タイガース・安芸キャンプ 練習試合5連勝!《2/21》十代コンビもハツラツ
きのう21日から、タイガースのキャンプは最終クールに入りました。最後の土日で練習試合も行われるとあり、泊まりがけで来られたお客様も多かった安芸タイガースタウンですが…予報通り夜から高知は雨。きょう22日、四国銀行との練習試合は朝6時半までにもう中止が決まったそうです。なので安芸キャンプでは5試合で終了ということになりました。ここまでは16日の休日に小雨がパラパラした程度で、練習の日は降らなかったのに残念ですねえ。
21日のハンファ・イーグルス戦、藤井選手が初のスタメンマスクでした。一二三選手がようやく外野守備について、3か所を守ったものの「飛んでこんかった」と苦笑い。黒瀬選手がことし初試合で2点タイムリー二塁打を放っています。坂選手や俊介選手といった1軍選手は、きのうも打ちましたし、田上選手の好調ぶりは変わらず。田上選手の話は次回また書かせていただきます。
横田&植田の十代コンビは…
「坂井オーナーが来られるので、植田はショートでスタメン」と古屋監督の宣言通り、植田選手が11日の初戦以来となるフル出場。最後に二塁打を放ち、堅実な守備も見せました。その植田選手に負けじと“横田先輩”も3試合、14打席ぶりのヒットが二塁打で、同じく守備でも果敢なダイビングキャッチを披露。
この2人はきのう試合前のサイン会でも一緒でした。タイトルの写真も、バイパーというトレーニング用具(野手はバッティング練習を始める前にこれを抱えたり背負ったりしています)を、自分が終わったので次の植田選手に渡してあげる横田選手です。急に思い立ったのか、表彰式の真似をして「活躍した植田選手を表彰します」と言いながらニコニコ。それを受け取る植田選手も、ちゃんと直立不動でした。いいコンビですね。
では試合結果です。14日のハンファはレギュラークラス以外といっても1軍キャンプ組の選手でしたが、今回は2軍キャンプメンバー。1軍のところに名前があったのは、先発と2人目のピッチャー、それと1番打者くらいです。そうそう、キャッチャーが8回に交代したんですけど、ユニホームも場内放送も『30番 チョ・ジフン』と。この人、ピッチャー登録なのにすごいなあ!と思いながら見ていましたよ。でも、あとで相手チームのマネージャーさんに聞いたら「ユニホームがなくて30番のを借りていたんです。本当はイ・ジュホというキャッチャー」と。ですよねえ!
《練習試合》
阪神-ハンファ (安芸)
HE 000 000 000 = 0
阪神 000 204 12x = 9
※特別ルール
◆バッテリー
【阪神】鶴-高宮‐渡辺 / 藤井-小豆畑(6回~)-岡崎(8回~)
【HE】ジョン・ジェウォン(5回1/3)-ファン・ジェギュ(2/3回)-イム・ソクヒョン(2回) / パク・ジュンボム-イ・ジュホ(8回)
◆二塁打 俊介、黒瀬、植田、横田 / パク・サンギュ
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]中左右:横田 (5-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
2]指:田上 (4-2-1 / 0-1 / 1 / 0)
3]二:西田 (3-0-0 / 1-2 / 0 / 0)
4]三:関本 (1-0-0 / 0-1 / 1 / 0)
〃三:坂 (3-2-1 / 0-0 / 0 / 0)
5]右中左:俊介 (4-1-2 / 0-1 / 0 / 0)
6]捕:藤井 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
〃捕:小豆畑 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0)
〃打捕:岡崎 (0-0-1 / 0-0 / 0 / 0)
7]一:黒瀬 (4-1-2 / 1-0 / 0 / 0)
8]左右中:一二三 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
9]遊:植田 (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0)
◆投手(安-振-球/暴投-失策/失点)
鶴 5回 59球 ( 4-2-1 / 0-0 / 0 )
高宮 2回 26球 ( 1-4-0 / 0-0 / 0 )
渡辺 2回 18球 ( 0-2-0 / 0-0 / 0 )
鶴、高宮、渡辺で完封リレー
先発の鶴は1回、2番に四球を与えましたが無失点の立ち上がり。2回は先頭に中前打されながら併殺など3人で片付け、3回は1死から連打されるも後続を断ちます。4回は4番から見逃し三振を奪うなど三者凡退。5回は先頭に中前打、次を併殺と2回と同じく3人で終了。これが3試合目の先発だった鶴は、11日にイニング、15日に4イニング、そして今回が5イニングと順調に伸ばし、4安打無失点でした。
