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阪神ファームは今季初の3試合連続2ケタ安打でオリックスを圧倒!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

阪神ファームは26日も鳴尾浜でのオリックス戦でした。秋山投手が6回まで投げ、わずか4安打ながら4番の高橋選手に1発を浴びて2失点。そういえば…その4本って本塁打、三塁打、二塁打、単打と“サイクル”だったんですね。残念ながら防御率は2点台となってしまいましたが、二神投手の投球回数が規定に足りなくなったため秋山投手がリーグトップに返り咲き。勝利数はトップタイ、奪三振は単独トップを守っています。

今季最多、2度目の16安打

3安打6打点と気を吐いた伊藤隼選手。写真はナゴヤ球場で素振り中に撮ったものです。
3安打6打点と気を吐いた伊藤隼選手。写真はナゴヤ球場で素振り中に撮ったものです。

打線は6月5日の広島戦に並ぶ、今季最多の16安打。3試合連続2ケタ安打は今季初で、その合計が42安打とオリックス戦の相性の良さが出ましたね。伊藤隼選手が3ラン、タイムリー、2点タイムリー二塁打で6打点と大当たり!これが今季4度目の3安打以上で、打率はリーグ6位の.282と上昇です。同級生の森田選手も負けずに、5月13日以来で今季2度目の3安打。また3試合連続マルチヒットの陽川選手は、めでたく規定打席をクリアして、打率がチーム2位の.248でリーグ13位に登場しました。

チームは4連勝で貯金6となり、首位・ソフトバンクと2位・広島とのゲーム差は4。きょう27日からソフトバンク3連戦に臨みます。今回の福岡遠征、野手では小豆畑選手、一二三選手、西田選手が残留。みんなが着替えて出ていく間も練習を続けていました。育成選手は原口選手と阪口選手が参加、島本投手は残留です。中谷選手は行きましたよ。28日は地元・小郡での試合なんですが…お母さんは観戦できないとか。残念ですねえ。

また「ナゴヤも由宇も行ったことあります。でも雁の巣だけまだ」と言っていた鹿児島出身の横田選手も、こちらが聞く前に「行きますよ!行きますよ!」と大張り切り(笑)。北條選手とともに?連れられて?出発していきました。

《ウエスタン公式戦》6月26日

阪神-オリックス 17回戦 (鳴尾浜)

オリ 000 200 000 = 2

阪神 030 150 00X = 9

◆バッテリー

【阪神】○秋山(7勝4敗)-筒井-山本-藤原 / 梅野-小豆畑(7回~)

【オリ】●東明(2勝2敗)(3回)-前田(1回)-甲藤(1/3回)-八木(2/3回)-榊原(1回)-大山(1回)-平井(1回) / 若月-庄司(8回裏)

◆本塁打 伊藤隼6号3ラン(東明)、高橋4号2ラン(秋山)

◆三塁打 バトラー

◆二塁打 高橋、伊藤隼、原口

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]左:伊藤隼  (4-3-6 / 0-0 / 0 / 0) .282

〃打左一:中谷 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .186

2]二:坂    (3-0-0 / 2-1 / 0 / 0) .000

〃打遊:西田  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .226

3]右:今成   (4-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .500

〃打左:一二三 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .174

4]一右:新井良 (5-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .250

5]三:陽川   (5-2-0 / 2-0 / 0 / 0) .248

6]指:森田   (3-3-1 / 0-0 / 0 / 0) .254

〃打指:原口  (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .348

7]捕:梅野   (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .375

〃捕:小豆畑  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .208

8]遊二:北條  (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .233

9]中:横田   (4-1-1 / 2-0 / 0 / 0) .211

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

秋山 6回 91球 (4-7-0 / 2-2 / 2.06) 147

筒井 1回 16球 (1-2-0 / 0-0 / 2.65) 143

山本 1回 10球 (0-1-0 / 0-0 / 1.80) 141

藤原 1回 9球 (0-0-0 / 0-0 / 3.52) 141

無安打は坂選手だけ…

秋山は2三振を奪って三者凡退の立ち上がり。2回は先頭の高橋に三塁線を破る二塁打を浴びるも、やはり2三振などで後続をピシャリと断ち、3回は三者凡退でした。しかし4回1死からバトラーに中前打され、続く高橋がレフトへの2ラン。5回は三者凡退、6回は2死からバトラーに右越え三塁打を許したものの追加点は与えていません。6回を投げて“サイクル”の4安打2失点の秋山。奪三振は7で無四球です。

7回は筒井が2死から山本に右前打(新井良が弾く)されただけ、2三振を奪って無失点。8回の山本は10球で三者凡退。最後は約3週間ぶりの実戦となる藤原が登板し、わずか9球で内野ゴロ3つに切って取りました。

打線は1回に2死から3連打して攻めますが、3本目の陽川の左前打でバトラーの好返球があり今成は本塁憤死。無得点です。2回に森田の右前打と北條の四球、暴投などで2死二、三塁として伊藤隼が東明の146キロのストレートをレフトへ3ラン!4回も森田の右前打と梅野の四球、北條の左前打で1死満塁となり、伊藤隼が中前タイムリーで1点追加。

5回には甲藤から新井良が右前打、陽川はセカンド堤の送球エラーで無死一二塁として森田が中前タイムリー!梅野の左前打で満塁となり北條は遊飛で1死。次の横田がオリックス4人目・八木の代わりっぱなを打って左前タイムリー!さらに伊藤隼が今度は左越え二塁打を放って2人を還します。坂の死球でまた満塁となって今成が左前タイムリー!この回打者11人攻撃で6安打5得点でした。

