大阪―鳥取間結ぶスーパーはくと号に「2種類ある先頭車」 前が見える車両を見分けて予約する方法はある?
特急スーパーはくと号は京阪神地区と鳥取を結ぶ特急列車で、1994年12月3日の第三セクター鉄道智頭急行智頭線の開業とともに運行を開始した。運行区間は京都・大阪―鳥取・倉吉間だ。智頭急行智頭線はもともと山陽本線の上郡駅と因美線の智頭駅を結ぶ国鉄路線として計画された路線であったが、国鉄改革によりいったん、建設計画は凍結。しかし、京阪神地区と鳥取県を結ぶ短絡線として特急列車を運行させることを目的に建設が再開され、開業以降、京阪神地区と鳥取県を結ぶ重要路線としての役割を果たしている。
特急スーパーはくと号で使用されるHOT7000系気動車は、智頭急行が保有する車両で、先頭車は前面が見渡せる展望構造となっていることが大きな特徴だ。この車両は非貫通型先頭車と呼ばれている。鳥取・倉吉行の列車は1号車が先頭となり、大阪・京都行の列車は5号車が先頭となる。特急スーパーはくと号は全席指定席での運行となっており、最前部の展望席を抑えたい場合はそれぞれ1号車または5号車の1番A~D席をとることになる。
しかし、この特急スーパーはくと号は、まれに貫通型の先頭車で運転されることがあり、その場合は前面展望ができない構造となっていることから、一部のファンの間では「ハズレ車両」と呼ばれている。見分け方は、1番C席がないことからえきねっとなどで当該列車の座席表を確認することで見分けられる・・・はずだった。
筆者は、特急スーパーはくと号に鳥取―大阪間で乗車する機会を得たことから、先日、最前部となる5号車1番AB席の予約を試みたところ無事に予約が取れた。筆者が予約した列車が「ハズレ車両」にならないか心配なところではあったが、えきねっとでこの列車の座席表を確認したところ1番C席が存在することが確認できたことから、当日は展望タイプの先頭車に乗車できることを期待した。
しかし、当日、実際にやってきた車両は、貫通型の先頭車。座席の前が壁という悲しい事態となったのであった。筆者が確認したえきねっとの座席表、よくよく思い出してみると1番C席が予約済を示す「×」印が付いており、貫通型の先頭車が入るときは、1番C席を亡き者とするのではなく「×」印を付けて予約できないようにして対応しているように思えた。しかし、その後、えきねっとのシートマップで他の列車の空席情報を調べたところ先頭車の1番C席にはすべて「×」印が付けられていたことから、貫通形先頭車の充当に備えて常に販売されていない様子であった。残念ながら、結局は運次第というところだろうか…。
(了)