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米国大統領選の行方は混とん化。日本は、両張りで備えよ!#専門家のまとめ

鈴木崇弘政策研究者、一般社団経済安全保障経営センター研究主幹
2024年米国大統領選の候補者となったハリス副大統領とトランプ前大統領(写真:ロイター/アフロ)

 討論会での失態や狙撃事件などでトランプ氏が大統領に必ずや再選されるだろうという「ほぼトラ」の状況が生じた。だが、バイデン氏が来る大統領選出馬を諦めハリス氏が候補者に推薦されると人気や支持の低かったハリス氏への支持は急速に高まり、民主党候補指名が確定し、大統領選の結果は混とんとしてきた。

ココがポイント

▼ハリス副大統領は、民主党候補の指名が確定し、当選確実と思われた共和党候補トランプ前大統領に対して、支持率で拮抗している

ハリス氏、支持率拮抗 激戦州でトランプ氏のリード奪う―米大統領選(時事通信 外信部)

▼ハリス副大統領の支持率が急激に高まり、余裕のトランプ前大統領に危機感が生まれてきており、政治状況が大きく変わってきている

民主ハリス氏が猛追 共和トランプ氏に焦り(共同通信)

▼私たちも、トランプ前大統領については多くのことを知っているが、「もしトラ」に備えて、日本との関係で重要な外交のポイントをおさえておこう

「トリセツ」で再登板に備えよ 「MMGA」と「風」がトランプ氏の肝◇元外交官・石井正文氏(時事ドットコムニュース)

▼民主党候補になったカマラ・ハリス副大統領は、日本での認知度は低い。だからこそ、ハリスについてもっと知っておこう

あっという間にトランプ氏に肉薄…日本人が知らない「女性大統領候補カマラ・ハリス」の"履歴書"(PRESIDEN Online)

エキスパートの補足・見解

 つい先日までは、大統領選両候補への失望、特にバイデン候補への不信感等から、最悪の大統領選といわれ、トランプ前大統領の再選がほぼ既成事実化していた。だが、バイデン大統領の不出馬とハリス副大統領の民主党候補指名で、同大統領選挙は米国民の間で関心がにわかに復活、高まり、活況化を呈してきた。これこそ正に「一寸先に何が起きるかがわからない」政治のダイナミズムだ。いまだトランプ優勢だろうが、かなり拮抗し、今後の動き次第では、黒人女性・アジア系の初の大統領の可能性もありうる状況になってきた。日本は、今度の状況を直視しながら、トランプおよびハリスのどちらが大統領になるにせよ、今から「両張り」「両にらみ」で対応・準備をしていくべきだろう。

政策研究者、一般社団経済安全保障経営センター研究主幹

東京大学法学部卒。マラヤ大学、米国EWC奨学生として同センター・ハワイ大学大学院等留学。日本財団等を経て、東京財団設立に参画し同研究事業部長、大阪大学特任教授・阪大FRC副機構長、自民党系「シンクタンク2005・日本」設立に参画し同理事・事務局長、米アーバン・インスティテュート兼任研究員、中央大学客員教授、国会事故調情報統括、厚生労働省総合政策参与、城西国際大学大学院研究科長・教授、沖縄科学技術大学院大学(OIST)客員研究員等を経て現職。PHP総研特任フェロー等兼任。大阪駅北地区国際コンセプトコンペ優秀賞受賞。著書やメディア出演等多数。最新著は『沖縄科学技術大学院大学は東大を超えたのか』

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