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“野生児猫娘”青山ひかるが『グレーゾーン』でロリータ服の極道に 「振り切ったけどオタクなのは素です」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
映画『グレーゾーン』より (C)2020宏洋企画室

“野生児猫娘”をキャッチフレーズにグラビアで人気を呼ぶ青山ひかる。予測不能なストーリーを掲げた映画『グレーゾーン』で極道一家の次女を演じている。ロリータ服のオタクで口の悪さはケタ外れという、ユニークなキャラクターを光らせた。女優業にはどんな思いで取り組んでいるのか?

ポテチとコーラをごはんにするズボラ女子です

――青山さんは2014年から2017年まで、年に3~4本のペースでDVDをリリースしてました。

青山 出してましたね。あの頃は1本撮ったら、すぐ次のロケが決まるので、どの撮影で何があったか、わからなくなって。作品ごとの発売イベントで話すために、ロケでの思い出をメモしておくのがルーティンになってました。

――それだけ作品を出せるのは良いことですけど、目が回る感じもありました?

青山 そうですね。それに内容も考えないと同じになってしまうので、いつも「今度はどうする?」という感じでした。面白い設定にしたり、ブッ飛んだこともやりましたね。急に現れて「あなたは命を狙われているので、私がボディガードをしてあげる」という、リアルな世界ではないお話にしたのが、一番印象に残ってます。

――他にも女優、アイドルユニット、バラエティなど活動が広がりましたが、今は自分の肩書き的なものはどう考えてますか?

青山 やっぱりグラビアがメインですね。もともと声優になりたくて上京してきたんですけど、いろいろなことをやってみようと、グラビアから始めました。

――いつでも水着で出られるようにしていて?

青山 正直そこまで気にしていません。我慢は一番良くないと思って、食べたいときに食べます。でも、普段から1日2食とか、場合によっては1食なんです。低血圧で朝はひと言も話したくなくて、ホテルで相部屋になった子には「不機嫌なわけじゃないからね」と言っています。だから朝はごはんも食べられなくて、1日2食になってしまうんです。

――間食もしないんですか?

青山 間食はしませんけど、お菓子を主食にしちゃいます(笑)。ポテトチップスとコーラが最強だと思っていて。一番太る組み合わせですけど、家から出ない日は動かないからお腹も空かなくて、ポテチとコーラだけで済ませちゃう。ゲームをしながら、おはしでポテチを食べるパターンで、結構ズボラ女子です(笑)。

ゼロイチファミリア提供
ゼロイチファミリア提供

撮影会に1人だけ裸足で出てました

――“野生児猫娘”というキャッチフレーズは自分で考えたんですか?

青山 もともと「猫娘に似てるね」と言われたんです。

――『ゲゲゲの鬼太郎』の?

青山 そうです。一番似てるのは2期の猫娘みたいです。私は見たことないんですけど、一番つり目なのかな? でも、“猫娘”だけだと、検索でいろいろなワードにヒットしちゃうので、どうするか考えました。私は水着撮影会で、他のモデルの子たちがヒールを履いていた中で、裸足で出ていたんですよ。足の裏を真っ黒にして帰って、ファンの方に「野生児だね」と言われて。それで語呂もいいから“野生児猫娘”で行こうとなって、記事にしてもらったのが広がりました。

――撮影会で裸足だったのは、なぜですか?

青山 ヒールを持参してくるのが面倒くさかったし、普段履かないので、歩くのが遅くなっちゃうんです。時間がない中で移動するので、早めにスタンバイするには裸足のほうが楽かなと。ヒールを手で持って動けばいいんですけど(笑)。

――普段から野生児的な面があるわけではなくて?

青山 木登りは好きでした(笑)。小さい頃、地元の長崎では公園に登れる木がたくさんあって。みんなで木登りしたり、下に降りて海に行ったりして、年中ビーサンでした。車の通らない道とかで、裸足で遊んだりもしてましたね。

――地元では女の子もそんな感じだったんですか?

青山 私は男の子の中に紅一点でした。女の子とも遊びましたけど、外で遊ぶときは男の子が多くて。ゲームも小学生の頃から好きで、ゲームボーイで『ロックマンエグゼ』とか、男の子たちと公園のベンチに座って一緒にやってました。

映画『グレーゾーン』より (C)2020宏洋企画室
映画『グレーゾーン』より (C)2020宏洋企画室

ブッ飛んだ話と昔のアニメが好きでした

――2年前に映画『ふたりエッチ ラブ・アゲイン』に主演して、今回の『グレーゾーン』でもメインキャスト。どこかで女優業への意欲が高まったんですか?

青山 もともと声優を目指していたので、演技レッスンは受けてました。グラビアをやりながら舞台もちょいちょいやらせていただいて、映像もやってみたいと思うようになったんです。『ふたりエッチ』で舞台とは演技の仕方が全然違うのがわかって、『グレーゾーン』ではその経験を活かして、伸び伸びとやれました。

――何か好きな映画があって、刺激を受けたとかは?

