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日本でも『5G』サービス開始!『5G』と『4Kテレビ』のアナロジーから未来を予測しよう!

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
(写真:ロイター/アフロ)

KNNポール神田です。

□NTTドコモが(2020年)3月25日(水)から、au(KDDI)が26日(木)、ソフトバンクが27日(金)から5Gサービスの提供を始める。

□ドコモの「5Gギガホ」は月間データ容量を100GBとし、当面はデータ量が無制限になるキャンペーンを実施(4480円〜)

□auはデータ容量無制限の「MAX」を冠するプランを5G向けにも展開。「Netflix」や「Apple Music」「YouTube Premium」、さらに同社とテレビ朝日が共同出資する「TELASA」といった有料の各動画配信サービスをバンドルした料金プラン「データMAX 5G ALL STARパック」を用意(5460円〜)

□ソフトバンクは「メリハリプラン」を5Gスマートフォン向けにも展開。同プランはデータ容量こそ50GBと他社に比べ少ないものの、主要なSNSや動画配信サービスの利用がカウントフリーとなる。カウントフリー対象の動画を視聴する分にはauと同じように事実上の容量無制限(3480円〜)。

□ドコモは当面はキャンペーンで容量無制限、auは注釈なしで容量無制限、ソフトバンクは月間50GBの制限があるがカウントフリー対象のサービスなら容量無制限

□スマホをWi-Fiルーターとして利用する「テザリング」機能について制限がないのはドコモのみで、auは30GBもしくは80GBの制限を設け、ソフトバンクはカウントフリー対象サービスであれば無制限だが、VPNなどを利用するとカウントフリーが適用されない場合がある。

出典:5Gは今すぐ契約するべきか 出揃った3キャリアのサービスを比較

代表的な通信キャリア三者三様のプランが日本で出揃ってのサービスの開始となった。

■『5G』サービス選びの3つのポイント『5G圏内』『5G端末』『5Gサービス』

なんといっても、自分の利用する場所が、『5G圏内』であるかどうかだが、これは時間の問題だ。いつか通ってきた『4Gの道』と同じだ。これは本日以降、各所でリポートがあがってくるので参考にしたいものだ。

そして、何よりも、『5G端末』の初号機(ファーストモデル)が販売される。しかも一番ハイランクなお値段となる。まぁ、このあたりは『5G』が受信できるというベネフィットのプレミアだから、こなれてくるまで待つべきだ。気になるのが、やはりAppleがいつ『5G』端末を登場させるかだ。少なくとも5Gに対応しただけの『5G初号機』としてではなく、5Gに対応したiPhoneとして長年使えるスペックを備えて登場させたいから米国の『5G』サービススタートでも間に合わせることなく、未だに噂くらいでしか聞こえてこない。

最後に『5Gサービス』のゆくえも気になる。まずはこれも『5G』の特徴を活かす、『超高速』『超低遅延』『多数同時接続』という特性も社会インフラとして整備されない限り生きて来ない。たとえば、『超高速』は、過去の経験上、人間は15分もそれを体感すると普通の感覚になってしまい乗りこなしてしまうので感動曲線は一気になくなる。むしろ5G圏内から出るのが怖いという状況になってしまうはずだ。そして、本来一番重要なのが、『超低遅延』『多数同時接続』という新体験だ。

これは『4G』時代になってからYouTuberのような職種を生んだように、新たな『5G』時代の本当の『IoT』や『自動運転』のような技術が確立できる。いや、今、存在しないような『5Gサービス』が登場してくることだろう。

■『4Kテレビ』と『ハイビジョンテレビ』の違いわかりますか?

『5G』を解説するにあたり、『4Kテレビ』のハナシをさせていただきたい。

なぜかというと、現在の『5Gアンテナ』が普及するまでは、『4Kテレビ』と同様の状態が続くからだ。そう、我が家には、いまだに『4K』ではない『ハイビジョン』の東芝REGZAが2台も鎮座している。さすがに60インチクラスとなると、『4Kテレビ』でないと画質が辛くなるが、我が家のような『46インチ』では4Kとの違いはそう感じることはない。そもそも人間の目や耳は最適解に合わせて補正してくれるだろうし、技術の進化よりも、老眼や難聴になる人間の老化のほうが早い。

■『5G』は『4K』方面ではなく、『3Dテレビ』や『VR』方面の進化に影響を与える

むしろ、『5G』への期待は、『4K、8K、16K』への期待ではなく、むしろ、市場がまったくなくなってしまった『3Dテレビ化』への進化に近いだろう。一体誰が『3Dメガネ』を装着し、リビングルームで『3Dテレビ』を鑑賞すると思ったのだろうか?むしろ、『5G』時代の進化は『3Dテレビ』『VR』や『AR』などの新たな機器や、ホーム家電やゲーム端末に現れるのかもしれない。2020年から3年〜5年かけて『5G』が当たり前になった頃に、ようやく開花していく産業があるはずだ。

それまでは、『ハイビジョン』と『4K』が対して変わらないように…、『4G』と『5G』との差はあまり変わらないはずだ。しかしだ。変化は5年であっという間に世界を変える。

■たった5年で技術の歴史は大変革する

筆者と同年代の人は、思い出してみてほしい。松下『VHS』陣営のビデオがソニー『ベータ』陣営を席巻し、テレビの編成時間を克服したあの頃を…。2時間の録画できた事が革命的だった。テレビ映画劇場を『エアチェック』できたのだ。テレビの時間をシフトすることができたのだ。そこから『CMスキップ』という行動も生まれ、一番見たかった番組は、VHSテープに録画しただけで永久に見ることなく、二番目に見たい番組を生視聴していたのだ…。

さらに、『CD』が登場し、LPレコードの売上を追い抜くまでに5年もかからなかったことを思い出してほしい…。レコード産業の歴史をソニーとフィリップスの開発した『CD』が、売り場もパッケージも、ステレオの再生環境も、すべて変革させた。そして、その流れは、『VHS』を『DVD』へと変化させた。DVDを搭載した『プレイステーション2』は大ヒット。世界で一番売れたDVDプレイヤーとなった。さらに、『DVD』は『レンタルビデオ』というビジネスの文脈を大きく変え、レンタルDVDを郵送するという『NETFLIX』のビジネスモデルさえ生んだのだ。さらに、『NETFLIX』はDVDの在庫とサーバー維持料金の損益分岐点を見極め、映画業界と『ストリーミング契約』というライセンスを作った。さらに進化して、契約料金の発生しない『NETFLIX Originals』で自らの映画製作に乗り出したのだ…。

パッケージが変わると、新たな『新興ビジネス』が登場する。そして、時代はたったの5年で大変革を起こす。

『5G』の特徴と言われている『超高速』『超低遅延』『多数同時接続』ではない部分の伸びしろに大いに期待したい。

次世代や特徴は、未来から見ると、まったくちがった捉え方をしていたことが多々あるからだ。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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