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阪神ファームが広島に3連勝!森田は7号を含む3安打4打点、小宮山と横田が連弾

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

きのう7日、鳴尾浜で行われたウエスタン・リーグの阪神‐広島戦。このカード今季初の連勝で勢いに乗る小虎打線は、先制、逆転、勝ち越しと攻め続けて3連勝!3試合とも2ケタ安打で、しかもきのうは先発野手全員安打のおまけつきです。5回に横田選手がホームランを放った時点で“リーチ”となり、7回に西田選手の中前打で先発9人全員のヒットが完了。残り試合が1ケタとなってから、急に得点率も上がったような…気のせいでしょうかね。

なお私は7日、西武ドームで『第39回全日本クラブ野球選手権大会』を見ておりました。もと阪神の穴田真規選手が所属する和歌山箕島球友会は、残念ながら2回戦(準々決勝)で敗退。連覇どころか翌日の準決勝にも進めず、その日のうちにバスで和歌山へ帰った選手たち。きょう朝5時からもう働いているそうです。このクラブ選手権については、また別の記事で書かせていただきますので、しばしお待ちください。

《ウエスタン公式戦》9月7日

阪神-広島 25回戦 (鳴尾浜)

広島 030 100 001 = 5

阪神 202 050 00X = 9

◆バッテリー

【阪神】島本-○榎田(1勝2敗)-藤原-西村-白仁田-伊藤和 / 小宮山

【広島】西原(3回)-●河内(2敗)(1回0/3)-横山(1回)-江草(1回)-池ノ内(1回)-岩見(1回) / 白濱

◆本塁打 森田7号2ラン(西原)、小宮山3号3ラン、横田5号ソロ(横山)

◆二塁打 森田、北條、岩本、下水流2 

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]左:田上   (5-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .227

2]二:荒木   (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .245

〃打:原口   (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .271

〃走二:阪口  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .253

3]右:緒方   (2-1-0 / 0-2 / 0 / 0) .309

〃打:清水   (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .176

〃投:伊藤和  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

4]指:森田   (3-3-4 / 0-0 / 0 / 0) .273

〃打指右:中谷 (2-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .183

5]一:陽川   (3-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .251

6]遊:北條   (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .245

7]三:西田   (2-1-0 / 0-2 / 0 / 0) .229

8]捕:小宮山  (3-1-3 / 0-1 / 0 / 0) .200

9]中:横田   (4-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .205

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

島本  3回 60球 (5-3-3 / 3-3 / 3.40) 144

榎田  2回 46球 (2-2-1 / 1-1 / 1.42) 146

藤原  1回 20球 (1-1-1 / 0-0 / 3.48) 143

西村  1回 6球 (1-0-0 / 0-0 / 5.06) 139

白仁田 1回 12球 (1-0-0 / 0-0 / 4.89) 145

伊藤和 1回 19球 (2-1-0 / 1-1 / 6.35) 142

取られても諦めない打線

阪神は1回、2死から緒方の右前打に続く森田の右中間2ランで先制!ところが、三者凡退で立ち上がった島本は2回にエルドレッドの中前打と岩本の二塁打で無死一、三塁とし、6番・下水流のタイムリー二塁打で同点とされます。さらに四球と暴投、2死後に死球で満塁として上本に押し出しの四球。この回3対2と逆転を許しました。

しかし、3回、田上と荒木の連打(ランエンドヒット)で無死一、三塁とし、1死後に森田がレフトフェンス直撃の2点タイムリー二塁打!再逆転です。2人目の榎田が4回1死から安部の内野安打、上本の左前打、代打・栗原への四球で満塁とされ、エルドレッドの犠飛でまたまた同点となりましたが、この3連戦は今までとちょっと違う小虎打線!5回に猛攻を見せます。

先頭の緒方がストレートの四球、森田は右前打で一、三塁として陽川の犠飛で勝ち越し。森田が牽制で刺され2死ランナーなしとなるも、北條の左中間二塁打、暴投と四球で2死一、三塁となって小宮山が左中間へ3ラン!ついで横田もレフトポール際へ5号ソロ!2者連続ホームランを含む4安打で、この回一気に5点追加。

6回は藤原が1安打1四球。7回は西村が1安打、8回も白仁田が1安打と走者を出しながらも無失点リレー。こちらの打線も後半、ヒットや四球で出塁しますが得点はなく、9対4で迎えた9回表、伊藤和が登板。2死を取ったあとに岩本の中前打と、続く下水流の右越えタイムリー二塁打で1点返されました。でも全く支障なし。最後は美間を空振り三振に仕留めて試合終了です。

森田「悔しさと情けなさしかない」

前日の中谷選手に続いてチームトップの7号を放った森田選手。つまりながら逆風を突いて放り込むのはさすが。次の二塁打がまた素晴らしい当たりだったそうです。しかもホームランはファーストストライク、二塁打は初球を打ったもの。「きょうは積極的にいきました。1打席目は先制のホームランで、2打席目は逆転の二塁打で、2本とも内容がよかった。3打席目も結果的にヒットでよかった(勝ち越し犠飛につながる右前打)」と納得の3打数3安打4打点。

とはいえシーズン終盤を迎え「1軍に上がっていないし、悔しさと情けなさしかないです」と複雑な心境を吐露しました。

小宮山選手は、試合を決める3ランでしたねと言われ「横田の方がすごかった!試合を決めたのも横田でしょ」と話していたそうです。

へこたれない横田に監督は期待

その横田選手は第5号。またしてもレフト方向へ、やはり右投手からです。右なら打てる?「はい、打てました!右の方が見やすいので、打席でも余裕はあります」。ライナー性の打球が多かったけど、きのうは高く上がってポール際。でも「打った瞬間、入ると思った」と言います。先日、3本打った時にも話していたんですが「タイミングを早く取るようにしてから、自分のスイングができているし、ボール球に手を出していない」とのこと。

もう5本ですねえ。「プロに入った時は1本も打てると思わなかった」。入団会見で、逆方向への打球が持ち味と言っていました。「右方向が多いので、いい感じで打てていると思います」

平田監督は横田選手について「きのう2安打、きょう2安打。2割に乗っただろう。少しずつ見逃し方もよくなって、少しずつゲームに慣れつつある。これからが楽しみだね。少ない打数で5本だからな。体力強化も並行してやっているけど、へこたれない」と最年少の若武者に大きな期待を寄せました。

エルドレッドへの1球を悔やむ島本

島本投手は1回が三者凡退で、2回も先頭のエルドレッド選手を真っすぐ2球で追い込みながら、次のフォークをセンター前へ運ばれました。「抜けてしまって…それが一番もったいなかった。あれが抜けていなければ、その後もすんなりいけていたかなあ」と後悔しています。1回は真っすぐ中心で、2回に変化球をまじえた配球。それを打たれたこともあって、3回は先頭のエルドレッド選手から空振り三振!

「3回は真っすぐで力勝負。エルドレッドで開き直りました。真っすぐは悪くなかったけど、まだまだキレがないなと思った」と話しています。公式戦の先発機会も、もうあるかどうかという残り試合数。鳴尾浜で、しかも日曜とあってご両親も観戦されました。ちょっと悔しい内容だったかな。もう一度チャンスがあるといいですね。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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