44歳。介護福祉士。節約しつつ、「ゆとり費」を使って夫婦の人生を楽しみたい~受けオネット会員150~
おはようございます。大宮です。建前上は多様性が認められる時代になりました。特に性に関する露骨な差別発言などを公にすると厳しく批判されます。ただし、プライベートでは個人の意見や感覚はもちろん自由なので、性的少数者が必ずしも生きやすくなったわけではありません。30代までは生物学的にも社会的にも女性として生きてきた高柳治さん(仮名、44歳)は、特に父親が存命中は性同一性障害をカミングアウトできなかったと振り返ります。
「男性がピンク色のシャツを着ているだけで『オカマだ』と断ずるような人でした。僕が男性として生きていきたいなどと言ったら大変なことになったでしょう。父が病気で亡くなるまでは娘を演じていました」
それが39歳のとき。兄と母親にはカミングアウトして、「よく言ってくれたね」と受け止めてもらったという高柳さん。しかし、手術、男性ホルモン投与、戸籍変更といった段階ごとに兄も母も心理的な抵抗を示し、もともとは仲が良い家族関係がそのたびに悪化してしまうようです。
「ちゃんと報告と説明はしているのですが……。(名実ともに男性に変わった自分を)受け入れてもらうには時間が必要だと思っています」
かなり過酷な人生経験を積んできた高柳さんですが、苦しみや悲しみを初対面の人に押しつけたりはしません。むしろ、楽観と明るさを感じさせるきさくな雰囲気の人です。シェアハウスみたいなマンション暮らしを楽しみつつ、仕事も趣味も充実しているのが背景にあるのかもしれません。では、高柳さんの話を聞いてください。
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