日本アマ覇者、早稲田大学2年生の中野麟太朗、マンデー予選を1位突破でNZオープン出場へ #ゴルフ
2023年の日本アマチュア選手権覇者、早稲田大学2年生の中野麟太朗がニュージーランドで、すごいことをやってのけた。
ニュージーランドの伝統ある「ニュージーランド・オープン」のわずか1枠しかないマンデー予選を見事、1位で突破。並み居るプロたちを押しのけ、今週29日から始まる本戦に出場する権利を獲得した。
今年で第103回を迎えるニュージーランド・オープンは名門ミルブルック・リゾートが舞台となるPGAツアー・オブ・オーストラレイジアの大会だ。ニュージーランドのナショナル・オープンとして崇められ、4日間72ホールはすべて入場無料となってニュージーランドの人々に広く開放される。
大会に先駆け、2月26日に行なわれたマンデー予選は、18ホールのストロークプレーだった。大会がナショナル・オープンゆえに、エントリーが殺到したマンデー予選では、当初は外国人選手の挑戦が制限されそうになったそうだが、中野は「世界アマチュアランキング100位前後なので、それが考慮されて挑戦できた」という。
マンデー予選の舞台は、本戦の舞台とは異なるクロムウェル・ゴルフクラブだった。
「フェアウエイは荒野みたいな感じで、芝と砂が混ざっていました。フェアウエイをヒットしてもライが悪いことは多く、運も必要だと思いました。でもフェアウエイは硬いのでランが出る。400ヤードのホールでも残りが46ヤードになったところもありました」
「スコアカードはデジタル方式での入力でした。全体なスコアや自分の位置がリアルタイムでわかることに9ホール目で気が付き、そのとき自分は4位ぐらいでした」
「後半はもっとバーディーを獲っていかなきゃと思って、11、12、13番で3連続バーディーを獲ったら、トップ2人は7アンダーで、僕はそのすぐ下まで来ていた。15番でもバーディーを獲って、再びリーダーボードを見たら、上2人が落ちて、僕が単独トップになっていました」
トップに立った途端、カメラマン数人が中野の周りに走り寄ってきたそうだ。
「緊張して16番でボギーを叩き、上2人と並んでしまった。でも18番は残り170Yを8番アイアンで60センチに付けてバーディー・フィニッシュ。7アンダーで優勝できました」
マンデー予選の経緯を淡々と振り返った中野だが、声のトーンには、うれしさが溢れ返っていた。
中野は今年1月末から単身でニュージーランドに渡り、ゴルフと英語の修行を積んでいた。この「NZ短期留学」は、昨年に続き、今年は2回目になるそうだが、その締め括りに選んだゴルファーとしてのチャレンジは、今、ワクワクの展開を迎えつつある。
「ニュージーランド・オープンに出られることは、すごく光栄です。明日から本戦のコースで練習ラウンドして、がんばります」
日本ゴルフ界も期待を寄せ、JGAナショナルチーム入りも果たしている新鋭・中野は、まだ大学生のアマチュアながら、長身で立派な体格と落ち着いた人柄も手伝って、貫禄さえ感じられ、期待は膨らむばかりだ。
20歳のビッグな挑戦にエールを送りつつ、ニュージーランド・オープンでの健闘を祈りたい。