コロナ禍で増えた冷凍食品の購入。冷凍食品の特徴と注意点とは?
先日発表された家計調査(令和3年10月8日付け)で新型コロナウイルス感染症により消費行動に大きな影響が見られた主な品目のひとつに「冷凍調理食品」があります。2019年8月と2021年8月を比較すると、32.7%も増加しています。
また、ある調査(※)によると約4割の人が冷凍食品の利用が増えたと回答し、週に2回以上冷凍食品を利用する人の割合は、コロナ前の32%から48%に増加しているとのことです。
自宅近くのスーパーで冷凍食品売り場が拡大されて、冷凍食品が増えたなあ、と感じている方も多いのではないでしょうか。
保存がきいて、何かと便利な冷凍食品ですが、使うことに罪悪感を感じていたり、栄養素が壊れているのでは?と気になっている方もいらっしゃると思いますので、冷凍食品の特徴などを見てみたいと思います。
※https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000007310.html
■冷凍野菜
市販されている冷凍野菜は、ブランチングという処理を行った上で冷凍されているものがほとんどです。ブランチングは通常は100度近くの高温で処理します。家庭用の冷凍庫の温度はマイナス18度以下と決まっていますが、マイナス18度程度の場合、野菜の酵素の働きを完全には止められず劣化につながります。そのため、予めブランチング処理をしています。この処理をすることで殺菌や酵素の働きを抑え、保存性を高めています。
ビタミンやミネラルで水溶性のものは、解凍時にドリップが出た場合、その水分に含まれるため減ってしまいますが、完全には解凍することなく、食材を冷凍のまま調理に使うことで栄養素の減りを防ぐことができます。とはいえ、家庭用の冷凍庫は開け閉めの頻度などにより庫内の温度が高くなることで栄養素が壊れやすくなることもあるため、できるだけ早く使い切ることがおすすめです。
■肉や魚
肉や魚は解凍するとドリップが出ますが、これは食品内に含まれている水分が冷凍によって膨らみ細胞壁を破って流出したものです。これには、たんぱく質やビタミン、うま味などが含まれ肉や魚の味が落ちる原因になります。そのため解凍時にドリップをいかに出ないようにするかが、美味しく栄養価も落とさずに食べるポイントになります。
ドリップを出さないためには、冷凍時に急速冷凍しているものを購入する、あるいは、自宅で冷凍する場合も急速冷凍にする、また、解凍時にできるだけ冷えた状態で解凍することです。具体的には、ビニール袋などに入れたまま氷水につけて解凍する、冷蔵庫の中で解凍する方法です。電子レンジの解凍機能を使うのもおすすめです。
なお、味噌漬けなど食材に味を付けた状態で冷凍するとドリップが出にくくなります。
■冷凍することで美味しく、使いやすい食材は?
実は、あさり、しいたけ、ぶなしめじは、冷凍した方がうま味成分が増えることが分かっています。こうした食品は、冷凍してあるものを購入したり、家庭で冷凍して活用するのもよいでしょう。
また、生の場合変色しやすいアボカドは、冷凍したものは多少食感が変わりますが、変色しないので使いやすいでしょう。
■調理加工食品
コロナ禍で購入が一気に増えた冷凍の調理加工食品。調理済みのものがパッケージされて売られていたり、解凍するだけで食べられるパスタやうどん、容器に入ったまま冷凍されている弁当も見かけますね。
冷凍食品は、冷凍によって劣化しにくく保存期間が長くなるため通常は、保存料は使われていませんが、保存料以外の添加物については、実際の商品のパッケージなどで確認するようにしましょう。
また、家庭で作るものより味が濃いと感じるものや脂質が多いものは、後から野菜などを追加して混ぜて調整するとよいでしょう。
冷凍することで食品を使いきれなかったり、腐らせてしまったりというロスを防ぐことができます。冷凍食品をうまく活用して美味しく健康的な食生活を送りたいですね。