水害被害でまた部下に八つ当たり! フラストレーションが募る一方の金正恩総書記!
金正恩(キム・ジョンウン)総書記が豪雨の被害地を視察し、また怒りを爆発させていた。
金総書記は今月7月11日から12日にかけて最北部の両江道の三池淵市を視察した際に新たに建てられた観光ホテルなどが「いい加減に施工された」として李順哲(リ・スンチョル)国家建設監督相(大臣)と副相(副大臣)ら監督責任者らを槍玉に挙げ「国家公務員としての初歩的な道徳や資格もないけしからぬ連中である」と叱責し、「両人の権利を停止させ、直ちに法的機関に引き渡して調査せよ」と厳罰に処するよう命じていたばかりだった。
この日から1か月も経たない7月28日、今度は集中豪雨に見舞われた平安北道新義州市と義州郡を訪れ、「豪雨と洪水、台風による被害を防ぐための危機対応対策をしっかり立てるように何度も強調していたのに、また7月22日には国家非常危機対策委員会会議も招集されていたのにどうしていまだに自然災害防止活動が非常態勢に入っていないのか理解できない」と憤慨し、「怠け者根性と要領主義が本当に深刻な状態に至っている」と主要職制の幹部らを厳しく指弾した。
金総書記の視察を伝えた朝鮮中央通信によると、この地域では27日の集中豪雨により5000人余りが被災し、孤立した状態に置かれていた。最終的には軍が動員され、全員救助されたようだが、金総書記は非常危機対策委員会の幹部らが▲職務怠慢である▲自然のせいにして仕方がないと思いながら敗北主義に走っている▲必須救助手段を何一つまともに具備せず手をこまねいていた等々具体的な事例を挙げ、非難していた。特に人民の生命と安全を守り、徹底的に保障すべき社会安全機関(警察)が「災害危険地域の住民数さえまともに把握してなかった」として社会安全機関である社会安全省のその無責任ぶりを追及していた。
朝鮮中央通信が配信した21枚の写真には被災地視察や経済視察に常に同行している2枚看板のうち趙甬元(チョ・ヨンウォン)政治局常務委員の姿は確認されたが、同じ政治局常務委員の金徳訓(キム・ドクフン)総理は不在だった。金総理が同行しないのは異例である。
昨年8月に台風による堤防決壊で南浦市の水稲を植えた270余ヘクタールを含む560ヘクタール余りの干拓地区域が冠水したことに腹を立てた金総書記は「被害防止対策を講じるように指示していたのに鈍感にもいかなる対策も立てなかった」と、激怒していたが、特に金総理を「政治的未熟児、警鐘を受け止めることを知らない知的低能児、人民の生命・財産の安全に顔を背ける官僚の輩である」と痛烈に批判していた。
その際に金総書記が「国の経済司令部を導く総理らしくなく、人民の生活に責任を持った主人らしくない思考と行動に遺憾を禁じえない。内閣総理の無責任な活動態度と思想観点を党的に深く検討する必要がある」と述べ、党中央委員会組織指導部と規律調査部、国家検閲委員会と中央検察所に対して「責任ある機関と当事者を探し出して党的、法的に厳しく問責し、厳格に処罰せよ」と命じていたことから更迭必至と見られていたが、どういう訳か、解任されずその後も総理の地位を維持していた。
「重大な事態に関連して幹部らの無責任さに何度も警鐘を鳴らし、国家的にも長雨を控えて何度も注意を与えたにもかかわらず」(金総書記)一度ならず、二度も同じ過ちを犯したとして、ひょっとして今度こそ、金総理の首が飛ぶかもしれない。
また、李太燮(リ・テソプ)社会安全相も更迭されるかもしれない。党政治局員候補の李社会安全相は人民軍総参謀長から昨年1月に社会安全相に起用されていた。
この他にも保健相から昨年12月に平安北道党責任書記に就任したばかりの朴成哲(パク・ソンチョル)氏も連座責任を取らされる可能性が大だ。
韓国の国家情報院(NSP)は金総書記の健康状態について昨日、韓国国会報告で体重が140キロに達した過度な肥満状態について「ストレスとタバコ、飲酒が原因ではないか」と分析していた。