非常に強い台風2号 沖縄に接近、停滞のわけ
台風2号は27日(土)午後3時現在、フィリピンの東海上を時速25キロの速さで西へ進んでいます。中心の気圧は925ヘクトパスカル、最大風速は50メートルと依然として非常に強い勢力を保っています。
台風は今後も西寄りに進み、30日(火)頃から進路を北寄りに変えて、沖縄に近づく予想です。その後、6月1日(木)にかけて、動きが遅くなるため、沖縄では影響が長く続くおそれがあります。数日間、外出が難しくなる場合に備えてください。
今年初の猛烈台風
台風2号が発生して一週間が経ちました。その間、台風は約2,000キロを移動、時速に換算すると約12キロの速さです。
動きはゆっくりでしたが、発達は急でした。23日午後3時までの24時間に風速が30ノット(※)増加し、一時は猛烈な勢力まで発達しました。
低気圧とは違って、台風の急発達には明確な基準はありませんが、アメリカでは1分平均風速が24時間で30ノット増加することとしています。
三日たっても変わらず
もうひとつの特徴は進路図がほとんど変わらないことです。沖縄付近に進む予想が示されたのが24日午後です。その後も進路予想に大きな変化は見られず、27日午後の予想でも、予報円は沖縄付近に留まっています。沖縄から先の進路はばらつきが大きく、定まらない状況が続いています。
なぜ、台風は停滞するのか
台風のスピードが落ちると長時間、暴風雨や高波にさらされるだけでなく、前線が刺激され、広範囲で大雨となる危険性が高まります。そのため、台風の遅速を見極めることも大切です。
台風2号が沖縄付近で停滞する理由には高気圧が関係しています。上図は偏西風の波としての活動度の大きさを示した図で、振幅の大きい偏西風が西から伝わり、日本付近で高気圧が停滞する様子がわかります。
6月1日にかけて、台風2号は高気圧に行く手を阻まれ、沖縄付近で動きがゆっくりとなる見通しです。
【参考資料】
高谷康太郎、2009:「波の活動度」および「波の活動度フラックス」、天気、56、831-833
(※)1ノット(kt)は毎秒0.5144メートル