3歳児の会話レベルは?現役保育士が保育園の3歳児クラスで飛び交う言葉を実況します
現役保育士(幼保英検1級)です。
子育ての本を見ると、「3歳になると接続詞を使った会話ができる」などと書いてあります。
これは本当でしょうか。
今回は、現役の保育士が3歳児クラスで飛び交う子どもたちの言葉を実況しながら紹介します。
※(すべて仮名)
七夕の短冊を自分で記入アサヤ君の例
2024年の七夕、今年も保育園の入り口に願い事をしたためた短冊をつるした笹を飾りました。
3歳児クラスでは、子どもが叶えたい願いだったり、保護者が叶えたい願いだったりするものの、短冊を記入しているのはほぼ保護者でした。
3歳児クラスで一人だけ自分で書いた短冊を持参したのはアサヤ君。
「とみか ぜんしゆるい かう(トミカ全種類買う)」ですって。
そんなアサヤ君は0歳の入園当初から活発で、常に保育室内を走り回るタイプである一方、お話も上手で口も常に動いていましたね。
待ってました2語文ユウキ君の例
3歳児といってももうすぐ4歳になるユウキ君。
2歳6か月まで意味のある単語を一つも発することなく、3歳間際になってからようやく「くるま」「けーき」などポツポツと単語を発するようになりました。
お母さんも心配だったようで「保育園でもたくさん話しかけてほしい」と要望を伝えてくださっていました。
保育士たちも多少心配していたものの、話は理解し指差しや表情で意思は伝えてくれていたので見守っていました。
4歳になったユウキ君。
「しょうぼうしゃ かった」「タイキ(お兄ちゃんの名前)たんじょうび」「けーき たべた」と一生懸命考えて言葉で伝えてくれています。
保育園には笑顔で登園してくれているので、引き続き言葉の発達も見守っていきたいと思います。
ママ・パパのことを話しまくりエナちゃんの例
1歳児クラスのときからおかわりしたいメニューや使いたいおもちゃなどを言葉にすることができていたエナちゃん。
2歳児クラスになると、昨夜家で食べた食事やパパに買ってもらったおもちゃのことなど、それは流ちょうに保育士に教えてくれていました。
3歳になったエナちゃん。
「エナのいえにはさー、ミッフィーちゃんがいっぱいあってさー、おくところがないから パパがもうかわないって」ですって。
〇〇”さー”がお姉さんっぽい?!
まだまだおしゃべり進化中のエナちゃんは、絵本が大好きです。
「アイス」しか言っていないのにごっこ遊び成立アヤちゃんの例
3歳になり「いちごじゅーす のんだ」「ばばが かった」とポツポツと2語文を話すようになったアヤちゃん。
そして、常に何かしゃべっているものの何を話しているのか全く分からないリアちゃん。
ママもリアちゃんが何を言っているのか分からないそうです。
仲良しのアヤちゃんとリアちゃんの間の会話で唯一聞き取れるのが「アイス」という単語。
保育士から見れば「アイス」以外の言葉を伝えあっているように見えないのですが、どうやらアイスやさんごっこを楽しんでいる様子。
コミュニケーションの発達というと発語に着目しがちですよね。
目と目で表情と表情で伝えあいながら遊びを展開するアヤちゃんとリアちゃんから、コミュニケーションで一番大切なことは何かを気づかされます。
まとめ
現役の保育士が保育園の3歳児クラスで飛び交う子どもたちの言葉を実況しながら紹介してきました。
育児書などを見ると、3歳児の会話のレベルとして次のように書いてあることがありますね。
- 「もしも」と仮定の話が理解できる
- 質問に対して適切に答えられる
- 会話に接続詞を使う
- 経験したことを自分の言葉で話せる
- 理由を上手に話せる
これらはいずれも「このようなことができる子もいる」という程度にとらえるべきだと筆者は思います。
4歳になってから急に言語面が発達するような子も多いです。
「うちの子、3歳なのに会話ができない」などと心配し過ぎずに大らかに見守って大丈夫ですよ。