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【日立市】海のゴミをアップサイクルする日立市在住の4人の作家による『海のおくりもの展』が開催

ひよりひよっこライター(日立市・高萩市)

日々海岸に流れ着く無数のゴミ。ボランティア活動をされている方が毎日ゴミ拾いをしても、ゴミは減るどころか、翌日には新しいゴミが漂着してしまいます。日立市は海や山との距離が近く、自然豊かなまちでありますが、こうしたゴミ問題も実際に発生しています。

今回このような海のゴミや環境問題に目を向け、実際に清掃活動等をしながら作品作りに取り組む、日立市在住の4人の作家さんによる『海のおくりもの展』をご紹介します。

海のおくりもの展会場の様子
海のおくりもの展会場の様子

海のおくりもの展は、海岸のゴミや不要な物をアート作品として蘇らせアップサイクルした作品を通しながら海のゴミ問題や環境問題について知ってもらえるよう活動をする4人の作家さんの展示販売会です。海のおくりもの展はワンシーズンに1回ずつ開催しており、2024年夏の販売会は7月20日土曜日に開催されました。

■Shell art Anp(しぇるあーとあんぴー)様

貝殻に素敵なアートペイントをした作品です
貝殻に素敵なアートペイントをした作品です

Shell art Anpさんの作品は、海岸に落ちている貝殻にアートペイントを施す作品です。作品は写真のような素敵なヘアゴムや、色とりどりのキーホルダーにピアスなど、商品の種類もとても豊富です。

どれも貝殻の魅力が上がるようなペイントがされており、もとはただの貝殻だったということが信じられません。

色とりどりの貝殻の指輪は宝石のよう
色とりどりの貝殻の指輪は宝石のよう

Shell art Anpさんは、幼い頃から海が大好きで、海に訪れるたびにお気に入りの貝殻を見つけて拾い集めることが大好きだったそう。お子さんが産まれてからは、お子さんが成長されてから海を訪れ、一緒に貝殻を拾うようになったそうです。

ヘアゴム
ヘアゴム

もともと絵がとても得意だったShell art Anpさんは、拾ってきた貝殻に絵をかいたらどうなるか、お子さんと一緒に絵付けをしたことがきっかけで作品ができるようになったとのこと。あるとき訪れたマルシェがきっかけで作品の販売をするようになったそうです。

ピアス
ピアス

作品は主にマルシェやワークショップなどで販売しています。今では交流センターで絵付けのワークショップを行うことが活動の中心となり、そんな中出会ったゴミ拾いのボランティア活動をされているブルースカイの代表であるTakaji様と出会いました。Takaji様との出会いによって海を見る視点が変わり環境問題にも考えるようになったとのこと。

取材用カメラバッグにShell art Anpさんのキーホルダー
取材用カメラバッグにShell art Anpさんのキーホルダー

Shell art Anpさんもゴミ拾いの活動をされながら、作品を通してゴミ問題は身近な場所で発生していることに気が付いてほしいと話されていました。海に行かない人でもイベントやワークショップなどを訪れる方に今の海の現状や環境問題などに目を向けたり、知るきっかけになれればと、素敵な笑顔で語ってくれました。

■石ころ甚五郎(いしころじんごろう)様

石や空き缶、日常生活で出る不要な物を使ったアート作品
石や空き缶、日常生活で出る不要な物を使ったアート作品

石ころ甚五郎様は、川や海で拾った石や空き缶、日常の生活で不要とされ普通であれば捨てられてしまうような物を材料として、素敵な作品を作られています。

石ころ甚五郎様はもともと大工の仕事をされており、手先がとても器用な方で絵もとても上手な方です。石に絵付けをされる前は、『石ころ絵手紙』として、絵手紙作りの活動もされていました。

平らな手のひらサイズの石に言葉と絵が描かれています
平らな手のひらサイズの石に言葉と絵が描かれています

5年程前に海の日のイベントでゴミ拾いの活動をしたことがきっかけで、川や海で拾った石に日常生活の会話の中で感じたことを、絵や言葉を使い表現されています。石に絵を描いたことがきっかけで、作品にも徐々に注目が集まるようになり、よりみんなに喜んでもらえるような作品を作りたいと思うようになったとのことです。

