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【富田林市】建物取り壊し迄カウントダウン!イベントで盛り上がったピュア金剛、最後の雄姿を見てきました

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

金剛地区は、今のような新興住宅地が出来て半世紀が経ちました。建物の老朽化、住民の高齢化が進む現状に危機感を持ち、町をもっと盛り上げようということで、官民が立ち上がり、いろんな活動を行っていますね。

そのため最近の金剛地区は、いつも多くの人が集う楽しいイベントをしている印象があります。

ところで、先日南海電車に乗っているとき、ある中吊り広告を見ました。これは金剛地区で2023年1月21日(土) 11時~20時まで開催された「WALK AROUND KONGO」というイベントの告知ポスターです。

場所は南海金剛駅から東方向にあるふれあい大通り、久野喜台1号公園、金剛銀座街商店街、金剛中央公園で行われたもので、富田林市、UR都市機構、南海電鉄が協働主催のイベントでした。

主催者によるイベントの記載内容は次の通りです。

  1. ウォーカブルな空間づくりに関する社会実験「まちなかリビング」
  2. 歩道空間へのインスタレーション実施「いろどりKONGO」
  3. シャッターペイント「みんなでアートな風景を作ろう!~ピュア金剛ありがとうイベント~」
  4. マーケット・マルシェ「KONGO STAND」
  5. 次世代モビリティ試乗会

イベント自体は1日だけでもう終わってしまったのですが、この中で、③のシャッターイベントがとても気になりました。アートな風景を描こうはともかく、ピュア金剛ありがとうイベントとあります。これはどういうことでしょうか?

調べると、ピュア金剛というのは、かつての金剛公設市場事業協同組合で、いわゆる「公設市場」でした。

公設市場と聞くと、昔からある古い市場という印象がありますが、金剛地域という戦後に開発された町にもあったんですね。

調べてみると、ピュア金剛は、大阪産直!なにわ名物市場(外部リンク)として、積極的にSNSにも投稿していたことがわかります。

画像のツイッターでの書き込みは、2014年12月21日の投稿が最後でしたが、このときにはすでにピュア金剛にあったお店が金剛ショッピングモールに移転したと書いてあります。

これは自動的にツイートしていたようで、同じような書き込みが毎日続いていました。

違うツイートを見つけたのは、こちら2013年1月14日です。このツイートの後、同じ年の12月9日までツイートが無く、そのあとは金剛ショッピングモールに移転したという旨の書き込みが延々と続きます。

具体的にいつ閉鎖になったのかという情報が残念ながら見つけられませんでしたが、どうやら2013年中にピュア金剛が閉鎖になって、残った店が金剛ショッピングモールに移転したとのことです。

スカイマート藤沢
スカイマート藤沢

同じような住宅地の中にある食品スーパーでも、藤沢台中央にあって今も元気に営業しているスカイマート藤沢との違いを感じてしまいました。

航空写真
航空写真

金剛地区とのかかわりがまだ1年余りしかない私は、どうしても関西スーパーや金剛銀座商店街のわっくCafeといった、今も元気に稼働しているスポットに目が行ってしまい、ピュア金剛についてはまったく認識していませんでした。

その後のピュア金剛については、富田林市がネット上に公開している「金剛地区の各施設・エリアの再稼働のあり方検討」という報告書(2021年3月)の一部を抜粋したものの中に見つけました。

2021年、ピュア金剛前で行われていたやさい市
2021年、ピュア金剛前で行われていたやさい市

この中に金剛マルシェ~地場やさい市~という項目がありましたが、実はそれには行ったことがあります。上の画像ですが、この背後の建物がピュア金剛だった建物なのですね。

そんなピュア金剛の建物が2022年度中に取り壊されることが決定したようで、最後にイベントで盛り上げようというのが、この「みんなでアートな風景を作ろう!~ピュア金剛ありがとうイベント~」という企画だったわけです。

ということで、取り壊される前のピュア金剛の最期の雄姿を見に行ってきました。

南海金剛駅から東方向に歩いていくと、陸橋があります。この陸橋が、かつてのピュア金剛と直結していたという情報を知りました。

こちらがピュア金剛の跡地です。

かつての看板が残っています。「金剛(公認)市場」と書かれていた跡がはっきり読めますね。

大通りから右に曲がって建物を少し見ることにしました。

先ほどの道の先はこのようになっています。ここは元バックヤードだったのでしょうか?

