英空母機動部隊、極東に向けて遠征開始
5月22日午後(日本時間5月23日午前)、イギリス海軍の空母クイーン・エリザベスがポーツマス港を出港し極東に向けた遠征を開始しました。これから洋上で参加艦艇が会合し、艦隊を組んで出発することになります。本来は23日に出港する予定でしたが悪天候が予想されたため、日程を早めています。
5月初めからイギリス近海で開始されたストライクウォリアー演習で遠征前の最後の訓練を行い、演習終了後に参加艦艇は港に戻り最終準備をしていました。21日にジョンソン首相が、22日にエリザベス女王が空母を訪問して激励を行っています。(5月1日に空母が出港したのはストライクウォリアー演習のためで、この時はまだ遠征出発ではありませんでした。)
編成されたイギリス海軍空母打撃群「CSG21」にはアメリカ海軍の駆逐艦とオランダ海軍のフリゲートも加わり、以下のような編成となっています。空母の搭載機としてアメリカ海兵隊のF-35B戦闘機も相乗りする形で参加しています。
- HMS クイーン・エリザベス・・・航空母艦
- HMS ダイアモンド・・・駆逐艦
- HMS ディフェンダー・・・駆逐艦
- HMS ケント・・・フリゲート
- HMS リッチモンド・・・フリゲート
- RFA タイドスプリング・・・給油艦
- RFA フォート・ヴィクトリア・・・補給艦
- USS ザ・サリバンズ・・・駆逐艦(アメリカ海軍)
- HNLMS エファーツェン・・・フリゲート(オランダ海軍)
水上艦艇は空母×1、駆逐艦×3、フリゲート×3、給油艦×1、補給艦×1の9隻で構成され、これら水上艦艇に加えてイギリス海軍の攻撃原潜アスチュート級1隻(派遣される艦名は非公表)が海中から随伴する予定です。
- 6月6日追記:CSG21に随伴している攻撃原潜はHMSアートフルと判明。ジブラルタルを通過しCSG21と共に地中海に入る。
- 7月7日追記:CSG21に随伴していたHMSアートフルがジブラルタルに引き返す。そして別のアスチュート級攻撃原潜がCSG21と共にスエズ運河を通過(HMSリッチモンドがTwitterで報告)。艦名は不明。
- 7月中旬ごろ:HMSダイアモンドが機関故障でイタリアのタラントで修理に入り、CSG21から置き去りにされる。
- 8月12日追記:CSG21の先遣として韓国の釜山に8月11日午後、アスチュート級攻撃原潜が入港。セイルやや後方の右舷船体の穴の数から(4×2の上下並び+艦尾寄り3つ)、HMSアスチュートと判明。
HMS・・・イギリス海軍艦艇の艦船接頭辞。Her Majesty's Ship
RFA・・・イギリス海軍補助艦隊。Royal Fleet Auxiliary
USS・・・アメリカ海軍。United States Ship
HNLMS・・・オランダ海軍。His NetherLands Majesty's Ship
・5月22日夜、ポーツマスを出港し極東遠征に向かう空母クイーン・エリザベス。
・5月19日、遠征出発直前のストライクウォリアー演習からポーツマスに戻ってきた時の空母クイーン・エリザベス。
・日本防衛省の資料では英空母打撃群に「原子力推進艦船は含まれない」とあり、原子力潜水艦は随伴するが艦隊を組まないため群扱いされていない。
・オランダ軍艦「Evertsen」のカタカナ表記は「エファーツェン」。日本防衛省資料より。
※なお補給艦(給油艦)は実際には「タイドサージ」ではなく姉妹艦の「タイドスプリング」が参加する。