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日本代表・五郎丸歩 ワールドカップ・サモア代表戦前、自らの「人気」に見解【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
プレースキック時のルーティーンは大舞台でも不変。(写真:ロイター/アフロ)

ラグビー日本代表は10月3日、4年に1度あるワールドカップのイングランド大会の予選プールB・サモア代表戦に挑む。同1日、合宿先のウォリックで出場登録メンバーを発表。ゴールキックなどで注目を浴びているフルバック五郎丸歩副キャプテンが共同取材に応じた。

チームはここまで同プールで1勝1敗、総勝ち点を4とし、5チーム中暫定3位。9月19日の南アフリカ代表戦(ブライトン・コミュニティースタジアム)を34-32で制しながら、続く23日のスコットランド代表戦(グロスター・キングスホルムスタジアム)は落としている。決勝トーナメントに進む上位2チーム以内に入るには、次戦での勝ち点5奪取がマストとなる(勝利で勝ち点4、4トライ以上のダッシュで勝ち点1)。

以下、共同取材中の一問一答の一部。

――ボーナスポイントについて。

「とりあえず、この大会で一番大事なのはサモア代表戦だ、と。トライ数は関係ではなく、勝つことが大事。勝たないことには始まらないので。(ボーナスポイントに関することは)我々はチャレンジャーなので、それを言える立場ではないです」

――サモア代表戦までの準備。

「充実はしています。常に試合をイメージしたトレーニングを組んでいただいている。そこで起こるミスは、プラスになるんです。スコットランド代表戦は、南アフリカ代表戦の勢いのまま、不安がなくいってしまった。ただ、(練習中にエラーが起こるなどの)不安があった方が、選手が何かのリアクションを起こそうとする。非常にいい結果が出ると信じています」

――リーチ マイケルキャプテンによれば、1日の練習の最初にもミスがあったようだが。

「(笑みを浮かべて)プロップ(フォワード最前列。縁の下の力持ちが務める)のところに、ハイパント(高く上がったキック)が行って、落としたというだけ。アンラッキーです」

――サモア代表について。

「彼らの強いところ、弱いところは皆がわかっている。その辺はしっかりと見ていきます」

――具体的に。

「やめておきましょう」

――今大会、インプレー中の長距離のタッチキックでも存在感。

「強気でいる、ということ。僕のプレースタイルもそう。ヤマハ(所属先)でも攻めてます。フォワードも(ラインアウト=タッチライン際からの試合再開のためのプレーに)自信を持っていますし、(タッチラインの外に)切るところは、切る」

――沢木敬介コーチングコーディネーターは、「五郎丸にはすべてのゴールキックを決めて欲しい」と。

「そうなればいいですね」

――自身のゴールキックについて。練習を重ねているが。

「毎日、やってますよ。昨日もグラウンド練習はなかったけど、沢木さんと一緒に蹴りに行きました。感触はいいです」

――技術的な修正は。

「ワールドカップに入ってから技術を修正するようなキッカーは、戦えないと思う。それまでにいかに準備してきたかが大事です。ここで筋トレしようが微々たる違いしか生まない」

――初出場のワールドカップは。

「シンプルに言えば、最高です。歩いている方が日本のバスに手を振る。街に出れば写真を撮ってくれと言われる。いままでなかったことですし、海外の方にそう言ってもらえるのは嬉しいです」

――日本国内でのラグビー人気。

「遠い日本なのでなかなかわからないですが。2019年(ワールドカップ日本大会)が盛り上がるようにフィールド外でもいろいろな活動をしてきた。それが形に現れていることは、ラグビー界にとってはよかった」

――自身の人気が過熱している。

「…どうなんですかね。もちろんプレーヤーなので、注目されることはありがたい。ただ、僕自身だけがフォーカスされることは望んではいないです。僕をきっかけにラグビーを観てくれる方が増えればいいとは思いますけど」

――サモア代表戦は、日本時間で3日の22時30分キックオフ。

「いいっすね。ビール飲みながら。楽しいでしょうね。いいツマミになるような試合にしたいです。ラグビーのよさって、勝とうが負けようが人の心を動かせること。1人でも多くの人に関わっていただいて、映像を通してではありますが我々とともに戦っている気持ちになってもらって…。それが、19年に繋がっていけばいいと思います」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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