そのあとは代打陣が登場するも榊原、大山に3人ずつで片づけられ、8回は平井に対して2死から陽川の右前打と原口の左中間二塁打で二、三塁としますが、最後は小豆畑が足元への打球(ファウルと思ったらベースの上に?)でタッチされて終了。

「いいものが得られた」と秋山

リーグ最多タイの7勝目を挙げた秋山投手は「ここ数試合の中でも一番いい球が低くいっていた。きょうは良かったと思います。腕も振れていたので」と振り返りました。次はいよいよ1軍のヤクルト戦での先発ですかね。「いい準備はしたいし、結果を出さないといけないので自分のできることをしっかりやっていきたい」。なお同級生・梅野選手と組んで「梅野が全体的にフォークをうまく使ってくれたので、いいとこに落ちたし、いいところで三振を取ったりできた。いい三振の取り方やったかなと思います。ひとつ、いいものが得られた」とのこと。かなりの手応えがあったのでしょうね。

山本投手も「少し間隔が空いた中でしっかり投げられました。きょうは意識して低めにいけたと思う」と好感触だったようです。先頭への初球はボールになる真っすぐでしたが「ストライク、ボールだけでなく内容のある球を投げられた。いい入りができたと思います。1人目を抑えることでリズムに乗っていける。1人目を大事にしていきたい」と言っています。そして「きょうは復帰してから一番、自分の思った感じに近かった」と、これまた納得のピッチングができたみたいです。

1イニングを三者凡退の山本投手。そろそろ1軍で『タッチ』が聴きたいですね!
1イニングを三者凡退の山本投手。そろそろ1軍で『タッチ』が聴きたいですね!

6月3日の広島戦(甲子園)以来の試合登板だった藤原投手。久しぶりに見るせいかフォームがちょっと違うような…と思ったら、やっぱり微妙に変わっていました。サイドというよりはスリークォーター?「そうですね」。去年秋より前くらいの腕の高さです。「テイクバックがコンパクトにいくよう少し上げました。下で投げようとしてインステップ踏んで、無理な体勢で投げていたので」。コントロールも安定した感じがしますね。「ブルペンで投げ込んだからです」。なるほど、その成果がしっかり出ていました。

89年組の2人が合わせて6安打7打点

伊藤隼選手は、あと三塁打が出ればサイクル安打という3安打6打点の大活躍。ホームランは「フルカウントでしたし、変化球を頭に入れながら打った」外角高めの真っ直ぐでした。4回のタイムリーも「どちらかというと変化球が来るかなと思う中で、追い込まれるまでは外寄りの真っ直ぐを待っていた。ピッチャーが首を振ったので真っすぐだなと思った」と言います。今季6本塁打のうち鳴尾浜は4本で、この日も含め3本が左方向ですが「だって狭いですもん」と一笑に付す伊藤隼選手。「あえて狙ってはいないけど、そっちに強い打球がいくのはいいことですね」

同じく3打席連続安打の森田選手。前日に「打ちまくります!」と宣言した通りになりました。固めて打ったねと言ったら「固めましたねえ!」と返して少し笑顔も。2回の1打席目は真っすぐを2球フルスイングして、追い込まれたあとのフォークを打ったもので「見逃し三振がイヤだった。調子がよかったら初球から攻めていける」とのこと。そして「打つしかないんで」とまた表情を引き締めました。福岡でも固めて打ってきてください。

25日に登録を抹消された新井良選手は4番でフル出場し、最後はライトの守備にもついています。5打数2安打でヒットにならなかったものも内容は良かったのでは?ボールを捉えていた感じがしますね。「みなさんが見た通りです。普通じゃないですか?(1軍で)もっと打っておけば問題なかったと思いますし…。それに明日からライトなんで、しっかり豊さんのご指導を仰いで」とニヤリ。これはちょうど荷物を出しにきた中村外野守備走塁コーチに向けてのアピールでした。「1日1日を大事に過ごしていきたい。1秒1秒を無駄にせず、濃くやっていきたいですね」と締めくくっています。

横田は無我夢中でタイムリー

次は初めての福岡遠征でウキウキ、ワクワクの横田選手です。2回に1死二、三塁で空振り三振に倒れ、4回の第2打席は無死満塁で空振り三振。続く5回も1死満塁で回ってきて、ここはファウルと空振りで追い込まれてしまった3球目をうまく左前へ落とすタイムリー。ベンチへ戻った際に「横田、柔かかったぞ!」と筒井コーチからお褒めの言葉をもらうくらい、力みのないバッティングでした。なお7回の4打席目が見逃し三振だった点については、まあご愛嬌ということで。

5回にネクストで伊藤隼選手から耳打ちされていたのは?「ショートの頭を狙っていけと言われました」。まさに、その通り打ったわけですね。「いや、狙ってないです。無我夢中です!」。しかしチャンスで回ってくることが多い。「もう、三振ばっかりしていたから『わああー!』って感じで…。でもマジで食らいついていきました」という3度目の正直だったようです。初の九州遠征、いい結果が出ますように。落ち着いてね。

最後に守備の話です。7回の北條選手は奥浪選手の遊ゴロによく追いついてジャンピングスロー!そのあとショートを守った西田選手も9回、バトラーの打球を落ち着いて正面に回って捕ってアウトにしています。「慎重にいきました」と西田選手。風岡内野守備走塁コーチは「北條よかったね。まあジャンピングスローはおまけ(笑)。次の西田がまたよかった!堅実にやったね。派手なプレーは要らない。あれでいいんだよ」と○印でした。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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