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「サンデージャポン」でもオンリーワンの存在感で注目。サニー齋藤とは?

中西正男芸能記者
俳優と社長、二つの顔を持つサニー齋藤

 2月9日のTBS系「サンデージャポン」に出演し、オンリーワンの存在感を見せたサニー齋藤さん(55)。これまで日本のメディアにはほとんど露出せずにきましたが、世界で最も長い歴史を誇る美術オークションハウス・クリスティーズ社の日本不動産部門社長、そして、海外ドラマ「SWAT」「HAWAII FIVE-O」、「WESTWORLD」などに出演する俳優という豪快な“二足のわらじ”を履いています。世界各国で活動する齋藤さんですが、その“根っこ”について語りました。

5歳から香港

 今は東京とロサンゼルス、だいたい半々くらいの生活をしています。家族はロスにいて、東京では一人で暮らしています。

 東京で生まれて、5歳の時に親の仕事の関係で香港に行きまして。初めはイギリスの学校、そこから日本人学校、アメリカンスクール。そこからアメリカの大学に行きました。

 当時は、バブルの時代だったんで、ヘッドハンターから連絡が来ましてね(笑)。ある証券会社が人材を探していると。

 というのも、大学時代は学費を工面するためにモデルの仕事をやったり、物理の教授のアシスタントのアルバイトをやったりしてたんです。その中の知人がたまたま証券会社で働いていて、その関係で声がかかったんです。

 ロサンゼルスのビバリーヒルズを拠点にして、そこから日本、香港、ロンドン。ロンドンを前線基地にしてドイツやフランスをまわってからニューヨークに行ってビバリーヒルズに戻る。そんな生活を毎月やってました(笑)。

 当時は21~22歳でしたけど、どこに行くにもリムジンカーで運転手付き。飛行機もファーストクラスで、経費使い放題。売り上げを出せば、何をやってもいい。ただ、稼がないとすぐにクビ。そんな時代でした。

俳優の道へ

 その中で人生の価値観について、本当に考えました。結果、自分の好きなことをやろうと。もともと小さな頃から人前で何かをやるのが好きだったし、大学を出てから俳優学校で学びたいという思いもあったので、30歳で引退して、アクティングスクールに通いました。

 ただ、今までニュー・ライン・シネマとかディズニーとか、そういうところと何百億というファイナンスの話をしていたところから、CMオーディションに行って、キャスティングのアシスタントさんにいろいろと言われる生活になる。

 そこの意識の変化は大変なところもありましたけど、やる以上は、全てのエゴを捨てて、俳優としてしっかりとやりきる。始めは大変でしたけど、そこから何とかお仕事をいただけるようになり、日本人のキャストでいうと、真田広之さんとか小澤征悦さん、菊地凛子さんらとご一緒したりするような感じになっています。

 またその中で、恩人から頼まれて、30代半ばから再びビジネスの世界に入ることになったんです。でも、その方が47歳で亡くなってしまって。

 そうなると、そちらもより一層頑張らないといけないし、俳優とビジネスをうまく両立する。高いレベルで成立させる。それを考えた時に、一番時間的融通がきいて仕事ができるのが不動産関係だなと。それが今のクリスティーズの不動産事業に繋がったんです。

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日本人であること

 今回「サンデージャポン」にも出演の機会をいただきましたが、自分としては、ただただ、いろいろやりながら生きてきただけなんですけど、周りの方々からすると、「同じような経歴の人がいない」「かぶる人がいない」と。そこから生まれる発言みたいなものを面白いと思っていただけるならば、本当にありがたいことだなと考えています。

 日本で生まれて世界各国をまわって、そして、仕事もいろいろなものをさせてもらってきました。目まぐるしい人生だったかもしれませんけど、その中で、僕が一つ貫いてきたことがあるとすると“日本人の心を意識すること”ですね。

 海外にいるとね、二つに分かれると思うんです。一つは、日本人ということを隠してというか、もっと言うと恥じて、その国に溶け込む人。もう一つは、日本人であることにプライドを持つタイプ。僕は完全に後者なんです。

 というのも、おふくろの実家が柔道の道場だったんです。僕のおじいさんは柔道九段。講道館でもすごく上の人だったと。おばあさんはお茶の世界にいて、おふくろもお茶をしていて。そういうと環境で育ったこともあって、より日本人を意識してきたのかもしれません。

 ただ、一つだけ妥協したのが名前で…。本名は齋藤聖一。香港のアメリカンスクールでも、そこで学内で使う名前としてスティーブとかショーンとか校長先生からつけられるんですけど、それも拒否して、ずっと聖一でやってきたんです。

 でも、20年ほど前、役者の仕事をやり始めた時に、聖一という名前が覚えにくいと、これでもかと言われまして。そこでサニーにしたんですけど、ま、あくまでも基本は齋藤聖一ですから(笑)

(撮影・中西正男)

■サニー齋藤(さにーさいとう)

1964年10月6日生まれ。東京都出身。本名・齋藤聖一。5歳から香港で育ち、学生時代を香港、アメリカで過ごす。大学卒業後、メリルリンチ証券、ドレクセル・バーナム証券を経て、クリスティーズ社の日本不動産部門社長に就任。また、俳優としても海外ドラマ「SWAT」「HAWAII FIVE-O」、「WESTWORLD」などに出演。日本とロサンゼルスをベースに世界各国で活動。2月9日放送のTBS系「サンデージャポン」に出演し、今後はコメンテーターとしても活動予定。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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