青山 映画は普通に邦画も洋画も観ますし、『GTO』とかちょっとブッ飛んだお話が好きです。なので『グレーゾーン』も好きな感じでした。あと、アニメも好きです。

――アニメではどんな作品を観てきたんですか?

青山 小さい頃、夏休みになると流れるアニメを、お母さんが観させてくれて。『スラムダンク』とか『シティハンター』とか『ガンバの大冒険』とか『うる星やつら』とか、昔のアニメが好きですね。特に『スラムダンク』は大好きで、特装版が家にあります。

――『スラムダンク』で好きなキャラは?

青山 声優の緑川光さんも含めて、流川楓が大好きです。それがありきたりと言われるなら(笑)、藤間と花形の翔陽ペアです。湘北×翔陽戦が好きなんですよね。

映画『グレーゾーン』より (C)2020宏洋企画室
映画『グレーゾーン』より (C)2020宏洋企画室

口の悪さと喜怒哀楽を強調して演じました

極道の世界を舞台にしたサスペンス・アクション『グレーゾーン』。関東に君臨する黒崎家の当主が暗殺され、後継者争いをしていた3人の子どもたちが、刑事に密かに容疑をかけられる。青山が演じたのは次女の美鈴。ロリータ衣装のオタクで、お気に入りのゲームのイケメンキャラのマペットを持ち歩くが、口が悪くて荒々しさも見せる。

――黒崎美鈴は面白いキャラクターですね。

青山 いいキャラをいただいて、ありがたいです。お姉ちゃん、お兄ちゃんより喜怒哀楽がはっきりしているのを強調しながら、ぬいぐるみの聖夜が大好きというギャップを出すことも意識しました。

――オタクなところは素ですか(笑)?

青山 自分のままです(笑)。私はあそこまで推しに話し掛けるタイプではないですけど、聖夜のモチーフは自分の推しの乙女ゲームのキャラクターで、髪型を同じにしていただいてます。

――乙女ゲームもよくやるんですか?

青山 結構やります。『Starry☆Sky』のパソコン版から始まりました。中高生の頃にやっていて、一番ハマったゲームですね。そのあとに『薄桜鬼』とか、いろいろ出たのをやりました。

――美鈴は一方で「うるせえ、殺すぞ!」とか「じゃかぁしい!」とか言っていて。

青山 本当に口が悪いキャラクターです(笑)。『ふたりエッチ』を撮り終わったとき、「次はどんな役をやりたいですか?」と聞かれて、「ヤンキー役」と言ったんですね。美鈴はヤンキーではないですけど、近い感じの役がすぐ来て良かったです。

――普段はそういう言葉は使わないですよね?

青山 「ぶっ殺す!」とか絶対言いません(笑)。でも、美鈴役は振り切ることができました。いちおうイメージしたのが、『銀魂』の神楽ちゃんです。

――あっ、なるほど。

青山 美鈴も神楽ちゃんみたいに傘を武器にしているし、かわいいけど口が悪いというところで合っているかなと。

――ロリータ服には馴染みはあったんですか?

青山 着てみたいとは思っていたんですけど、ああいう服ってピンキリで高かったりするので。私は趣味が多くて、なかなか手が届きませんでした。だから、今回着させていただけたのは、ラッキーでしたね。しかも、あれはレンタル衣装で「青山ひかるが着ます」と宣材写真を見せて、許可が下りたそうです。撮影初日に「他の人だったら違っていたかもしれない」と言われて、本当に光栄でした。思ったより重かったんですけど、大事に着てました。

つき合ったら冷めてしまうんです

――美鈴には「男に不自由したことは一度もなかった。でも、彼らが見てたのは見た目やお金だった」という台詞がありました。青山さんもきれいなだけに「外見しか見られてないのか」と思うことはあったのでは?

青山 そこまではないですけど、学生時代は胸がコンプレックスで、ちょっと苦しい思いもしました。でも、グラビアをやっていると天職だと思えて、ありがたいことに今のポジションまで来られたので、そういうことを考えなくなりました。

――ぶっちゃけ、昔からモテてましたよね?

青山 でも、つき合っても1週間で別れちゃうとか、ザラでした。

――どうしてですか?

青山 わかりません(笑)。やっぱり見た目から来てもらったら、「違う」と思われたんですかね? あと、学生ならではで、つき合うと私が冷めちゃって、「もういいや」となるんです。あまり連絡を取らなくなって、「今何してるの?」というワードに、ちょっとキレそうになりました。「人間生活してるわ!」と思って(笑)。オタクをしていたので、1人の時間を邪魔されたくなかったみたいで、すぐ別れてましたね。1年もつき合ったことはありません。

――今もゲーム中にLINEが来たりすると、「じゃかぁしい!」となったり(笑)?

青山 「じゃかぁしい!」とは言いませんけど、イラッとはします(笑)。基本、1人の時間を大切にしたいタイプなので。

映画『グレーゾーン』より (C)2020宏洋企画室
映画『グレーゾーン』より (C)2020宏洋企画室

自分で付け加えたやり取りを使ってもらえました

――撮影で特に印象的だったシーンはどの辺ですか?

