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【倉敷市】「井上さん」は4/30まで入館無料!新たな文化観光施設が誕生しました

倉敷そだち地域情報発信クリエイター(倉敷市)

美術館などの文化観光施設が集まる倉敷美観地区。10年の保存修理を経て、2023年3月19日に新たな施設「井上家住宅」が一般公開に。どんな建物か紹介します。

歴史・建物について

現在、当主が16代目の井上家。16世紀終わりに倉敷へ土着し、浅瀬の海「阿知の潟」周辺の干潟を開墾したそうです。

写真左側は、かつては島で海岸線に沿って道をつくったため、曲がっています
写真左側は、かつては島で海岸線に沿って道をつくったため、曲がっています

当時、倉敷で力を持っていた豪商は「古禄(ころく)」と呼ばれていました。古禄13軒のうち1軒がこの井上家です。

建物は300年が経ち、倉敷美観地区内では、最古の町屋。防火用の土塗り扉の「倉敷窓」は唯一倉敷市内に現存しているものです。

建てられて300年も経てば、老朽化するもの。2012年に始まった保存修理工事は難航し、10年もかかってしまいました。

「土壁」の現物資料。少なくとも8回仕上げ塗りがされ、建物の歴史を感じられます
「土壁」の現物資料。少なくとも8回仕上げ塗りがされ、建物の歴史を感じられます

既存の材料を可能な限り再生し、使うことが条件なのも工期が遅れる原因になったそうです。晴れて、2022年9月に工事が完了し、2023年3月に一般公開に。

既存の材料が極力使われているため、張りぼてではなく「本物」を感じられます
既存の材料が極力使われているため、張りぼてではなく「本物」を感じられます

建物は増改築を繰り返し、最も大きくなり、資料が残っている1830~1844年頃に照準をあわせて復元されました。

建物内部へ

中に入ると広い土間。入って右手に入館の受け付けがあります。

土間の中から外に向かって撮った写真
土間の中から外に向かって撮った写真

台所

土間の奥には台所が。ここで暮らしていたんだなぁと感じられます。

地面に埋め込まれた巨大な備前焼の水甕がありました。約360ℓもの水が入るんだそうです。

水甕自体が倉敷市指定文化財に登録されています
水甕自体が倉敷市指定文化財に登録されています

店の間

通りに面する部屋「店の間」には外に向かって跳ね上げて開く「蔀戸(しとみど)」と、上下にスライドして開閉する「摺揚戸(すりあげど)」があります。

当時は、この戸を開けて商売をしていたそうですよ。

太鼓橋

当主の座敷と茶室を結ぶ太鼓橋。家の中に橋があるってすごくないですか?

せっかくなので橋を渡ろう~としましたが、筆者の体重に耐えられるか不安で、ほとんどまたいでしまいました。またげる程の短い橋をわざわざ架けることに趣を感じます。

全国の井上さんへ

他にも見どころたくさんの旧住宅ですが、紹介し過ぎてはいけないので、これくらいに留めます。気になるかたは訪れてみてくださいね。館内は撮影OKなので、たくさん写真も撮りましょう。

最後に全国の「井上さん」に朗報です。苗字が井上の方は2023年4月30日(日)まで入館料が無料に。身分証を提示すればOKだそうです。井上さん、大チャンスをお見逃しなく~。

<詳細情報>
井上家住宅
住所   :岡山県倉敷市本町1-36
電話   :086-422-0714
営業時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
料金  :大人500円、小中学生300円、未就学児 無料
駐車場 :なし
URL   :公式HP

地域情報発信クリエイター(倉敷市)

地域コミュニティWebメディア「倉敷とことこ」ライター。 倉敷市在住、生粋の倉敷人です。メジャーからマイナーな情報まで、倉敷市の魅力をしっかりお伝えします。趣味は食べ歩きと旅行。大好きな愛犬と倉敷をめぐることも。

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