【モノ語り#15】MX KEYS mini ならパンタグラフだとしても最高の打ち心地
そのモノが良いとか悪いとか、そういう話はおもしろくない。そうではなく、そのモノがぼくにとってなんなのかを話したい。そんな一方的な「モノ語り」、どうぞお付き合いください。
今日の話は、ぼくの愛用しているキーボードの話だ。
いままで愛用していたのはHHKBといわれる静電容量無接点方式のキーボード。形としては、メカニカルキーボードのようなタイプで、キーストロークがかなり深い。
キーひとつひとつをしっかりと押し込む。その感覚がやみつきになるキーボードだ。
HHKBを選んだ理由は、いま考えてみると、どれも不純だったようにも思える。見栄もあったかもしれない。
まがりなりにもWebディレクターでライターなぼくだ。人よりも長くキーボードと対峙するからこそ、道具には一層のこだわりがある。という姿勢を見せたかった…のかもしれない。
いやいや。HHKBの打ち心地には十分に満足している。打てば打つほど心地いい打感を感じることができて、タイプすることが楽しくて仕方ない。こんな体験ができたことに、感謝しかない。
でも、心のどこかでは「HHKBを使っていること」がステータスだと感じていたのかもしれない。「自分、HHKBつかってます」って言いたかっただけなのかも。
「キーボードにこだわるならHHKBだよね」
「HHKBこそ至高の逸品」
「自分はHHKBの打ち心地がわかる男」
そんな見栄のようなものが、まったく無かったかといえば、嘘になりそうだ。
そこでもう一度、自分にたずねてみる。本当に打ちやすいキーボードとは何か。パンタグラフのようなペチペチ系のキーボードは邪道だと、決めつけてはいないだろうか。
自分の心に正直になってみると、実は MX KEYS mini こそ、まさに打ちやすいキーボードだったのではないかと思えてきたのだ。
MX KEYS mini は、パンタグラフ形式のキーボードだ。しかし、一般的なパンタグラフに比べるとキーストロークは深く、Macの Magic Keyboardなどよりは「タイプした」という実感を指先に感じやすい設計になっている。
深いといっても、HHKBほどではない。だから、HHKBの「ゴスッ」としたプッシュ感よりもずいぶん軽く、「トスッ」「パスッ」という感じの打ち心地だ。
この浅くもなく、深くもない、ちょうどいい塩梅が、正直たまらない。疲れることもなくタイプし続けられて、なおかつ指をスピーディーかつ縦横無尽に踊らせることができる。
今日もお付き合いいただきありがとうございます。
いままでは、なんだか盲目的に「HHKB、サイコー!」「メカニカルキーボードつかってる自分、かっけー」って信じてきたような気がする。
けれど、もっと視野を広げて、自分の心に正直になったら、なんだか肩の力も抜けて、タイプする指も軽やかになったような気がする。
MX KEYS mini 、サイコー!