上原浩治はどう見た!?楽天・オコエら12選手が移籍の現役ドラフト
過去の開幕投手や1軍での実績のある選手などの名前が並んだ。少なくとも一部で危惧する声があったような〝戦力外選手〟の押し付け合いではないだろう。9日に日本のプロ野球で初めて実施された「現役ドラフト」で移籍が決まった選手たちである。
オリックス 渡辺 大樹(ヤクルト)
ソフトバンク 古川 侑利(日本ハム)
西武 陽川 尚将(阪神)
楽天 正隨 優弥(広島)
ロッテ 大下 誠一郎(オリックス)
日本ハム 松岡 洸希(西武)
ヤクルト 成田 翔(ロッテ)
DeNA 笠原 祥太郎(中日)
阪神 大竹 耕太郎(ソフトバンク)
巨人 オコエ 瑠偉(楽天)
広島 戸根 千明(巨人)
中日 細川 成也(DeNA)
※いずれも敬称略
移籍選手のリストが発表されたとき、「名前のある選手が入ったな」というのが正直な感想だ。中日からDeNAに移籍した笠原祥太郎投手は2019年に開幕投手を務めた左腕で、阪神に移籍が決まった左腕の大竹耕太郎投手(ソフトバンク)は2019年に100イニング以上を投げて5勝を挙げた技巧派だ。阪神から西武へ移籍した陽川尚将選手は今季も1軍で主に代打で45試合に出場し、対左投手では打率・357と勝負強い。楽天から巨人へ移籍するオコエ瑠偉選手は心機一転で化けることができるか。名前を挙げたのは一例で、「他球団なら活躍の場が広がる可能性がある選手の移籍を活性化する」という制度の趣旨に沿った形で行われたという印象を持った。
一方で、2巡目以降の指名を行った球団がないことから、初年度は一様に慎重な姿勢もあったかもしれない。制度の趣旨からして、球団による損得はできるだけなく、球団同士、そして移籍した選手も含めて「Win-Win(ウィンーウィン)の関係」が成り立つことが制度定着化への鍵を握るだろう。
移籍が決まった選手たちにとっては、活躍の機会が広がったことは間違いない。〝指名〟を受けての移籍であり、与えられるチャンスが増える可能性は高まるだろう。ぜひチャンスをつかみ取ってほしい。来季、移籍した12選手がどんな成績を残すか。まずは、そこが制度の試金石となるだろう。