【京都市右京区】西院春日にあった斎王の野々宮発祥の社 伝説の霊石 8月26日には地域夏祭りも開催!
平安時代に伊勢神宮の斎王に選ばれた皇女が伊勢へ赴くまでの間、心身を清めるための潔斎所となる「野々宮」は、吉高由里子主演2024年大河ドラマでも話題の源氏物語に描かれたこともあり、嵐山嵯峨野の野々宮神社が有名です。しかし、「野々宮」はその代ごとに新たに設置されたため、その名称や社が各地に残っています。
実は「野々宮」発祥の斎宮とされるのは、西院にある野々宮神社です。2023年8月23日の早朝に参拝しました。現存する斎宮の中で最もその風情をとどめるといわれる社です。奉られている2柱は、かつて斎王として出仕した姫君たちです。倭姫命(やまとひめのみこと)は垂仁(すいにん)天皇の姫君で、「初代の斎王」となり、布勢内親王(ふせないしんのう)は桓武(かんむ)天皇の姫君で、平安京遷都後「最初の斎王」となりました。
西院野々宮神社は、西院春日神社の南西1キロの所にあり、その御旅所でもあり、西院春日神社の宮司・米川家(よねかわ)が宮司を代々兼任しています。その西院春日神社は、天長10年(西暦833年)2月28日、淳和天皇が仁明天皇に譲位し、淳和院(西院)に移 ったとき、勅諚により奈良の春日四座大神を勧請し、守護神としたのが始まりとされています。
伝記によると、淳和天皇の皇女、崇子(たかこ)内親王の疱瘡(天然痘)が、春日大神への祈願で快復したとの伝承から、以来、皇室から病気平癒や災難厄除けの守護神と崇敬を受けてきたと言います。境内には崇子内親王の病気を治した神石と伝えられる伝説の霊石「疱瘡石」が保管され、時折公開されています。
境内には、藤の房が90センチにも及ぶ「名藤 六尺藤」があり、季節には美しく淡い紫の花が咲き誇ります。
また、建御賀豆智命が白鹿に乗り、鹿島からの長い旅路をつつがなく終え、春日の宮居に鎮まったとの伝承から交通安全・旅行安全を祈る「鹿島立ち」の信仰があり、多くのわらじが奉納されている旅行安全・還来成就の守り神「還来(もどろき)神社」や何事も無事戻ってくる、また健康回復のご利益があるとされる神石「梛石(なぎいし)」があります。
2023年8月26日には境内で、地元自治連合会などの主催による夏祭り・盆踊りが開催されます。露店なども多数出され、浴衣で来場の人にはドリンク一杯サービスがあるようですので、ぜひ足をお運びください!
西院 春日神社(外部リンク)京都市右京区西院春日町61 075-312-0474
西院野々宮神社 京都市右京区西院日照町五十五番地