青山 一番印象に残っているのは、お兄ちゃんと一緒に初登場したところですね。いきなり人の顔に点数を付けていって、ちょっとアクションもして、2人の特徴を出しました。壁ドンされて、どうなるのかと思ったら、逆に押し返したり。相手にスプレーをシュッとかけたところは、台本ではそのまま去ることになっていたんです。でも、かけたのは1人だけで、まだ子分の人たちがいたから、またスプレーをその人たちのほうに向けました。向こうも手を上げてくれてお芝居が成立して、そのまま映画に使っていただいて、自分が付け加えたやり取りだったのでうれしかったです。

――傘を使ったアクションもいろいろ考えたんですか?

青山 最初は普通に日傘として使っていたので、ビックリしましたけど、面白かったですね。カット割りのときに、「傘をこっちで持っていたから、こう動こう」とか、ちゃんと覚えておきました。間違えないようにしたくて。

――青山さんはもともと空手をやっていたんですよね?

青山 はい。でも、この年になると、体が動かなくなってきて(笑)。階段を上っても息が切れるので、自分でビックリします。前は特撮でアクションも全然やりましたけど、もうそんな動きはできません。今回は傘を使うので、そこまで動かなくて、衣装もあまり振り回して破れちゃうのが怖かったので、ギリギリセーフな感じでした。

――普段は運動はしないんですか?

青山 ライブくらいですね。みんなよくジムに行ってますけど、私は休みの日は家から出ないので。筋トレとか体作りはしたいなと思い始めました。

――家ではやっぱりゲームをしているんですか?

青山 そうですね。ゲームをしたり、アニメを観たり。YouTubeのゲーム実況もよく観てます。あと、今はカードゲームの練習も結構します。

映画『グレーゾーン』より (C)2020宏洋企画室
映画『グレーゾーン』より (C)2020宏洋企画室

どこかで区切りはつけないと次に進めないので

――グラビアは今後もまだまだやっていくんですか?

青山 もうちょっと頑張りたいです。でも、どこかで区切りを付けないと、次のステップに進めないとも思います。

――需要はまだまだありますが。

 需要があるうちに何かしら表紙を取って、終わるのもいいかもしれませんね。そう考えると、川崎あやちゃんは素晴らしかったと思います。トップのうちにスパッと引退して、カッコ良かったです。

――青山さんはグラビアの先の展望はあるんですか?

青山 まだそこまではっきりとはないですけど、自分が好きなことをやっていこうかなと。最近だと、YouTubeでカードゲームの開封動画を作ったりしてます。そっち方面でいろいろやりつつ、映画もお声掛けいただいたら出演したいですし、トークバラエティとかも幅広くできたらと。

――女優に転身、というわけではなくて?

青山 さすがにそこまでは。結構厳しいお仕事じゃないですか。舞台でも稽古に1ヵ月かけたり。やるとなれば頑張るタイプですけど、やるまでに時間がかかるんですよね。でも、役者も細々とやっていきたいです。

――別に細々でなくても(笑)。

青山 大々的にやりたいです(笑)。芝居のスキルは上げないといけなくて、ゆくゆくは声の仕事もしたいと、ちょっと思ってます。

オールマイティにやっていきたいです

――原点の声優の夢はまだ持っているんですね。

青山 諦め切れてない部分があります。でも、最近の声優さんはアイドル活動もされていて、ステージに立って、きれいな方が多いですよね。

――青山さんにも合うのでは?

青山 私はどちらかというと、そこで表に出なくてもいいのかなと思います。

――先ほど緑川光さんの名前が出ましたが、女性声優さんで好きな人は?

青山 林原めぐみさんが好きです。落ち着く声でいいなと思います。あと、沢城みゆきさん。少年役やボクっ子の役は私もやってみたいですし、かわいい役もヒロインもオールマイティでできるのがすごいなと。私も幅広いお芝居をやっていきたいので。

――青山さんはすべてにおいて、ひとつの道を行くより、いろいろやりたいタイプみたいですね。

青山 そうなんです。まだまだ未知数なので、いろいろ経験したいです。

――仕事以外での展望はありますか?

青山 プライベートは趣味に生きます(笑)。コスプレとかゲームとか、そういうことをやれれば十分です。

Profile

青山ひかる(あおやま・ひかる)

1993年6月13日生まれ、長崎県出身。

2013年に1stDVD『アイしてる?』を発売。最新作『僕の彼女はIカップの猫系アイドル』まで19本をリリース。2016年に『有吉反省会』に”お尻が汚いグラビアアイドル”として出演。2019年に映画『ふたりエッチ~ラブ・アゲイン~』、『ふたりエッチ~ダブル・ラブ~』に主演。『デジモンカードバトル』(公式YouTube)でMC。アイドルユニット・sherbetでも活動中。

『グレーゾーン』

シネマハウス大塚ほかにてロードショー

監督・脚本/宏洋 出演/宏洋、西原愛夏、青山ひかる、黒条奏斗ほか

公式HP

(C)2020宏洋企画室
(C)2020宏洋企画室

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芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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