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今年度ロケット打ち上げ予定 11/14:観測ロケット 12/14カイロス H3 H2A イプシロンS

H3ロケット 出典:JAXA

11月4日、H3ロケット4号機の打ち上げが見事成功しました。今年度は、H3ロケット5号機をはじめ、H2A、観測ロケット、カイロスロケット、イプシロンSなどの打ち上げが予定されており、本記事では、それらの詳細をご紹介します。

■11月14日:観測ロケットとデトネーションエンジン

観測ロケット 出典:JAXA
観測ロケット 出典:JAXA

観測ロケット「S-520 34号機」は当初、2024年8月11日にの打ち上げが予定されていました。 しかし、8月8日に宮崎県沖で震度6弱の地震が発生し、鹿児島県肝付町に位置するJAXA内之浦宇宙空間観測所では震度5弱の揺れが観測されました。そして、この地震の影響を踏まえ、打ち上げは11月14日(木)に延期されることが決定しました。
なお、JAXAの発表によりますと、内之浦宇宙空間観測所に地震による被害は確認されていません。 今回打ち上げるペイロードは、次世代の宇宙推進システムである「デトネーションエンジン」の宇宙実証です。音速を超える衝撃波を利用することで、大きな推進力を得ることを目的としています。

■12月14日:スペースワンによる「カイロスロケット」

カイロスロケット 出典:スペースワン
カイロスロケット 出典:スペースワン

カイロスロケットは、スペースワンが開発した新型国産ロケットです。2024年3月13日、に初号機の打ち上げが行われましたが、残念ながら発射から5秒後に空中で爆発が発生しました。

そして、スペースワンは2024年12月14日にカイロスロケット2号機の打ち上げを行う予定であることを発表しました。1号機での失敗原因となった自律判断システムに改修を加え、ロケットの速度を正しく把握できるようにしたとのことです。次回の打ち上げでは、小型衛星を1機、超小型衛星を4機搭載し、地球周回軌道に投入することを目的としています。カイロスロケットは、「世界最短」・「世界最高頻度」の人工衛星打ち上げサービスを構築することを目標としています。

■2024年度:H3ロケット5号機

H3ロケット 出典:JAXA
H3ロケット 出典:JAXA

今年度にはもう1機のH3ロケットの打ち上げも控えています。 H3ロケット5号機では準天頂衛星「みちびき」の打ち上げを行う計画です。

準天頂衛星システムとは、複数機の人工衛星により地球上の位置を計算するシステムのことです。アメリカのGPSがよく知られており、 スマートフォンやカーナビでも活用され、私たちの生活になくてはならないものになっています。「みちびき」を利用することで、山間部などの見通しの悪い場所でも測位ができるようになるだけでなく、測位精度を数cmまで高めることができます。「みちびき」は7機体制を目標としており、2025年度には6号機、7号機をH3で打ち上げることが予定されているようです。

■2024年度:H2Aロケット50号機(最終号機)

H2Aロケット 出典:JAXA
H2Aロケット 出典:JAXA

H2Aは2024年9月の49号機での打ち上げで、情報収集衛星の軌道投入に成功し、連続43回の打ち上げにも成功しています。打ち上げ成功率の高さはもちろんのこと、H2Aはロケットの機体や地上設備などの技術的なトラブルによる延期が少なく、ロケットをあらかじめ決めた日程の中できっちり打ち上げることができる「オンタイム打ち上げ」率が高いという特長から、海外の衛星も複数回打ち上げを行った実績があります。

そんなH2Aですが、2024年度に打ち上げられる残り1基で退役することが決定されています。普段見慣れたH2Aがいなくなってしまうのは寂しいですね。H2Aの最期となる50号機では、温室効果ガス・水循環観測技術衛星「GOSAT-GW」を打ち上げ予定です。H2Aが残りの打ち上げも成功させ有終の美を飾り、無事に退役できるようみんなで見守っていきましょう。

■2024年度以降:イプシロンS

イプシロンロケット 出典:JAXA
イプシロンロケット 出典:JAXA

イプシロンSは3段式の固体燃料を搭載した国産基幹ロケットで、初代であるイプシロンロケットの進化系です。 H3ロケットと固体ロケットを共通化するなど、様々なシナジー効果により国際競争力を強化することを目的としています。 2024年度以降に初号機の打ち上げが予定されています。

搭載されるペイロードは、ベトナムの地球観測衛星「LOTUSat-1(ロータスサット・ワン)」です。実はこのロータスサットワン、日本企業のNECがベトナムから受注した衛星なのです。ミッションの目的はベトナムの自然災害への監視強化による、被害の抑制や災害予測に貢献することです。衛星に搭載したレーダーにより、昼夜を問わず観測データを取得します。日本の洗練された衛星技術が、このように海外へ今後も広がっていくと嬉しいですね。

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