空き缶を使った環境問題へのメッセージを込めた作品
空き缶を使った環境問題へのメッセージを込めた作品

石ころ甚五郎様の作品は絵や言葉だけではなく、ゴミ拾いで拾った空き缶等も貼り付けたり、木材を使った立体的な作品も多く見受けられ、直接言葉では伝えきれない想いを作品を通して語りかけてくれます。

コルクやビンの蓋などを使ったアート作品
コルクやビンの蓋などを使ったアート作品

細部まで精巧につくられた小さなDining Barは、大工のお仕事での経験が活かされ、まるで今にも小人がこのBarでお酒を楽しみ始めそうな様子が目に浮かぶようです。

缶詰型タイムマシンに乗った未来のこども環境活動家たち
缶詰型タイムマシンに乗った未来のこども環境活動家たち

海のゴミは、2050年には海洋生物よりも多くなると予想をされていることから、環境問題について子どもでも楽しく学べるよう、『缶詰型タイムマシンに乗ったこども環境活動家』というストーリーのある作品を作り、楽しくゴミ拾いに取り組めるような面白い工夫された作品もありますよ。

■irodori(いろどり)様

irodori様は、仲良し姉妹で経営されています。作品は海岸清掃中に拾ったゴミを材料に作品作りをしています。

irodori様の活動のきっかけは、妹様のお子様がゴミ拾い活動を始めたことがきっかけです。もともと妹様のお子様は海が大好きな姉妹で、本などでも海の本を好んで読むような姉妹でした。姉妹は家にあった海の絵柄が綺麗に表紙に描かれた一冊の本に出会いました。その綺麗な表紙を開き中を見てみると、海鳥が体全体の形を残した状態で内臓が朽ち果て、胃袋と思われる部分に大量のゴミが残った状態の写真が映っていました。

当時小学生であった姉妹はこの写真には大変なショックを覚えたことでしょう。この写真をきっかけに、姉妹は環境問題にも目を向けるようになったそうです。今まで綺麗だと思っていた日立の海は、ゴミがたくさん落ちていることに気が付きました。そんな海を見て自分たちにも何か出来ることはあるはずと、姉妹は自主的にゴミ拾い活動を始めたそうです。

小学生姉妹のゴミ拾い活動を記録した本
小学生姉妹のゴミ拾い活動を記録した本

夏には海を訪れる人が増えますので、必然的にゴミも増えると考えた姉妹は「夏休みになったら毎日やりたい」とirodori様に告げたそうです。ゴミ拾いは夏休み期間だけでなく50日間連続して行われたそうです。とても素晴らしい活動です。ですが、そんな活動をあざ笑うかのように、ゴミは毎日捨てられ浜辺に打ち上げられ、ゴミが無くなることはありませんでした。

浜辺に落ちているシーグラスや貝殻
浜辺に落ちているシーグラスや貝殻

海岸のゴミ拾いを毎日続けることはとても大変な作業ではありますが、大量のゴミの中にも、シーグラスやかわいい貝殻などを探したり、姉妹たちにとっては宝石探しのような日々だったそうで、毎日楽しんで活動を行っていたそうです。

irodori様のお姉様は手先が器用で、もの作りが得意だったことから、拾ったシーグラスや貝殻、プラスチックゴミなどを使ってアート作品を作るようになりました。

割れた茶碗やガラスの欠片から生まれた浜辺の女の子
割れた茶碗やガラスの欠片から生まれた浜辺の女の子

浜に落ちているガラスや陶器の欠片は一つとして同じものは無く、作品はどれも一点ものです。どの破片も意図して割っているわけではないのに、表現している被写体が何なのかすぐにわかります。とても素敵な作品ばかりです。

浜辺に落ちているプラスチックゴミの破片
浜辺に落ちているプラスチックゴミの破片

浜辺に落ちる無数のプラスチックごみは、溶かして型に流し込み、固めるそうです。irodori様の作品は月に数回ご自宅の土間を使って展示販売をしています。他にもワークショップやイベントなどにも出店されているそうです。

プラスチックの破片が素敵なキーホルダーになりました
プラスチックの破片が素敵なキーホルダーになりました

作品の売上は、ゴミ拾い用のトングやエコバック、絵本など現在の海の状況を少しでも伝えるための活動費用に使われているとのことです。お子様が始めた活動は、姉妹の活動を知った後輩の小学生が活動を引き継ぎ、今では20人の子がゴミ拾い活動を続けているそうです。素敵な活動の輪がどこまでも広がればと思います。

