ディズニー、動画配信「Disney+」会員1億人突破、バイデン政権はGAFA批判の専門家2人起用
今日、筆者が注目した海外発の最新テクノロジーニュース2本をダイジェストで
[1]ディズニー、動画配信「Disney+」会員数が1億人の大台突破
米ウォルト・ディズニーは3月9日、動画配信サービス「Disney+」の会員数が1億人の大台を突破したと明らかにした。2020年11月時点では24年までに6000万〜9000万人になると予測していたが、これを上回った。
ディズニーは19年11月に米国でDisney+を開始。その後カナダやオーストラリア、欧州、日本、中南米などへと拡大し、現在世界59カ国で提供している(図1)。
映画「スター・ウォーズ」シリーズの「マンダロリアン」やマーベル・スタジオが制作した「ワンダヴィジョン」といったドラマシリーズが人気で、会員数の増加に寄与した。
ボブ・チャペックCEO(最高経営責任者)は9日に開いた株主総会で、「Disney+の大きな成功は、我々をさらに野心的にさせてくれた。質の高いコンテンツ制作に向けて投資を増やしていく」と述べ、年間の新作本数を100本以上とする目標を掲げた。会員数は24年までに2億3000万〜2億6000万人に増えると見込んでいる。
新型コロナの影響でテーマパーク事業や映画興行事業が打撃を受ける中、動画配信は勢いを増している。同社は20年10月、メディアとエンターテインメント事業を再編すると発表した。
Disney+などのコンテンツ配信と販売、広告などの事業を1つの組織に集約。直販戦略を加速させるとしていた。
一方、ロイターによると、21年4月後半にも人数制限の措置を取りながらテーマパークを再開する予定。
今後数週間かけて、一時帰休中の従業員1万人をカリフォルニア州アナハイムにある2つのテーマパーク(ディズニーランドとディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー)に呼び戻すという。
[2]バイデン米政権、GAFA批判の反トラスト専門家2人を起用
バイデン米大統領が米連邦取引委員会(FTC)の委員に米コロンビア大法科大学院のリナ・カーン准教授を指名すると、米政治専門サイトのポリティコや米経済ニュースのCNBCが3月9日に報じた。
カーン氏は反トラスト法・競争法の専門家。グーグル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、アップルのいわゆる「GAFA」などのテクノロジー大手の商慣行を批判する活動家に支持されているという。
一方、バイデン大統領は3月5日、米国家経済会議(NEC)でテクノロジー・競争政策を担当する大統領特別補佐官にコロンビア大法科大学院のティム・ウー教授を起用した。
ウー氏は市場競争の再活性化のために巨大テクノロジー企業を解体すべきだと論ずる人物。バイデン政権は著名な2人を起用し、テクノロジー大手に対する規制強化の意向を示したようだと報じている。
グーグルは米国で3件の反トラスト訴訟を提起されている。
米司法省は20年10月20日、11州の司法長官とともにグーグルを提訴した。この訴訟には後にカリフォルニア州などの3州が原告団に加わった。
同年12月16日にはテキサス州など10州の司法長官がグーグルを提訴。同12月17日にはコロラド州など38州・地域の司法長官が同社を提訴した。
また、FTCとニューヨーク州などの48州・地域の司法長官は12月9日、反トラスト法違反の疑いでフェイスブックを提訴した。