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「日本とサウジが少しうらやましかった」韓国代表の“怪物”DFがウルグアイ戦後に明かした本音とは?

金明昱スポーツライター
セリエAのナポリ所属のDFキム・ミンジェ。韓国守備の要だ(写真:ロイター/アフロ)

 カタール・ワールドカップ(W杯)のグループリーグ初戦で韓国代表が、南米の強豪ウルグアイと対戦。ともに決定機を逃して0-0で引き分けた。

 今大会、アジア勢では最後の登場となった韓国。エースFWソン・フンミンは、左目付近の骨折でフェイスガードを着用して先発出場を果たし、左サイドからカットインして鋭いシュートを放つなど、攻守にわたって存在感を示したが、相手のチェックを受けるシーンもあり、自由にさせてもらえなかった。

 一方のウルグアイは決定機が2度もゴールポストに嫌われるなど、運に見放されるも、最後まで韓国の堅い守りに阻まれた。韓国にとっては価値あるドローで勝ち点1を手に入れた。

 試合後、ソン・フンミンはこう語っている。「引き分けたのは悔しい。フェイスガードは気にせずにプレーすることを心掛けた。3週間ぶりに試合に出たが、チームメイトに助けられた。グループリーグ突破について話すのはまだ早い。次のガーナは強いチームだと思う。今日よりももっと戦う姿勢でいきたい」。

 最終ラインでウルグアイ攻撃陣を相手に、体を張っていたのがDFキム・ミンジェ。身長190センチで“怪物”の異名もあるほどフィジカルと球際の強さはもちろん、パスカット、スライディング、空中戦と守備能力は一級品。現在、イタリア・セリエAのナポリでプレーするDFは、試合後にこんなことを語っていた。

「ウルグアイの攻撃陣はうまかった。それでも自分たちが準備してきたことがしっかりはまった。今まで試合では緊張したことがないのに、初めてものすごく緊張した。すごくいい経験をした」

 さらにウルグアイと接戦に持ち込めた要因については、サウジアラビアがアルゼンチンに、日本がドイツに勝利したことも影響していると語っている。

「実際に(サウジアラビアと日本の)試合を見て、プレッシャーがあったが、正直に言えばそれが少しうらやましかった。2チームともに十分に勝つ資格があった。勝とうという気持ちが見えたし、みんなが必死にプレーしていた。韓国代表の選手たちもサウジや日本のように戦わなければという気持ちがあったと思う」

 韓国の次戦(28日)はガーナ。ここで勝利して勝ち点3を取れば、グループリーグ突破も見えてくる。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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