阪神の攻撃は、1回に田上が右ひざの右上あたりに死球を受け倒れ込んだので心配したのですが、治療後は元気に登場。相当な痛みだったと思いますけど…。3回までに出た走者は田上のみで、4回にその田上が先頭で右前にチーム初ヒット。1死後に盗塁を決め、さらに暴投で三塁へ。関本はわき腹への死球で出て盗塁(!)。1死二、三塁となり、俊介が右中間へタイムリー二塁打!2人が生還します。
高宮と小豆畑のバッテリーに代わって6回は2奪三振の三者凡退。外の真っすぐと、内高めの真っすぐでした。7回は先頭の4番に左翼線二塁打を許したものの、今度はチェンジアップなどで2者連続三振を奪うなど後続をビシッと断って無失点。
打線は8安打で9得点
その間に打線は追加点をあげています。6回は1死から西田への四球で投手が交代。坂の中前打などで2死一、三塁となって小豆畑は四球。これが暴投で西田が生還しました。なおも2死一、二塁で黒瀬が左中間二塁打!2点を加え、続く一二三の三ゴロで送球エラー。黒瀬が還ってもう1点。植田が四球を選び一、三塁となり横田はいい角度の打球をライトへ…しかし伸びない。右飛で打者9人攻撃が終わり、この回4点を取りました。
7回は先頭の田上が右前打、西田は四球、1死後に俊介の四球で満塁として代打・岡崎が中犠飛。7点目です。さらに8回にも1死から植田が左翼線二塁打、横田は中前…ですがセンターは後逸。触ってはいないのかHのランプがついたため二塁打にしました。これで二、三塁となり田上の三ゴロをバックホームされるも植田はセーフ!2死後に坂の右前タイムリー、合計9得点を挙げています。
高宮に代わって登板した渡辺は、8回に連続三振を奪うなど三者凡退。9回もわずか8球で三者凡退と圧巻のピッチングで締め、きのうは9回裏をやらずに試合終了。
鶴、課題は理解している
鶴投手は「5回投げられたのはよかったですね。ちょっと高めにいったりとか、いいボールと悪いボールがあるかなと思いながらも、悪いなりにゼロに抑えられたのはよかった」と言います。悪いなりに?「内容はわかりませんが、感覚としては。でも色々試しながら、考えながらできたのはよかったと思います」。これからのことを聞くと「バランス、体重移動のとき、そのへんをもう少し改善していきたい。しっかり課題は理解しているので、次に向けても入りやすいし」と話しました。
最後にもう一度「まあ抑えられたのはよかったですね」と鶴投手は繰り返しています。久保投手コーチも「十分でしょう。5回0点ですから」とのこと。あとの2投手には話を聞くタイミングを逃したんですけど、小豆畑選手が高宮投手について「真っすぐがメッチャ走ってました!」と大絶賛していて、高宮投手も「真っすぐいいですねえ!」と手応え十分な表情だったことをつけ加えておきます。
全球フルスイング!を誓う横田
きのうは坂井オーナーが視察に来られていて、試合後に「横田、植田が最後にいいところを見せてくれた。植田は落ち着いた感じの選手やね。それなりにしっかり守備もこなして、走るところも見られたし、いいヒットも出たし。横田の守備もよかった。しっかりした雰囲気もある気がします」と若い2人の名前を挙げられました。
横田選手は、まず4回の守備(5番の中飛をダイビングしてキャッチ!)について「その前の打席で打てなかったんですが、切り替えられたのがよかった。守備、守備と思って。打てないままズルズルいったら、またよくないので。打てなかったら、守っていてもバッティングのことを考えてしまう」と話していました。そんなに引きずるんですね。また「中村コーチに言われて、ファウルの打球にも反応しようと思ってやっている」とか。
バッティングに関しては、11日に3安打、14日は2安打といい滑り出しだった横田選手ですが、そのあと2試合は無安打。きのうの6回の右飛までで13打席ヒットがありませんでした。意識してた?「いえ、そんな」と答える顔が、言葉と違って正直です(笑)。8回の“中前二塁打”もエラーかと思ったと言ったら「ヒットですっ!ヒット」と、ものすごい勢い。「結果が出たので、これからもどんどん振っていきたい。打てなくても振ることは継続していきたい。全球フルスイング!これからも」
オーナーがほめておられたと聞き「まだ全然です」と殊勝なコメント。1軍に関しても「すべてにおいてレベルアップしないと」と気を引き締めています。
植田も負けず嫌い?
植田選手は、8回の左翼線二塁打に「サードの下を抜けていきましたね」とニコニコ。いい走りだった!「あれは余裕です」。あら失礼。足が速いとお客さんも言っていたと伝えると、隣で取材を受けていた横田選手が「僕の方が速いです」と。はいはい。ところが植田選手も向こうに聞こえないような小さい声で「…僕のが速いです」と言います。負けず嫌いコンビか~。
「1打席目(遊ゴロ)は最後、ボール球でした」と悔やむ植田選手。でも「それ以外は積極的にいけた」そうです。3打席目の四球は「振りかけたんですけど、止まれた」とホッとした様子。守備も落ち着いているとオーナーは言われていましたよ。「落ち着いているっていうか、とりあえず“しっかり捕ってから投げる”ことを意識しています。早く投げるというよりも。まず捕らないと投げられないですからね」