■Takaji(たかじぃ)様

Takaji様は、ゴミ拾いボランティアブルースカイの代表や臨床検査技師、心理カウンセラーなど人のための活動を精力的に行っている方です。お話しをしていて、とても気さくで明るくその場に居合わせた人を自然と惹きつけてしまうような魅力溢れる方でした。ゴミ拾いは毎週土曜日の朝に実施し、仕事の前にゴミ拾いをされているそうでとても精力的に活動をしている方です。

繊細で緻密な作品です
繊細で緻密な作品です

Takaji様の作品は、全て海に捨てられていたゴミをアップサイクルした作品になっており、繊細でメッセージ性のある作品です。作品の裏には言葉としてのメッセージが貼られていますので、購入後にどんなメッセージが書かれているのか見るのも楽しみですね。

捨てられたゴミを拾い上げる瞬間は素敵な出会いの瞬間
捨てられたゴミを拾い上げる瞬間は素敵な出会いの瞬間

スマホのフレームを使った作品を見つめながら、このスマホのフレームは誰かが捨てた、たった一台のスマホが長い間海の中を漂流し自分の手元に届くのはすごい確率だと言い、素敵な出会いの瞬間でもあると目を輝かせて話されていました。錆びてしまった部品たちがTakaji様の手によって組み合わさり、新しく作品としての歯車が動きだした音が聴こえてきそうです。

色とりどりのシーグラス電球からは素敵な光が灯されそうです
色とりどりのシーグラス電球からは素敵な光が灯されそうです

Takaji様の作品は展示のみのことが多いですが、海のおくりもの展では販売もあるので、気になる方は次回の海のおくりもの展に足を運んでみてはいかがでしょうか。

■BAKE SHOP CORIN

BAKE SHOP CORIN 店舗外観
BAKE SHOP CORIN 店舗外観

海のおくりもの展の会場は、日立市河原子町のベーカリーショップ『BAKE SHOP CORIN』の店舗内フリースペースです。

BAKE SHOP CORIN内観
BAKE SHOP CORIN内観

店内はシンプルナチュラルな空間でパンは中央に配置されています。

どれも美味しそうで迷ってしまいました
どれも美味しそうで迷ってしまいました

豊富な種類がならび、何にしようか迷ってしまいました。

CORINさんレジ前
CORINさんレジ前

CORINさんのパンは、卵不使用の商品が多いため、アレルギーをもっている方の利用も多いそうです。卵を使用している商品は、クロワッサン、カスタード、マヨネーズ、焼き菓子等には卵を使用しているとのことですので、心配な方はスタッフの方にご確認いただいた上でご購入下さい。

人気商品のクロワッサン 237円(税込)
人気商品のクロワッサン 237円(税込)

CORINさんは、もともと地域の賑わいの場にできればという思いと、お店も作家さんもお客様もみんなが嬉しい場になればという思いがあり、知人の作家さんにお声掛けをしてフリースペースを利用してもらっているとのことでした。

オレオとチョコチップのマフィン 324円(税込)
オレオとチョコチップのマフィン 324円(税込)

CORINさんは店舗販売もありますが、イベントにも出店しています。9月1日(日)には『丘の上マルシェ』、10月13日(日)には開催予定の『DOG&FOOD FESTIVAL』でも出店をされていますので、普段遠くてなかなか訪れる機会がなかった方は、こうしたイベントで購入されるのもおすすめです。

自然界の源ともいえる海が汚れているということは、私たちが生きる上で必要な要素全てにその汚れが混じるということです。そして、その汚れを出しているのも我々人なのだという事実に目を向けなければなりません。まずは知ることから始めてみませんか?

海のおくりもの展は次回秋を予定しています。詳細はインスタ等で最新の情報を随時ご確認ください。他にも各店舗ごとマルシェやワークショップなどにも参加していますので、そういった機会にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

海のおくりもの展 with BAKE SHOP CORIN
■会場
BAKE SHOP CORIN
茨城県日立市河原子町4-3-6
■各作家さんのインスタグラム
Shell art Anp
石ころ甚五郎
irodori
Takaji
BAKE SHOP CORIN
■駐車場
有り
■お問合せは各インスタグラムのDMへ。

ひよっこライター(日立市・高萩市)

茨城県日立市・高萩市の担当になりました。まちのイベントや飲食店、子育て施設やお出かけスポットなどお役立ち情報をたくさん発信していきます。明日のお出かけにぜひ参考にしてください。

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