先ほどの陸橋のところに戻りました。階段があり、そこから中に入れるようになっていたようですね。ということで階段を上ってみます。

もちろん今はシャッターが閉じられていますが、かつてはここから市場の中に入れたんですね。

階段は閉鎖されておらず、さらに上がれば陸橋につながっています。あまりそういうことをする人もいないので、もう汚れていましたが、道路の反対方向からも行きやすくなっていたのがわかります。

なんと!陸橋の上が雑草で覆われています。もはやだれも通ることがなくなったからなのでしょうね。

かつてのお店の跡、美容院もあったんですね。

ということでピュア金剛がどういう建物か外側から見ました。ここから今回のイベント会場に入ります。

シャッターペイント「みんなでアートな風景を作ろう!~ピュア金剛ありがとうイベント~」の会場です。

この日のイベントに先立ち、昨年12月3日と17日に事前予約制で、アートイベントが行われました。その後、このイベントの日、1月21日にお披露目となったわけです。

全体を見てみましょう。無機質なシャッターが、子供たちの手によってカラフルなアートになりました。これを見ると金剛東中央公園のミューラルを思い出しますね。富田林がますますアートの街になっていく気がしました。

ただ金剛東中央公園との大きな違いは、このピュア金剛の建物はまもなく取り壊されるということ。取り壊しはともかくシャッターの絵は残してほしい気がしますね。

それにしても立派な建物なのに取り壊しとはもったいない。何か有効活用したらいいのにと、当初私は思っていました。

しかし、ピュア金剛と一体化している金剛銀座商店街を盛り上げる活動をしている人にお話を聞くと、意外なことを知りました。

実は、金剛地域を盛り上げようと活動している人たちがピュア金剛を取り壊してほしいという要望を、何年も前に出していたというのです。

その理由は、たとえ一部であっても、ずっとシャッターが閉じたままの状態では、商店街全体が活気がなく暗い印象になってしまうということ。それだとしたら、この建物を撤去して、みんなが愉しめる広場にしてほしいというのが、その主旨でした。

ということで、住民の念願がかなったというのが取り壊しの真相でした。話を聞かないと勘違いするところでした。

取り壊した跡地をどうするかはまだ決定段階ではなく、とりあえず壊してこの場所を広場のようにしようというところまで話が進んでいるのだそうです。

さて実際に取り壊されたらどうなるのでしょうか?そのときには、また訪問してレポートできればと思います。

ということで、ピュア金剛の取材は終わりましたが、せっかくWALK AROUND KONGOのイベント中だったので少し楽しむことにしました。

金剛中央銀座街では野菜を販売したり、いろんなゲームや手作り品などの販売ブース出ていました。

金剛中央公園でもイベントを行っています。

ソーラーパネルが置いてありますね。アップサイクルソーラー展示会という連携イベントが行われているからです。

金剛中央公園では6つの屋台と4台のキッチンカーが出ていました。

1997年に作られた太陽光パネルなのだそうです。もう25年以上前の物。

楽しそうですね。ふわふわキッズランドです。

これは太陽光で発電して、そのエネルギーで風を送って踊るというもの。

でもこれではよくわからないので、少しだけ動画にしました。

会場では海老芋コロッケの販売もしていました。Cafe-yuさんとZeldaさんのお店です。

こちらですね。いつ食べても美味いです。

そのほかにも、パンとお菓子が美味しいお店「Amical」さん。

個性の強い雲南のコーヒーを出してくれた「いつでも世界を旅するカフェ」さんもありました。

この後金剛駅から帰るのですが、その手前久野喜台1号公園でも屋台が出ているということで、そちらに伺ってみることに。

通りでは、いろどりKONGOプロジェクトを行っていました。

同じく通りで行われたのが「まちなかリビング」。確かに通りに椅子があると、休憩ができますね。

こうして久野喜台1号公園に行きました。入口にはいつもの白熊がいますね。

こちらにもいくつか店舗があります。こちらは大阪産イタリアンハナキンさんで、大阪市内の木津市場の近くでお店をしているそうです。

こちらは公園の入り口近くで赤い服を着てアピールしている人がいたキムチ屋温HARUさん。合言葉を言うと割引してくれるというので、思わずキムパを買いました。

また竜泉からの出店もありました。さとやまブランドさんでは、無農薬で野菜を栽培しているそうです。

さて、最後に重要なものを久野喜台1号公園で見つけました。金剛地区の再整備に向けた取り組みとして、将来のイメージ図をイラストで描いてあったのです。

先ほど立ち寄った金剛中央公園はこんなイメージにしたいという方向性があるようです。

そして、金剛銀座商店街もあります。そこには取り壊された後のピュア金剛の跡地も書いてありました。

こちらが将来のイメージで書かれた金剛銀座商店街です。イラストの右側が広場になっていますが、これこそがピュア金剛の場所です。

あの建物が無くなることでずいぶんと空間が広がるのがわかります。そうなると取り壊された後の姿がますます楽しみですね。

金剛銀座商店街の関係者の方は、取り壊された後にはキッチンカーなどのための電源と水回りを用意できれば、イベントでいろいろなことができるような話をしていました。それと、あとはトイレでしょうか?

ピュア金剛からトイレの存在が見えます。これは取り壊されるのでしょうけれど、もし跡地にトイレがあれば、イベントなどで非常に役立つのではないのかと思いました。

ピュア金剛跡地
住所:大阪府富田林市寺池台1-9-60
アクセス:南海金剛駅徒歩7分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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