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レジェンド羽生善治九段(50)挑戦権争いに残れるか? 王将戦リーグで木村一基九段(47)と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 11月17日。東京・将棋会館において王将戦リーグ▲羽生善治九段(50歳)-△木村一基九段(47歳)戦がおこなわれます。

 すでに多くの報道で伝えられている通り、11月7日・8日に予定されていた竜王戦七番勝負第4局は羽生九段の体調不良により、延期されました。

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 羽生九段の体調については、多くのファンが心配するところでした。そうした中、羽生九段の退院、対局復帰が発表されました。

 今期王将戦リーグ。羽生九段は3連勝のあと、前節、永瀬拓矢王座に敗れています。

 羽生九段は一歩後退となりましたが、まだ挑戦権を獲得する可能性は残されています。

 リーグ初参加の木村九段は0勝4敗。残す羽生九段戦、藤井二冠戦を仮に連勝しても、成績下位3人に入ってしまうため、すでに陥落は決まっています。しかしそうした状況であっても、木村九段はおそらく、いつもと変わらず全力を尽くして戦うことでしょう。

 これまで数々の激闘を重ねてきた両雄。過去の対戦成績は羽生九段33勝、木村九段17勝です。

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 直近の対局は前期A級順位戦8回戦でした。

 結果は羽生九段の勝ち。最終成績は4勝5敗となり、順位の差で羽生九段は残留、木村九段は降級となりました。

 星一つの違い、順位一つの違いで大きく明暗がわかれるのが将棋界のリーグ戦です。

 本日は同じく東京・将棋会館で▲永瀬拓矢王座(4勝0敗)-△豊島将之竜王(4勝0敗)の全勝決戦もおこなわれます。

 対局開始時刻は10時。持ち時間は各4時間。昼食休憩をはさんで、通例では夕方から夜に終局となります。

 旧暦11月17日は、かつて江戸城で御城将棋が披露された日です。その故事にちなんで、日本将棋連盟は11月17日を「将棋の日」に制定しています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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