【宝塚市】今年も菅屋さんで『水無月』がはじまりました。
季節の変わり目は体調を崩しやすいもの。古来、日本の人びとは季節を意識した食べ物で、からだを整えてきました。そんな風習のひとつ『水無月』は6月限定の和菓子。氷を模した三角形には、いにしえの香りが詰まっています。
『金覆輪(きんぷくりん)』で有名な菅屋さんで、先月末から『水無月』の販売が始まりました。菅屋さんのお菓子はどれも美味しいですが、なかでも私はこの『水無月』がお気に入り。毎年6月になったら、菅屋さんに駆けつけます。
味は白餅、抹茶、黒糖の3種類。店頭には、組み合わせや個数を変えたパッケージが並んでいます。
その昔、室町時代の宮廷では、旧暦の6月1日に氷を食べて暑気払いをする風習がありました。当時の高級品である氷には手の届かない庶民が、代わりに氷を模したお菓子を食べたことが『水無月』の始まりだそう。(詳しくは菅屋さんのInstagramをご覧ください。)
今回は取材のため3種類をまとめて購入しましたが、どっしりとした米粉ベースのお餅は、ひとつでも食べ応え十分です。ふわとろとは無縁のもっちり食感はクセになる美味しさ。かすかなねっとり感は本葛でしょうか。忘れてはならないあずきの風味がお餅の重量感とベストマッチです。
シンプルな白餅がいちばん好みですが、黒糖のコクや抹茶の風味も捨てがたく、できたてがいちばん美味しいのもあって、毎年何回か通って組み合わせを変え、その都度1~2個を購入します。
黒糖のコクは、コーヒーと一緒にいただいてもいいですね。
日に何回か補充をされているそうですが、人気商品なのでタイミングによっては売り切れていることもしばしば。とくに夏越の大祓が近づく6月下旬は、お買い求めになるお客様も増えるそう。不安な方は電話での予約がお勧めです。(前日までの受付となります。)
氷が食べられない代わりに氷の形をしたお菓子を食べる。水無月の三角形を見るたびに、その発想のすばらしさと無邪気さがほほえましく、楽しい気分になります。たいせつなことは、季節を感じ、からだをいたわること。私にとって『水無月』は、めぐる季節を教えてくれる毎年欠かせない和菓子です。
(今回は山本店さんにおじゃましました。『水無月』は6月30日まで販売予定です。)
店舗情報
寶菓匠 菅屋
■ 宝塚市山本東3-9-4
■ 営業時間:山本店 9:00~19:00/本店 9:30~17:30
■ お問い合わせ:0797-89-0980(山本店)/0797-86-4748(本店)
■ 定休日:月曜日(但し祝祭日は営業 翌火曜日を振替休日とさせて頂きます)
※6月は月曜日のほか、6月27日(火)が休みです。
■ 公式Instagram