Mステ初出演で話題のOfficial髭男dism。通称“ヒゲダン”が人気のワケ
●J-POPをネクストレベルに進化するアレンジ力、歌唱力
11月30日、Official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)が音楽番組『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)へ初出演した。
10月17日にリリースした新曲「Stand By You」は、番組中でもオーディエンスとともにハンドクラップで加速するビート展開、サビでのシンガロングなど一体感を楽しめるポップアンセムとして話題となった。洋楽ライクな、世界的旬な方向性とのシンクロニシティはもちろん、J-POPをネクストレベルに進化するアレンジ力、歌唱力など聴きどころいっぱいのステージだった。
●ネットの進化による口コミヒットが生まれる構造変化
昨今、アーティストによる音楽の届け方に変化が見受けられる。Apple Music、LINE MUSIC、Spotifyなど、音楽ファンが好んで使うストリーミングサービスの浸透によって、音楽の情報流通経路に変化が生まれているのだ。Official髭男dismがメインストリームに躍り出た背景には、“ファーストタッチ”となるストリーミングサービスの分析が欠かせない。
かつて音楽シーンでは、購入するCDを吟味するために音楽雑誌などマスメディアによるインタビューやレビューをきっかけにリリース情報は伝わっていた。しかし、CDショップに行かずともリスナーはスマホやパソコンによってほぼ無限に作品を聴くことのできるストリーミングサービスの登場によって変化が生まれた。Spotifyでいうところの『New Music Wednesday』、『トップ50(日本)』、『Tokyo Super Hits!』、『Top Hits Japan』、『On Replay- メガヒットリプレイ』など、楽曲探しの羅針盤となる人気プレイリストに複数リストインすることがTwitterやFACEBOOKなどSNSへの口コミのきっかけとなり、リスナーへと作品力が拡散されていく時代となりつつある。さらにジャンルに区分されたプレイリストのセレクト指標は選曲家による“楽曲力の高さ”だというのだから興味深い。
アンテナを張っている、耳の肥えたコアな音楽ファン=アーリービリーバーが飛びつくストリーミングサービスによって、“人気のきっかけ”となる初動のバズが起きるのだ。業界パワーゲームではなく、純粋に楽曲力が問われるストリーミングサービスでの評価が音楽ファンへ熱量を持って伝わっていることに注目したい。
さらに楽曲力が話題となった結果、ラジオやテレビがさらに取り上げることで一般層へと浸透していく。その結果、テレビ、ラジオや街鳴りでかかっている曲が気になったリスナーは、スマホの内蔵マイクに聞かせることでタイトルを教えてくれる音楽認識アプリ Shazamで検索することによって、グレーゾーンであった人気が“検索ランキング”として可視化されていく。
●Mステ出演後、ランキングへの影響
10月にリリースされた曲ながら、『ミュージックステーション』で披露された「Stand By You」は番組終了後、Apple MusicのJ-POPアルバムチャート3,4位に浮上。ビデオ総合チャートでは1,2,4,6位へとランクイン。J-POP単曲チャートでは8位へ再浮上。iTunes J-POP単曲チャートでも13位、LINE MUSICソングチャートでは9位まで上がってきている。
さらに、11月30日からは世界最大級のストリーミングサービスApple Musicの新CMにOfficial髭男dism「Stand By You」が起用されている。“ヒゲダン”旋風は2019年へ向けて加速していきそうだ。
Official髭男dismオフィシャルサイト