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【河内長野市】河内長野の森は鳴ったの?サキタハヂメさん森のパイプオルガン公演の初日に行ってきました

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

関西万博に目標を据えているという壮大な野望があるという「森のパイプオルガン2022」、プロデュースするサキタハヂメさんから先日いろんなお話を伺いました。

しかし、お話を聞いて何となくイメージはつかめたものの、やはり実際に見て体感しないと、どんなものかはわからない気がしたのです。

そこで私は「森のパイプオルガン2022~山を鳴らす、はじまりのはじまり~2025大阪万博・河内長野の森から世界の森を音でつなぐ」を実際に見てみようということになり、初日午前中に行われる回のチケットを予約購入しました。

というわけで、初日にあたる昨日、観心寺の恩賜講堂(おんしこうどう)で行われる公演の様子を実際に見てきました。

河内長野駅近くのセブンイレブンでチケットに変更後、バスに乗って観心寺に来ました。

昨日は天気の良い土曜日だったので、バスの中には金剛山の登山に向かう人も多くいました。

観心寺の山門前には受付がありました。

ここで、パンフレットと使い捨てカイロをもらいました。恩賜講堂は国の重要文化財で、暖房がないとのこと。非常に寒いからといただいたのですが、このほかにも恩賜講堂の前ではブラケットの貸出サービスがありました。

受付を終えて中に入ります。

開演の30分前から、恩賜講堂のある観心寺鎮守の森方向に行けます。昨日は11:00と14:30の2回公演、今日日曜日は11:00からの1回公演です。

観心寺の境内鎮守の森を見ると、何かが取り付けられていますね。これが森を鳴らすためのもののようです。

鎮守の森の先には恩賜講堂が見えて来ました。いつも静かな恩賜講堂の前ですが、今日は多くの人が来ています。

恩賜講堂は土足厳禁です。あらかじめ上履きを持って来るように言われていたので、家から持参しました。

恩賜講堂の中です。照明もあるので、より幻想的になっていますが、そうでなくとも昭和初期の貴重な建築物としての価値の高さが伺えます。

席にはすでに多くの人がいました。ただ昨日の午前中の時点では若干の空席があるような気がしました。もしかしたら今日の当日でも間に合いそうな雰囲気です。(昨日は当日券受付がありました)

本日の空席状況については、こちら(外部リンク)で問い合わせて下さい。

さらに嬉しいことに公演中の撮影は自由とのこと。このお陰でこの記事でも細かく紹介できるわけですね。

重厚でレトロなシャンデリア。これも貴重なものなんでしょうね。

さあ、いよいよ公演が始まりました。

サキタハヂメさんのノコギリ演奏から始まりました。

私は後ろの席から鑑賞しましたが、このようにディスプレイでアップされるので、行われている様子をしっかりと拝見できました。

さて、演奏の後は森のパイプオルガンの説明です。サキタさんの話ではそもそもパイプオルガンと森が似ていると思ったところからスタートしたそうです。

15年前に鈴虫400匹の前で演奏したときに、鈴虫が反応して共鳴したそうです。鈴虫のその行動の理由は、強力なライバルが出現したと思われたのでは?ということでしたが、そのほかにも別の機会に演奏していると、山からサルが降りてくるなどの現象も見られたそうです。

そこで自然と共鳴というところで山を鳴らすというプロジェクトが頭に浮かんだそうです。

その後、木やホースを使った歴代の森を鳴らすための楽器(1号機から4号機)の説明があり、その後にそれらの楽器を使って簡単なセッションを行っていました。

こちらは、現在進めている音を鳴らす5号機(ファン)の一部で、2枚の円盤を使って送り込む空気の量を調整して音の違いを出すと言うもの。

サイレンの原理を使っているそうで、この部分に関してはあえてアコースティックなものを用意したそうです。

また鎮守の森に取り付けた5つの装置は、河内長野にあるステンレスの会社「EBIステンレス」が作りったそうです。

次に観心寺の永島住職が登場。奥河内音絵巻についてのトークなどがありました。

サキタさんと本当に仲良しとのことで、そういうことで今回の恩師講堂と鎮守の森を使っての壮大な実験が実現したわけですね。

住職によれば、仏教としてのゴールである極楽は、本来、極めて楽しいということなので、サキタさんは面白いものを求め続けていることは菩提心(ぼだいしん:悟りを求める心)に近いという話をされていました。

その先にあることが世界の森を鳴らすこと。関西万博の「共創チャレンジ」に参加しているとのことですが、世界の森を意識すると、1分間に東京ドーム2.4個分の森が消えているという現状など、いろいろ考えるべきことがあるそうです。

次に、インドネシア・バリ島ウブドからの中継がありました。画面にはウブド在住のフルヤサトルさんが登場。

画面越しに見えるインドネシアを見ると、冬の河内長野との違いが鮮明にわかりました。鍵盤を弾いて、ネットを利用してウブドでその音が出るかの実験。

このように河内長野ので鍵盤を押すと、ネットを介してウブドのパソコンが反応しました。

「一歩間違えれば、ハッキングだ」と、ジョークも飛ぶ和やかな中、公演が進行して行きます。

この後は山鳴らすオールスターズの人たちが、リモートで登場。サキタさんといつもと違ったコラボセッションが行われました。

最後は驚きの実験です。椿(つばき)に演奏させると言うもの。奇想天外なことですが、椿に電極を差し込むと、波形が読み取れるそうで、それを元に電気信号をつくって、風をコントロール、森が鳴ると言うのです。

と言うことで、恩師講堂から外に出ます。観心寺の鎮守の森がいよいよ鳴ります。

わざわざ温かいお茶を用意してくれていました。ホスピタリティも素敵ですね。

恩師講堂の前に車が置いてありました。自動車メーカーがスポンサーで、展示会をしていると思っていましたが、そうではありません。

これは電気自動車で、今回の森のパイプオルガンの電源を供給しているとのこと。大阪日産のアリアとリーフです。

さらにこちらが、ネットに関する装置。NTTコミュニケーションズが提供しているものです。ここで遠隔からの電気信号を変換して風の強弱を作るわけですね。

こうしてサキタさんと椿からの波長を使って恩師講堂の前で演奏すると森が鳴るという実験がスタートします。

すると、音が鳴り始めました。森の中の5地点からです。

それぞれ音が出る場所から交互に、ときには同時に鳴り出して、独自の音階を作っています。

ここで木を触って見ると少し音が変わった気がしました。

木の下から照明が照らし出されています。昨日は天気が良かったので少しわかりにくかったのですが、暗いともっと幻想的かも。

木の下にあったこの装置も、激しく振動していました。

また音とは別に、森に棲んでいる鳥のさえずりが聞こえてきました。結構多くの鳥が鳴いていたところをみると、森が鳴ったのに対して共鳴したのかもしれません。

雰囲気だけでもと少しだけ動画を撮りました。

また、参加者が実際に体験できるようになっていました。鍵盤を押すと確かに音が森の方から聞こえます。

こうして初日最初の講演会が終わりました。恩賜講堂の前にサキタさんがいらっしゃったので、一枚撮らせていただきました。

というわけで森のパイプオルガン2022の公演の様子を紹介しました。内容は演奏会とこれまでのプロジェクトの経過報告と言ったところでしたが、これは2・3年後に開催予定の関西万博に向けての第一歩ということ。

はじまりと言える、最初の場面を一緒に味わえたこともそうですが、この後、いよいよ河内長野から世界に向けて動き出します。こうなると来年以降の一連の動きがより楽しみになりました。

観心寺恩賜講堂
住所:大阪府河内長野市寺元475
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 観心寺バス停より徒歩3分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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