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香取慎吾、信号横断時の「歩きスマホ」の怖さを語る:運転手からは怖い存在で交通渋滞の要因にも

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:アフロ)

 香取慎吾氏が2018年2月3日のツイッターで、以下のように呟いていた。

 この光景、香取氏だけでなく、多くの人が目の当たりにしたことがあるか、もしくは経験したことがある人が多いのではないだろうか。いわゆる「歩きスマホ」だ。信号横断時だけでなく、駅のホームなどでも多くの人が「歩きスマホ」をしている。

運転手からは非常に怖い存在の「歩きスマホ」、交通渋滞の要因にも

 スマホに神経と目が集中しているからといって、赤信号なのに、それに気がつかずに「歩きスマホ」をしながら横断歩道を横断するのは、もはや自殺行為だ。

 また信号待ちの時に、多くの人が手持無沙汰になってしまい、スマホを取り出してLINEやツイッター、Facebook、ニュースなどをチェックしてしまう人が多い。そして信号が青に変わり横断歩道を渡っているが、神経と目はスマホに集中しているため、歩くのも遅くなり、信号がいつの間にか赤に変わっていることにも気がつかずに、まだ道路にいて、焦ったという経験がある人は多いだろう。

 最近では、YouTubeなど動画を見ているのだろうか、イヤホンをしながら「歩きスマホ」をしている人も多い。耳から聞こえる音は、周囲の危険を察知するのにとても重要なため、イヤホンをしてさらにスマホを見ながら歩くことは非常に危険だ。「歩きスマホ」をしていて信号を横断しきれない場合、自動車が歩行者の横断を待っていないといけないので、交通渋滞の要因にもなる。

 車の運転手から見ても道路横断中の「歩きスマホ」をしている人は非常に危険だ。スマホに神経と目が集中しているので、周囲の自動車に気がついているかどうか、わからない。突然どのような動きをするのかも読めない。運転手から見ると「歩きスマホ」をしている人が前方にいるだけで、かなりの神経を使い、不安になる。それにも関わらず「歩きスマホ」をしている人は「自分は大丈夫、ちゃんと周囲が見えている」と思い込んでいる。

渋谷交差点で全員が「歩きスマホ」したらどうなる?:ドコモのシミュレーション

 NTTドコモは2014年3月、「歩きスマホ」の事故防止およびマナー向上の取り組みとして渋谷の交差点で全員が「歩きスマホ」だったらどうなるか、という内容のシミュレーションCG動画「全員歩きスマホin渋谷スクランブル交差点」を公開した。日本でも有数の通行量を誇る「渋谷スクランブル交差点」で、1,500人が「歩きスマホ」しながら横断した場合の検証CG動画である。

 青信号点灯の46秒間に「ハチ公前方面」、「井の頭線方面」、「道玄坂方面」、「センター街方面」、「原宿方面」の5方面へ向かって行く1,500人の横断者が「歩きスマホ」をしながら信号を横断していく。最初は小さな回避や衝突が、やがて多くの横断者が横断できないという混乱につながっていくことがわかる。

 横断に成功した人は半分もいない。その多くの人が衝突、転倒などで46秒の間に信号を渡りきれなかった。動画によると「歩きスマホ」の場合、1.5mまで接近しないと対象物を認知することはない、また「歩きスマホ」時の視野は通常時に比べて1/20になってしまう。

 渋谷のスクランブル交差点や駅など人が多いところほど「歩きスマホ」は多い。そしてそれだけ事故が発生する確率も高い。シミュレーションの中で、回避できず衝突した場合の起こりうる行動として「あやまる」、「スマホを落とす」、「倒れる」の3通りだった。衝突や転倒は自分だけでなく、相手にも怪我をさせてしまう可能性があり非常に危険である。また「歩きスマホ」のせいで信号を横断できなかった場合、自動車通行の妨げによる道路の混乱を引き起こす。しかし「歩きスマホ」をしなければ、このようなリスクを回避できる。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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