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シーズン終盤のNFLに激震!1日過去最多の37選手がコロナ陽性でリザーブリスト入り

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
更なるコロナ対策が求められるNFLのグッデル・コミッショナー(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【シーズン終盤のNFLでコロナ感染拡大】

 レギュラーシーズンが残すところ4週となり、ポストシーズン争いが佳境を迎えているNFLに、衝撃的なニュースがもたらされた。

 米主要メディアが現地時間の12月13日に報じたところによれば、NFLは同日に、36選手が新型コロナウイルス検査で陽性となり、全選手をリザーブリストに回したことを発表したという。

 またメディアによると、NFLの発表後にさらに1人増え計37人に達した模様で、NFLが検査を実施して以降1日の陽性者数としては過去最大で、今後NFLと選手会で対策を協議していく予定だ。

【32チーム中22チームで陽性反応者】

 NFLと選手会が策定した今シーズンのプロトコルにより、陽性反応が出た選手はリザーブリストに入れられ、チーム活動から一時隔離されることになる。

 その後はワクチン接種者と非接種者で隔離期間が変わってくるが、いずれにせよ2回連続で検査が陰性反応にならない限り、リザーブリストから外れることはできない。

 今回NFLにとって深刻な状況なのは、コロナ感染が特定のチームに限ったものではなく、リーグ全体に広がっていることだ。

 フットボール専門サイトの『SHARP FOOTBALL ANALYSIS』では、NFLから発表されたリザーブリスト入りした36選手の内訳を明らかにしているのだが、それによるとラムズとワシントン・フットボールチームの4人を筆頭に、計22チームからリザーブリスト入り選手が出ている。

 これはリーグ全体(32チーム)の過半数に達しており、今回のコロナ感染がリーグ全体に広がっていることを示すもので間違いないだろう。

 特に4選手がリザーブリスト入りしたワシントン・フットボールチームは、お互いにポストシーズン進出がかかったイーグルスとの直接対決を今週末に控えており、早くも感染拡大の影響が出る可能性が高い。

【リーグ初のオミクロン株陽性反応者も】

 またNFLネットワークのトム・ペリセロ氏によれば、ワシントン・フットボールチームのチームスタッフ(ただし選手やコーチ陣とは濃厚接触できないティア3グループのスタッフ)から、リーグで初めてオミクロン株による陽性反応が確認されたようだ。

 米国でもオミクロン株の感染が拡大していることから、今後NFLとしては、オミクロン株の感染拡大も警戒していかざるを得ない状況にある。

 ここまで陽性反応者を出しながらも何とか無事にスケジュールを消化してきたNFLだが、今後の感染状況次第では試合運営にも影響を及ぼしかねない可能性が出てきた。

 NFLと選手会は早速対策に乗り出し、ティア1とティア2グループに属する選手、コーチ、チームスタッフ全員を対象に、12月29日までに3度目のワクチン接種をする方針を発表している。

 果たしてNFLは、このままスーパーボウルまで無事に試合を運営することができるのだろうか。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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