冬の寒さが身に染みる季節、ココア、紅茶、コーヒーは冬の定番として多くの人々に愛されています。特に、立冬の日（今年は11月8日）はココアの需要が大きく伸びることから、「ココアの日」として、2016年に一般社団法人日本記念日協会に登録制定されました。

　寒い日に特に飲みたくなるココアですが、何故かココアを飲むとリラックスしませんか？体に良いのか、どのような影響があるのか、その秘密を化学の視点から探ってみましょう。

ココアの健康効果

　ココアの主原料であるカカオ豆には、美容や健康に良い成分が豊富に含まれています。これには、老化予防に効果的なポリフェノール、便秘改善に役立つリグニンといった食物繊維、そして体調を整えるミネラルが含まれます。特に、カカオに含まれるフラボノイドは抗酸化作用を持ち、心血管系の健康をサポートすることで知られています。

ココアと幸福感

　ココアに含まれるテオブロミンは、自然界ではカカオにのみ存在すると言われており、「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの分泌を促します。この成分が、ココアを飲んだときに感じる幸福感の背後にある化学的な理由の一つです。

ココアの適切な摂取量

　健康効果の多いココアですが、カフェインやテオブロミンといった成分が含まれているため、これらの成分の過剰摂取を避ける必要があります。一般的には、1日に1〜2杯の摂取が推奨されています。また、ココアにはピュアココアとミルクココアの2種類がありますが、ミルクココアは砂糖や乳製品が加えられているためカロリーが高く、ダイエット中や糖質制限をしている方は摂取に注意が必要です。

　ココアは、冬の寒い日に身体を温めるだけでなく、多くの健康効果を持つ飲み物です。今年の冬はその化学的な魅力を改めて感じてみてはいかがでしょうか？美味しく、健康的にココアを楽しみましょう。