カホフカ水力発電所のダム決壊で水浸しの孤立した家にドローンで飲料水やバナナ、日用品を上空から配送
ペットボトルの水、バナナから日用品までドローンでお届け
ウクライナ軍は2023年6月6日にウクライナ南部ヘルソン州のドニプロ川に設置されているカホフカ水力発電所のダムがロシア軍によって破壊されたと発表した。
巨大ダムの決壊によって周辺地域の村や農村は洪水に見舞われ、多くの家が水浸しになり、危険地域に暮らしている人々には緊急避難命令が出ている。周辺が水浸しの洪水になってしまい、ボートでの救助や避難なども行われている。ゼレンスキー大統領は「政府と公共サービスは人を救うために最大限の努力をしています」と訴えていた。
そんななか、周囲が水浸しになってしまい孤立した家の屋根の窓にいる女性にドローンでペットボトルの水を提供している動画が公開されていた。また別のドローンではバナナを届けている様子の映像も公開していた。
2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻してから、多くのドローンが監視・偵察と攻撃用に使用されている。ウクライナ軍では小型の民生品ドローンから爆弾を投下して地上のロシア軍の戦車やロシア兵の隠れている塹壕などを攻撃して破壊している。ドローンはウクライナ軍にとってもロシア軍にとっても「上空からの目」として戦場では欠かせない兵器になっている。ドローンで撮影した攻撃シーンや爆発シーンの動画もよく公開している。
今回は水浸しになってしまい孤立した家の住民へペットボトルの水をドローンで配送していた。ウクライナ軍は爆弾投下だけでなく最前線にいる兵士への物資や日常品、医薬品、衣料などもドローンで上空から届けている。上空から物資や日常品を投下するので割れやすいものは運べない。だが頑丈で壊れにくいものは爆弾投下用の小型民生品ドローンで運んでいき投下している。
▼ドローンでペットボトルの水やバナナを上空から届ける
最前線の兵士にスナック、犬へのソ-セージもドローンでお届け
2023年3月には最前線にいる兵士にスナック菓子をドローンで投下してデリバリーしている動画が公開されていた。ウクライナ軍は敵軍を発見すると留め金がカチっと外れて爆弾を投下できるように小型ドローンを改造した。スナックを運んで投下するのも爆弾を投下するのも全く同じ構造で、味方のウクライナ兵を発見すると留め金が外れてスナック菓子が投下され、下にいるウクライナ兵が受け取っている。
小型の民生品ドローンは監視・偵察だけでなく攻撃用としても使用しており頻繁にロシア軍に迎撃されている。そのため世界中からの寄付などで常に大量にドローンを調達している。いつもはロシア軍に爆弾を投下して攻撃している小型民生品ドローンは、このように物資輸送にも役立っている。
▼最前線にいるウクライナ兵にドローンで「スナック・デリバリー」
ドローンで最前線の犬にソーセージも
他にも最前線にいる犬のためにソーセージを投下して、地上にいる人間が落下してきたソーセージを受け取って犬にあげていた。
▼小型民生品ドローンに爆弾ではなくてソーセージを搭載して地上の犬に提供するウクライナ兵