北は大規模黄砂、南は熱低が発生する予想で、日本付近への影響は?
大規模な砂嵐から大規模な黄砂へ
タイトル画像をみると、低気圧に伴う強風により発生した砂嵐とみられるオレンジ色の範囲が大陸に広がっており、大規模な黄砂として東側に氾濫してきている様子がうかがえます。
気象庁が発表している黄砂の観測地点と視程をみても、きのう9日(日)は大陸で広範囲に視程2キロ未満のかなり濃い黄砂が観測されました。(地図中の赤い地点)
北日本中心に大規模黄砂が到来か
大陸で発生中の大規模な黄砂は今後偏西風に乗りながら東へ広がり、あさって12日(水)には日本付近へ到来する計算となっています。上図のように、特に北日本でかなり濃い黄砂の襲来となるおそれがあります。
気象庁が発表している地表付近の黄砂の濃度と視程の関係によると、北日本を中心に予想されている360マイクログラム/立方メートル以上の黄砂は、視程2キロ前後のかなり濃い黄砂に相当し、特に札幌と青森の間に見られるような赤い領域、840マイクログラム/立方メートル以上の黄砂は、視程1キロ前後に相当するような日本ではあまりみられないような濃い黄砂の襲来と言えます。
これはあくまでも計算上の予想ではありますが、もし予想通りの黄砂がやってくれば、紛れもなく大規模な黄砂、記録的な黄砂となる可能性があり、霧でかすむような視程の悪化となってもおかしくありません。
今後、気象庁から黄砂に関する情報が発表される可能性もありますので、最新情報に要注意です。
南は熱低が発生予想
北は黄砂の一方、タイトル画像をみると、日本のはるか南海上で、雲域が一段とまとまりを見せています。現在は低圧部という解析ですが、あす11日(火)午後9時の予想天気図によると、フィリピンの東海上へ進みながら中心付近が推定できる熱帯低気圧に変わる予想です。
さらにフィリピンの東海上は海水温が高く、30度近くありますので、熱帯低気圧から台風へ発達する可能性も十分に考えられ、台風となれば、今年初の台風1号となります。(関連記事)
太平洋高気圧に北上を抑えられる?
発生が予想される熱帯低気圧は、その北側の沖縄の南に太平洋高気圧がベルト状に勢力を強める予想のため、これに北上を抑えられるように、そのままフィリピン付近へ西進する可能性が高い計算となっています。
ただ、一部の計算では、太平洋高気圧が衰退し、フィリピンの東海上を北上するような予想もありますので、今後の動向に注目です。