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4歳の男の子、Siriで救急車を呼びママを救う

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

KNNポール神田です!

4歳のイギリスの男の子がiPhoneのSiriを使って、ママを救ったニュースが賞賛されている。

2017年3月7日、ロンドン郊外のケンリーに住んでいるローマン君は、お母さんが自宅で意識を失っていることに気がつきました。母親は目を閉じてしまっており、息もしていなかったことからローマン君は母親が死んでしまったと思ってしまいました。しかし、その時にローマン君がとった行動が母親の命を救うことになります。ローマン君は動かなくなった母親の親指をiPhoneのTouchIDに押し当てて端末をアンロックし、さらにSiriに話しかけて日本の110番+119番に相当する「999」に通報しました。

出典:4歳の男の子が意識不明の母親の親指でiPhoneを使いSiriで緊急通報して命を助ける、音声記録も公開

Apple社のティム・クックCEOがTweetすることによってもニュースが拡散している。

「信じられない話だ。ローマン君、勇気ある子だね。ママの回復をお祈りします」

4歳の男の子がママが倒れて気を失った時に、倒れたママの指でiPhoneのロックを解除し、Hey Siri で「999」に電話をかけ援助を求め、九死に一生を得た。これがその時の電話のやり取り…。

たどたどしい、やりとりの中でもしっかりとした対応をしている。

そして、ママがいつも指でiPhoneの指紋認証をしているのを見ていたからこそできた芸当だろう。

緊急の場合には5秒後に「110番」や「119番」してくれるiPhone

iPhoneではSiriから緊急電話が可能
iPhoneではSiriから緊急電話が可能

iPhoneを充電していれば、Hey Siri!で呼びかけると返事をしてくれ、「110番」や「119番」に電話をしてくれる。普段から、緊急の場合の電話のかけ方は4歳くらいになると練習をしておいたほうがよい。できれば緊急の場合にはGPSデータもなんらかのかたちで共有できる仕組みも欲しい。それまでには自分の住所を伝えることができることが望ましい。しかし、いろんな詐欺が多いので個人情報を公開しないこともしっかりと教えておくことも必要だ。

Andoroid端末の「OK Google」で緊急電話してみると…(泣)

OK Googleではウェブを検索するだけ…
OK Googleではウェブを検索するだけ…

AppleのSiriでできる緊急連絡をAndorodの「OK Google」ではどんな対応になるかと思ってテストしてみたら、「110番」や「119番」のウィキペディアのページを開いただけであった。このあたりの緊急対応は、「OK Google」も「Siri」を、ぜひ見習ってほしいものだ。…といってもAndroidの場合はOS提供で、Googleが端末を作っているわけではないので、統一した操作は難しい。持病や発作のある方は、iPhoneという選択になるかもしれない。そう、画面を立ち上げた時に、たとえロックがかかっていても、緊急コールだけでも、本人でなくても、誰もができるようになっているのは万一の時を考えた場合はリスクよりも便益のほうが多いだろう。

Androidの「電話帳ナビ」は秀逸!

しかし、緊急コールができないからiPhoneにしたほうがいいわけでもない。Androidには、「電話帳ナビ」というアプリがあり、これでかなり詐欺電話や迷惑営業をシャットアウトすることができる。ブラックリストの電話かどうかがアプリを入れることによってかかってきた段階でわかるからだ。そう、今や、かかってくる電話にすべて対応していたら、危険な時代だからだ。この機能があるだけでも、ガラケーからスマホに変える意味はあるだろう。

iOS版の「電話帳ナビライト」では電話番号の検索機能しか残念ながら提供されていない…。

「電話帳ナビ」

https://www.telnavi.jp/

「電話帳ナビ」には、日々、しつこい電話をかけてくる事業者が日々晒されている。何の気無しに営業電話をかけさせたが、ネットに一度でも晒されると「忘れられる権利」は、ほぼなくなると思って良い。さらにクチコミで盛り上げられると、ネット検索ではクチコミのほうが上位にくる可能性もある。通信コストがどれだけ安くなっても、信頼コストのほうがさらに高くつくことになる。いちど、落ちた評判は、二度と上がらないからだ。

あくまでも、「電話帳ナビ」は通報ベースの集合知によって、作られた民間事業者によるセーフティーネットだ。やはり本来は、電波通信行政の総務省あたりで、迷惑電話に関する広範囲にわたる条例やマナーをつくるべき時代になっていることだろう。

ネットのサービスには常に光と影のトレードオフの関係にある。それでも進化しているのは、光の強さが影を凌駕しているからだ。しかし、進化のスピードと求められているサービスレイヤーにも開きがある。安全をつきつめれば、不便になる一方だからだ。どこまでのリスクと安全を見極めるのか…スマホを持つ一人、一人が自分の情報公開の範囲と共にセキュリティ意識を高めておくことが必要とされる時代になりつつある。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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