真も写っており、小学生の二人にはとても衝撃的であったと思います。

台風の後に大量の流木と共に流れ着いたゴミ
台風の後に大量の流木と共に流れ着いたゴミ

本を見た時のことを姉妹に尋ねると、「鳥がかわいそう」「河原子の海でもこんなことになっていないか心配になった」と当時の思いを教えてくれました。

irodoriさんとumikko姉妹のビーチクリーンに一緒に参加させてもらいました
irodoriさんとumikko姉妹のビーチクリーンに一緒に参加させてもらいました

umikko姉妹が実際に海岸に行ってみると、大量のゴミがそこら中に落ちていることに気が付き、遠い国の問題ではなかったことに気が付いたそうです。現状を目の当たりにした二人は、2021年の1月真冬の最中からビーチクリーンを始めたそうです。

帰り際にさりげなくゴミを拾うサーファー
帰り際にさりげなくゴミを拾うサーファー

ビーチクリーンを始めた当初は恥ずかしい気持ちもあったそうですが、意外にもゴミを拾っている人が多いことにも気が付いたそうです。姉妹は「夏休みになったら毎日やりたい」とirodori様に話したそうです。当時はすぐに忘れるだろうと思っていたそうですが、姉妹が忘れることは無く、その年の夏休みどころか50日連続でビーチクリーンを行ったそうです。素晴らしいですね。

「辛いと感じたことは一度もない」
「辛いと感じたことは一度もない」

umikko姉妹に、辛くなったりしなかったのか尋ねると、二人とも「辛いと感じたことは一度もない」と即座に答えてくれました。

二人にとっては、海のゴミを拾うことはやらされている感覚でも、やらなければならない感覚でもなく、宝探しをしているような楽しい感覚なんだそうです。

30分足らずでゴミ袋はパンパンに
30分足らずでゴミ袋はパンパンに

毎日ゴミを拾い続けても無くならないゴミ問題について、irodori姉妹とumikko姉妹が自分たちにできることはないか考え、まずは現状を知ってもらうことが何よりも大切であることに気づいたそうです。

自分たちの作品に興味を持ってくれた方に、どんな物が作品の材料になっているのか話をし、少しの時間だけでも海のゴミ問題について考えてもらえたら嬉しいと話してくれました。

■海のゴミを無くすために、今自分たちができること

色とりどりのプラスチックゴミ
色とりどりのプラスチックゴミ

ただのゴミであれば敬遠されてしまうゴミも、かわいい作品にすることで、誰かの大切な物に生まれ変わることができます。

「作品や雑貨はだれでも作れるような物にしている」
「作品や雑貨はだれでも作れるような物にしている」

irodoriさんの作品作りには”誰でも簡単に作れてしまうような物”にすると決めているそうです。

作家さんだと唯一無二のような作品を生み出したくなるのではないかと考えてしまいますが、自分達の作品を知ることで、『自分でもこんな作品を作りたい』と思ってくれる人が増えたら、それだけゴミを拾ってくれる人も自然と増えるからと、教えてくれました。

私自身もシーグラスと綺麗な石を見つけて嬉しくなりました
私自身もシーグラスと綺麗な石を見つけて嬉しくなりました

irodoriさんは、作品を作ることの他にも、企業のイベントや交流センターなどでワークショップなども行っています。作り方なども教えてくれるそうなので興味のある方はショップを訪れてみてはいかがでしょうか。

重いゴミ袋を二人で持ちゴミ拾いを続けています
重いゴミ袋を二人で持ちゴミ拾いを続けています

umikko姉妹も学校でアンケートをとり、資源としてリサイクルできるはずの物の大半が捨てられている事実を知ったそうで、雑紙回収ボックスを学校に設置したそうです。

umikko姉妹はゴミの分別にも詳しくなり、買い物をするときは、本当に必要なものか考えてから購入するようになったそうです。

夏になると増える捨てられた砂遊びの道具
夏になると増える捨てられた砂遊びの道具

ゴミは物を購入することで発生するので、買う前に本当に必要な物かよく考えてから購入をして欲しいとのことでした。夏になると砂で遊ぶためのスコップなどが大量に落ちており、写真のスコップもまだまだ使える物にも関わらず捨てられていました。

こういうプラスチックゴミが劣化し、粉々に砕け、拾いきれないサイズとなって土壌や海を汚染し続けるのです。

気持ちよさそうに大きなシーグラスで寝るカエル
気持ちよさそうに大きなシーグラスで寝るカエル

ゴミ問題は遠い国の問題ではなく、自分たちのすぐ側で起こっている事実に気づいてもらう入口はなんだっていいと話すirodoriさん。

たとえゴミ問題を知ったからすぐゴミ拾いに行かなくても、知ることで今まで意識しないようなゴミの分別や、買い物の時点でふと思い出してもらうだけでも、何かが変わってくると笑顔で話してくれました。

夕焼け色に染まり始める河原子海岸
夕焼け色に染まり始める河原子海岸

私自身も、自分にできることは何か考え、今回irodoriさんとumikko姉妹に取材協力のお願いをし、この記事を書くことができました。少しでも多くの人の心に届くよう願っています。

irodorさんの作品販売ですが、次回は8月末頃にショップをOPENするとのことで、開催日はインスタグラムにてお知らせされるとのことです。ショップの場所などについてはirodoriさんのインスタグラムDMよりお問い合わせください。

あなたの日々のくらしにも、ほんの少しの”いろどり”が訪れますように。

irodori
■店舗住所
個人宅のためインスタグラムのDMよりお問い合わせください
■営業日
毎月不定期開催
※インスタグラムをご確認またはDMにてお問い合わせください
■駐車場
 2台分有り(無料)
■お問い合わせはインスタグラムのDMより
ショップ・販売について▷@irodori_0707
イベント出店などの依頼▷@miho._.umikko

ひよっこライター(日立市・高萩市)

茨城県日立市・高萩市の担当になりました。まちのイベントや飲食店、子育て施設やお出かけスポットなどお役立ち情報をたくさん発信していきます。明日のお出かけにぜひ参考にしてください。

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