Yahoo!ニュース

東京で年間の夏日140日と1位タイ 最早・最遅記録はでなかったものの各種の暑さ日数は軒並み最多更新

饒村曜気象予報士
寒冷前線の南下と前線に向かって北上する暖気(10月20日12時)

年間140日の夏日

 10月20日の東京は、北日本を南下中の寒冷前線に向かって暖気が入り、昼過ぎに日最高気温27.1度を記録しました(タイトル画像)。

 今年、令和5年(2023年)で140日目の夏日(最高気温が25度以上の日)となり、昨年に記録した年間最多夏日140日と並んで1位タイとなりました(表)。

表 東京の猛暑日、真夏日、夏日、熱帯夜の年間観測日数(令和5年(2023年)は10月20日まで)
表 東京の猛暑日、真夏日、夏日、熱帯夜の年間観測日数(令和5年(2023年)は10月20日まで)

 天気予報からみて、10月下旬は夏日にはならない見込みですが、東京では10年に1回は11月に夏日が発生していますので、タイ記録ではなく新記録の可能性が残されています。

 暑さを示す猛暑日、真夏日、夏日、熱帯夜(最低気温が25度以上の夜のことであるが、便宜上、最低気温が25度以上の日を集計)という4つの指標すべてで新記録という異常な暑さの夏でした。

東京の夏日等の期間

 暑さの記録ずくめの令和5年(2023年)でしたが、最早・最遅記録は更新していません。

 東京都心の観測記録は、明治8年(1875年)6月5日以降、約149年分あり、最も早い夏日は平成25年(2013年)の3月10日ですが、令和5年(2023年)は3月24日と歴代4位でした(図)。

図 東京の猛暑日、真夏日、夏日の最早・最遅記録と令和5年(2023年)
図 東京の猛暑日、真夏日、夏日の最早・最遅記録と令和5年(2023年)

 最遅の記録は、昭和50年(1975年)の11月16日ですので、更新はかなり高いハードルです。

 また、真夏日の最早は昭和34年(1959年)の5月5日ですが、今年は5月17日、最遅は令和25年(2013年)の10月12日ですが、今年は9月27日でした。

 さらに、猛暑日の最早は令和4年(2022年)の6月25日ですが、今年は7月10日、最遅は昭和17年(1942年)の9月12日ですが、今年は8月29日でした。

 暑さに関する日数のランキングでは、ほとんどが平成から令和のものですが、最早・最遅の記録は、昭和が少なからずランキングに入っています。

 昔は、色々な条件が重なって記録的な暑さになることがあっても、ほんの短い期間でしたが、現在は、記録的な暑さが続くという特徴がありそうです。

タイトル画像の出典:ウェザーマップ提供。

図、表の出典:気象庁ホームページより筆者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

饒村曜の最近の記事