「KADOKAWA取締役の川上量生氏が株を突然大量に売却した」は誤り。2023年9月の情報
サイバー攻撃を受けている株式会社KADOKAWAの取締役の川上量生氏、このタイミングで同社の株を大量に売却していたことが分かったとする言説が拡散していますが、デマです。
ソースとして示されているリンク先は2023年9月の情報です。
5ちゃんねるにスレ立て→ツイッター速報が拡散
問題のデマは、6月28日17時過ぎに匿名掲示板『5ちゃんねる』に立てられた「KADOKAWA社長川上、KADOKAWAの株を突然大幅に売る 一体なぜ…」というスレッドが元となっています
このスレッドをまとめサイト『ツイッ速!(ツイッター速報)』が取り上げ、タイトルを「【速報】カドカワ社長の川上量生、カドカワの株を突如大量に売却か」に変更してX(旧Twitter)に投稿しました。
KADOKAWAは今月に入ってサイバー攻撃を受けており、つい先日に情報漏洩も確認されたことから「川上氏がサイバー攻撃を受けたことを知って株が値下がる前に大量に売ったのか」「インサイダー取引ではないのか」といった指摘がされるようになりました。
しかし、冒頭でもお伝えしたとおり、この情報はデマです。
ソースとされているのは2023年9月の情報
川上氏が所有している株数が減っている情報元とされているのは、株式情報サイト『株探(かぶたん)』の以下のページです。
このページを見ると、たしかに川上氏の持株比率が減少しています。
ただし、この情報は2023年9月時点のものです。
持株比率が減少しているのはあくまで2023年3月時点と比較してのことであり、2024年6月現在、川上氏が株を大量に売却したという情報はこのページからでは確認できません。
5chの投稿者「勘違いからスレを立ててしまった。反省してます」
なお、このデマの発端となった『5ちゃんねる』のスレッドを立てた投稿者は、同日21時すぎに「勘違いからスレを立てて結果デマスレになり申し訳ありません。謝罪いたします。反省してます」と投稿しており、このことからもこの情報は投稿者の勘違いだったことが分かります。
ただ、勘違いとは言えすでにデマは拡散してしまっており、取り返しがつきません。
KADOKAWAはサイバー攻撃にまつわるNewspicksの報道に対して、「損害賠償を含めた法的措置の検討を進めてまいります」との声明を発表するなど、今回の事件に関する情報の発信について(当たり前ですが)非常に敏感になっています。
デマを見て「インサイダー取引だ」などと騒がないことをおすすめします。訴訟される恐れがあります。十分に注意してください。