スペイン・カタルーニャで自治一時停止へ プチデモン元自治政府首相が民主的抵抗を呼びかける
28日朝、スペイン政府は、前日に共和国として独立宣言を行ったスペイン北東部カタルーニャ州の自治政府機能を止める動きに出た。
プチデモン自治政府首相を含む閣僚を解任し、その機能を副首相の下に移管するとともに州警察も国の管理下に置くことになった。
これを受けて、同日午後、解任されたプチデモン元首相はテレビを通じて中央政府による直接統治に対し、「民主的な抵抗」をするよう訴えた。カタルーニャの自治が停止されたことを非難し、「自由な国を築く」ために今後も努力していく、と述べた。
中央政府の行動は「私たちの国の意思表示への計画的な侵害だった」、「民主主義社会では議会が首脳を選び、解任するものだということを市民はよく知っている」
「私たちは、これからも私たちを勝利者にする唯一の行動を続けて行く。暴力を使わない、侮辱しない、すべての人を受け入れるやり方で、人や象徴、意見を尊重し、議会の過半数によって決められたことに同意しないカタルーニャ人が抗議を行うことを尊重する」。
プチデモン氏は解任されたものの、「何も変わっていない」ことを示すため、地元ジローナ市に戻り、レストランで昼食をとったという。レストランから出てきたプチデモン氏に多くの支援者が声援を送った。
ラホイ首相は前日、自治州議会を解散し、12月21日に選挙を行うと述べている。
政府側によると、解任されたプチデモン氏も立候補は可能だという。広報官は州民はその思いを選挙に託すことができる、と述べている。
スコットランド議員の支援の声
カタルーニャ自治政府は独立について国際社会からの支援を求めてきたが、欧州連合、英国、ドイツ、フランスは自治・独立問題を「スペインの内政問題」として関与しない姿勢を見せている。
唯一の支援の声はスコットランドの英国からの独立を目指すスコットランド国民党(SNP)のフィオナ・ヒスロップ議員が表明している。「カタルーニャ自治政府の立場を理解し、敬意を表する。スペイン政府にはカタルーニャの独立に反対する権利があるかもしれないが、カタルーニャには自分たちの将来を決める力があるべきだ。政府による直接統治を押し付けるのは、問題の解決にならない」。