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ドラマ『グッドワイフ』。微妙に似て異なる日本版と韓国版の「違い」とは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
『グットワイフ』韓国版(韓国チャンネルJ公式サイトより)

常盤貴子が主演を務めるドラマ『グッドワイフ』(TBS系)が、好評を博している。平均視聴率は初回10.1%から11.5%、9.6%、9.0%と微減傾向にあるものの、今期のドラマのなかでは高い支持を集めている。

そんな『グッドワイフ』日本版が、1月30日から韓国でも放送開始されている。

放送しているのは、ケーブルテレビ局『チャンネルJ』。以前紹介した『チャンネルW』と同様に、文字通り日本のテレビ番組を専門とするケーブルチャンネルだ。過去には『八重の桜』、『下町ロケット』、『JIN』なども放映しており、最近では『黒革の手帖』や『ドクターX』なども放映している。

(参考記事:韓国のテレビ関係者に聞いた、韓国で人気の「日本ドラマBEST 5」は?

2月6日には第2話が放送されたばかりで、「やはり女性主人公が格好良すぎる」「日本ドラマ特有の雰囲気が漂って面白い」といった感想が寄せられている。

なかでも興味深いのは「グッドワイフも3カ国で制作。これが最近の流行りだろうか?」というコメントだった。

2018年には、山崎賢人主演でリメイクされた『グッド・ドクター』によって同じ作品を韓国・アメリカ・日本の3つのバージョンで楽しめることができた。『グッドワイフ』もまた、以前紹介したように韓国でリメイクされているため、韓国の視聴者からすれば「また」と思えるのも無理もないだろう。

ただ、日本版と韓国版では異なる設定もなくはない。例えば、スキャンダルを起こす人物が相武紗季扮する女性記者である日本版に比べ、韓国版では“脱アジア級の美ボディ”とされるマッスル美女出身タレントのレイヤン扮するキャバ嬢となっているのだ。

今後の展開によって、相違点はますます増えるだろうが、特筆したいのは現時点で見受けられるいくつかの共通点だ。

例えば、主演女優の話題性である。

常盤貴子がTBS系日曜劇場で主演を務めるのは19年ぶりということで大きな話題を呼んだが、韓国版の主演を務めたチョン・ドヨンも11年ぶりのドラマ復帰。しかも、近年は“カンヌの女王”という枕詞が付くほど映画女優としての活躍が多かっただけに、韓国版の放送当時は、チョン・ドヨンの演技をテレビで見られることに興奮を隠さない視聴者が多かった。

(参考記事:韓国版『グッド・ワイフ』主演のチョン・ドヨンとは? レッドカーペットで見せた美貌も話題

また、アメリカ版の“カリンダ・シャルマ役”を務める女優に関心が集まっていることも似ている。

日本版ではSNSでの発言が度々炎上を起こしているモデル兼女優の水原希子が担当しているが、韓国版では、昨年年末に発表された「世界で最も美しい顔100人」の常連でもある元AFTERSCHOOLのナナが同役を務めた。

(参考記事:「世界で最も美しい顔100人」発表。韓国芸能界から選ばれた美女、一挙全公開!!【PHOTO】

アイドル出身で、しかも女優としての活動が皆無に等しかったナナの出演を受け、放送前は心配の声が多く上がっていた。

ただ、初回放送後に評価が一変。みんなの予想を裏切るような高い演技力を披露し、女優としての才能を開花させたとの評判なのだ。

それだけに個人的には今後の水原希子への評価が気になるところだ。筆者もアメリカ版『グッドワイフ』を視聴したが、カリンダ役はミステリアスなのに頼りになるドラマの“隠れたヒロイン”。その大役を水原希子がどう演じていくか、注目している。

いずれにしても、今のところ『グッドワイフ』の韓国版も日本版も、視聴率と作品の評判が釣り合わない部分も似ているようだ。

韓国版『グッドワイフ』の平均視聴率は約4.7%。地上波ではなくケーブル局での放送で、最終回では6.2%という自己最高視聴率を打ち出していることを考えると、それほど悪くない数字だった。

ただ、韓国では最近、同じくケーブル局で好評のうちに終了したドラマ『SKYキャッスル』が平均視聴率23.8%を記録したことを踏まえると、『グッドワイフ』韓国版はメガヒットとは言えなかった。

はたして日本版はどのように展開していくのか。今夜放送される第5話の展開も楽しみに見守りたい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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