ストライプの「イーハイフン」が事業終了、セクハラ問題の影響も!?
セクハラ問題が浮上し、石川康晴社長(当時)が3月に辞任したストライプインターナショナル(立花隆央社長)。かつての主力ブランド「イーハイフンワールドギャラリー」(E hyphen world gallery)を7月31日で終了することを公式ブログとSNSで発表した。
ストライプの4月度の売上高は前年同月比で70%減にまで落ち込んでいた。新型コロナウイルスによる影響に加え、顧客の離反も起こっているようだ。
同社は石川氏が1994年に岡山でウィメンズセレクトショップ「クロスファム」(CROSS FEMME)を創業し、翌年、法人化してクロスカンパニーを設立したのが始まりだ。SPA化して1999年に基幹ブランド「アース・ミュージック&エコロジー」(earth music&ecology)をスタート。2000年に「イーハイフン~」をデビューさせた。
10~20代をメインターゲットに、「『ちょっと背伸び』をキーワードに、デザイン・ディティールにこだわりを持った遊び心溢れる個性的なアイテムを豊富に展開。トレンド要素を取り入れながら『個性』にフォーカスを当て、『かっこよさ』『可愛さ』を表現するリアルクローズブランド」として打ち出してきた。
2013年には店舗数が100店舗を超え、中国大陸にも進出。2020年までに中国だけで200店舗を出店すると意欲的な目標を掲げたが、とん挫した。日本国内でもファストファッションブランドや「ジーユー」(GU)、EC専業ブランドなどに客を奪われ、店舗数も33店舗(2020年6月9日現在)まで縮小していた。主な店舗は、都心ではラフォーレ原宿やルミネエスト新宿、サンシャインシティ アルパ、郊外ではららぽーとやイオンモールなどに出店していた。
セクハラ問題については真相が究明されず、社内でも明確な説明がなされておらず、店頭で好奇の目にさらされていたたまれないという販売スタッフも多い。これを機に辞めたスタッフもいる。厳重注意をしたという臨時査問会で、実は石川氏が事実だと認めて、後日、当人に謝罪しているのに、なぜそれを隠すのかと憤る元社員もいる。
コロナによって、人々の価値観は大きく変わってきている。自分に本当に必要なものは何か。買うべきものは何か。応援したいブランドや店、スタッフはどこかなどを吟味する購買行動をとるようになっている。安くてかわいいだけのものよりも、長く愛用できるものを選ぶようにもなっている。誠実なブランド・企業であることが、顧客にとってもそこで働く人々、かかわる人々にとって、今まで以上に重要な時代になっている。
それなのに、コロナの騒ぎは人々の記憶からセクハラ問題が消え去るチャンス、という趣旨の発言をした幹部もいると聞く。禊(みそぎ)が済まなければ、ブランドだけでなく、会社そのものの存続も危うくなるのではと危惧してやまない。