『極悪女王』ゆりやんレトリィバァの熱演に絶賛の声、ダンプ松本役がハマった理由 #専門家のまとめ
9月19日よりNetflixにて配信がスタートしたドラマシリーズ『極悪女王』が反響を集めている。
同作は、1980年代に巻き起こった女子プロレスブームを題材に、ヒール(悪役)のダンプ松本(ゆりやんレトリィバァ)、長与千種(唐田えりか)とライオネス飛鳥(剛力彩芽)によるクラッシュギャルズらの熱い戦いを描いたもの。SNSでは、早くも全5話を“イッキ見”した鑑賞者の感想も確認できた。
なぜ『極悪女王』は鑑賞者の心をつかむのか。その大きな理由は、ダンプ松本こと松本香に扮したお笑い芸人・ゆりやんレトリィバァの熱演にある。ゆりやんのどんなところが適役だったのか。これまでのインタビューなどをもとに役との接点をまとめる。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
『極悪女王』で押さえるべきポイントは、「居場所」の物語であるところ。特にダンプ松本は、両親とのいさかいから実家に戻れなくなり、リングに上がっても観客から「帰れ」と言われる。どこにいても、つまはじき。『極悪女王』では、そんな彼女らの「居場所探し」が描かれている。ゆりやん自身も、2024年12月より活動拠点を憧れのアメリカへ移す。芸人として「居場所」を探し求めている、という点で通じるものがあったはず。
一方、アメリカ行きを発表して以降、批判的な意見も浴びた。ただ、それでも信念が揺るがなかったゆりやんと、なかなかデビューが叶わなくてもプロレスラーになる夢を諦めないダンプ松本の姿も重ねることができる。
『極悪女王』でもう一つ重要なのが、ダンプ松本らヒールレスラーたちは実は心が優しいということ。ダンプ松本はクラッシュギャルズらほかの“仲間”たちと距離をとって生活する。そうしないと、“優しさ”からヒールに徹することができないからではないか。根が優しいところも、ゆりやんとリンクするところがある。そしてだからこそ、優しさが狂気へ反転するところがより怖く映るのだ。
ゆりやん自身、ダンプ松本役に通じる部分が多かった。もともと“キャラクター憑依型”の芸人で知られるゆりやんが、さらにのめり込んで役を演じたことが、鑑賞者を引きつけた理由ではないか。