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中日ドラフト3位の石森大誠がリーグ初代MVP!「まさか、びっくりした」=九州アジアリーグ

田尻耕太郎スポーツライター
左から高山、石森(いずれも火の国)、廣沢(大分)・筆者撮影

 プロ野球独立リーグ「ヤマエ久野 九州アジアリーグ」の表彰式が28日、熊本市内のホテルで行われ、個人タイトル獲得選手にトロフィーなどが贈呈された。

 今年新設されたリーグにおいて、表彰対象の「初代」タイトルホルダーとなったのは、先のドラフト会議で中日ドラゴンズから3位指名を受けた石森大誠投手(火の国)をはじめとした以下の5名だ。

【投手部門】

◆宮澤怜士投手(火の国サラマンダーズ)

最優秀防御率(2.27)、最多勝(8)、最多奪三振(92)

「良い投手が多い中でこれらの賞を獲ることができて嬉しいです。チーム内にも好投手がいて、切磋琢磨できたことが良かったと思います。来季の目標は石森投手に続くNPB入りです。そして独立リーグ日本一も目指したい」

◆石森大誠投手(火の国サラマンダーズ)

最多セーブ(19)

「充実し、悔いなくシーズンを終えることができました。もともとの課題が制球力でしたが、そこが成長できたことで今の結果につながったと思います。マウンドで余計なことを考えずに、常に平常心で上がれたことが良かったと思います」

左から宮澤、高山、石森、廣沢、水本(筆者撮影)
左から宮澤、高山、石森、廣沢、水本(筆者撮影)

【打者部門】

◆高山凌内野手(火の国サラマンダーズ)

首位打者(.322)、最多盗塁(29)

「シーズン通してこの二冠を獲ることができて、嬉しい気持ちでいっぱいです。チームの勝利のために、自分の出来ることを全うしたことが、この成績につながったと思います。今後はチームの勝利もそうだが、走攻守すべてにおいてレベルアップをしてNPB入りするのが目標です」

◆廣沢新太郎外野手(大分B-リングス)

最多安打(53)

「終盤になるにつれて、数字は意識をしました。でも一打席一打席を悔いなくと思って、それが出来たことでこの結果につながったと思います。オフシーズンもやることがたくさんある。特に技術面。来季は最多安打に加えて、首位打者と盗塁王は必ず獲りたいです」

◆水本大志外野手(火の国サラマンダーズ)

最多本塁打(6)、最多打点(42)、最多安打(53)

「獲ろうと思って獲れる賞ではないと思うので、すごく嬉しいです。毎日少しずつ練習を積み重ねた結果だと思います。来季もこのような賞を獲れるように日々精進していきたいです」

MVP石森、中日1年目で「新人王&60試合」と抱負

ドラフト指名直後に撮影した石森(筆者撮影)
ドラフト指名直後に撮影した石森(筆者撮影)

 また、最後に初代MVPとなる最優秀選手賞が発表され、石森投手が選ばれた。石森は「タイトルを1つしか獲っていないので、名前を呼ばれたときは『まさか』とびっくりしました」と驚いた様子だった。

 来年からは目標としていたステージで、中日ドラゴンズの青いユニフォームを着てマウンドに立つ。「目標は新人王」ときっぱり。「プロの世界は厳しいと思うけど、新人王を獲るためには合同自主トレからアピールして春季キャンプからシーズンの最後まで一軍に居ることが必要だと思います。それに耐えられる強い体を作ることが大事。年間60試合以上投げたい」とさらなる飛躍を見据えていた。

 また、九州アジアリーグで来季も戦う仲間たち、そして九州で応援してくれるファンに向けて「自分はこれまでの野球人生でグラウンドまで足を運んで応援していただくことが多くなかった。ファンの皆さんの言葉は僕らの力になりました。選手一同、感謝しています。リーグはこれからチームも増える。それに伴ってファンも増えていくと思います。九州を一緒に熱くしていってほしい」とメッセージを送った。

 ヤマエ久野 九州アジアリーグは来季から実業家・堀江貴文氏が設立した「福岡北九州フェニックス」が参入して3球団制となる。福岡ソフトバンクホークス三軍との交流試合も拡充される見込みだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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