ウクライナ軍、ロシア製の偵察ドローン「Supercam S150」を小銃で撃破
ロシア製偵察ドローン「Orlan-10」は製造が追い付いていないのか
2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。そして両軍でドローンの撃墜が繰り返されている。
ロシア軍は主にロシア製の偵察ドローン「Orlan-10」で上空からウクライナの監視・偵察を行っている。たまに「Eleron-3」でも偵察を行っている。11月に入ってからは「Granat-4」、「Korsar(Корсар)」という偵察ドローンも検知されて破壊された。またロシア製の攻撃ドローン「KUB-BLA」や「ZALA KYB」、イラン政府から提供された攻撃ドローンで攻撃を行っている。これらのドローンが撃破された残骸の写真はよく公開されているので頻繁に見かける。
2022年11月にはウクライナ軍が小銃で破壊したロシア製の監視・偵察ドローン「Supercam S150」の写真を公開していた。
最近ではロシア軍はイラン製軍事ドローンを多用して攻撃している。偵察ドローンではウクライナに軍事侵攻直後からロシア製の「Orlan-10」を用いることが多かった。だが、最近では「Orlan-10」が破壊されている写真が公開されることが少なくなってきた。
ウクライナ軍は2022年2月24日から1500機以上のロシア軍のドローンを撃破している。「Orlan-10」など従来の偵察ドローンがウクライナ軍によって破壊されてしまい開発と生産が追い付かずに品不足なのかもしれない。
▼ウクライナ軍によって破壊されたロシア製の監視・偵察ドローン「Supercam S150」
上空のドローンを迎撃するのは、電波を妨害(ジャミング)してドローンの機能を停止させるいわゆる"ソフトキル(soft kill)"と、対空機関砲のように上空のドローンを爆破させる、いわゆる"ハードキル(hard kill)"がある。今回、Supercam S150は小銃で破壊されたので、ハードキルである。
偵察ドローン「Supercam S150」は、ジャミングでも機能停止できるが、最近の偵察ドローンには手榴弾などの武器や弾薬が搭載されている可能性があるので、機能停止するだけでは上空からドローンが落下して地上で爆発する危険もある。そのため上空で撃破しておいた方が良い。また敵軍の監視・偵察ドローンに自軍の居場所を察知されると、その場所をめがけてミサイルが大量に発射されるので偵察ドローンを検知したらすぐに破壊したり機能停止する必要がある。
また現在のロシア軍は破壊された監視ドローンを回収して部品の再利用をして、監視ドローンを作っているようだ。そのため、監視ドローンといえども、中途半端な機能停止や撃墜によって落下させるのではなく、他の戦車やミサイルと同じように上空で徹底的に破壊しておきたい。そうすれば部品を回収されて監視ドローン製造に再利用されないので効果的である。
▼偵察ドローン「Supercam S150」
▼ウクライナ軍は2022年2月24日から1500機以上のドローンを撃破