オンラインライブ時代の救世主『ノヴェラ40周年トークライブ』ツイキャスプレミアライブ配信
KNNポール神田です。
2020年、コロナ禍で、全世界のライブ・コンサートは壊滅状態へと陥った…。しかし『オンライン』という場では、まったく新しい『オンライン・ライブ』が、新たなビジネスモデルを見つけた。
『嵐』のような一日限りの国立競技場コンサートから、『ライブハウス』からの生配信、そしてこのプログレッシブロックの『ノヴェラ』のような『企画型』のライブ配信まで『オンライン・ライブ』はまさに日々、多様化してきた。
『NOVELA』の場合も、コロナ禍の影響で周年記念イベントも中止や延期、再延期という苦しい状態がつづいていた2020年であった。単純に払い戻しといってもそれには当然、返金コストが発生するからだ。
■物理的なチケットは発送にコスト、返金時の回収確認にも常にコストが発生
ライブ・コンサートのチケットがEチケットでない場合、さらに返金は面倒だ。
また、近年のチケット発行にはさまざまな各種手数料による課金がされてきただけに、返金となるとその処理だけでも煩雑となる。
アーティスト側やプロダクション側に瑕疵がある場合は別だがコロナが原因となると、主催者側の責任ともいいにくい。
ローチケの場合
https://l-tike.com/guide/popup_charge.html
イープラスなどは、払い戻し費用全額負担を発表し、今期は数億円規模の影響を見込んでいる。
■ミュージシャンの『トークライブ』で2,600円という意欲的な価格設定
https://twitcasting.tv/c:1040live/shopcart/31816
そんな中、『ツイキャスプレミア配信』を利用した『トークイベント』の案内を見つけた…。チケット代金2500円+ツイキャス配信料100円 で合計2,600円だった。
お!、この価格設定は、ミュージシャンのトークイベントとしては意欲的な価格かもしれない。しかし、実際のライブハウスイベントなどだと、5,000円としてワンドリンク付きで、結局は3ドリンク飲んでいて、物販で何か買って、最後には懇親会などへいくので軽く1万円超えだ。
そう考えると、交通費もかからず、クローズドな有料ライブでなにかお楽しみもありそうな企画なので、時間さえ都合がつけられれば、見たいと思った。しかも11月21日(土)23:59までの2週間以内はリピート配信で視聴できる。
桑田佳祐ライブ、嵐ライブ、NOVELAライブといい、オンラインライブのチケット料金は通常ライブの50%あたりが、値ごろ感というところなのかもしれない。そう、ファンにとっては、その日程、いや時間さえキープしておけば、世界のどこからでも視聴が可能だ。
■『NOVELAトーク&ミュージック』という企画フォーマット
筆者が高校生だった頃、関西のアマチュアバンド時代からの大先輩だった彼らが、デビュー後40年の歳月を経て、オンラインでトークが自宅で『生』で聞けるというのは全く新しい経験だった。日本のライブハウスに駆けつけることができる時ばかりでもなく、海外からライブを想像していたことが多かったかが、オンラインであれば、沖縄からでも海外からでも参加が可能となった。
特筆すべきは『企画フォーマット』のユニークさだった。
昨今、ライブ配信の数は多くなるが、『トークライブ』による音楽の表現はユニークだった。
オリジナルメンバーが全員集合できなくても、残ったメンバーでのリモートによる再現演奏は、熱烈なファンにとっては、40年前にタイムスリップしたことだろう。ライブチャットのタイムラインには『涙…涙…涙』という言葉が踊る…。
バンド結成前の話などは、本人らの口から聞くことの機会が少ないものだ。さらに演奏では、手元を写したカメラでは、当時はギターやベースを一生懸命コピーしていた、かつての少年たちにとっては垂涎の時間となった。あそこのポジションは、そこだったのか!てな具合だ。さらにドラマー不在のサウンドも初めて聞くものとなる…。ドラム抜きのロックサウンドはあまり聞く機会がない。
また、配信中にツイキャス内にある『アイテム・ギフト』を贈ることもできた。つまり、投げ銭だ。これらをつうじて、さらに企画に応じた『物販』を活かせば、さらにアーティストたちの収益は拡大化することができる。
この『トークライブ』の中で、次回の『オンライン・ライブ』も発表となった。
NOVELA デビュー40周年記念『NOVELA 2020 無観客配信ライブ』
2020年12月6日(日) 17時〜19時 3,500円+ツイキャス利用料100円
https://twitcasting.tv/c:umeda_zeela/shopcart/34619
オンライン・ライブの終了後には、限られたファンや有料プランでの一緒の打ち上げ会なども、今後はZOOMなどで展開することが可能だろう。そう、長年のファン同志もオンラインで顔を合わせることができれば、年に数回の機会に盛り上げることができる。
当然、ZOOMなどからも投げ銭が可能となるような『pring』や、『PayPayマネー(銀行課金分のみ)』で投げ銭をすることも可能となる。これらのテクノロジーのキモは、ユーザーが使えるかどうかだが、習うよりも慣れるしかない。一度、使えれば敷居は低くなる。
『オンライン打ち上げ』で、投げ銭でビールをお代わりできるみたいなメタファーがあればさらに盛り上がることだろう。
これは、『ライブハウス』が徐々に復活している現在においては、とても有効なマネタイズ手段となることだろう。
■今後、『オンラインライブ』は『オフラインライブ』以上の売上機会となる
東京、杉並区西永福のライブハウス『西永福JAM』では2020年4月より、無観客でのYouTubeライブ配信を始めている。休業時の苦肉の策だ。
「スーパーチャット(スパチャ)による投げ銭」のしかけを呼びかけている。そう、ライブハウスでの生配信が可能となれば、YouTubeからのスーパーチャットでさえもライブハウス経由でアーティストに分配が可能となるからだ。
そして、現在では、無観客や有観客などのライブ活動のスケジュールが目一杯となっている。
配信はツイキャスプレミア配信を利用するアーティストが多い。
http://jam.rinky.info/schedule/
そう、ツイキャスプレミア配信は、アーティストの取り分が95%という配信プラットフォームだからだ。
『ライブ』は絶対にオンラインよりも生のオフラインが良いにきまっている。しかし、距離の関係で都心でないと参加できない地方なので参加できないという人は想像以上に多い。しかも、海外へむけても配信が可能だ。むしろ海外のアーティストが今後は、積極的に来日をせずに、世界ライブ配信という企画でせめてくることだろう。むしろ何千万人という単位のオンライン興行が可能となるのだ。
『ライブイベント』の苦肉の策で生まれた『オンライン・ライブ』がむしろメインとなるのが、2020年のアフターコロナの『ニューノーマル』なのだ。
■95%の還元率のツイキャスプレミア配信の方法
ツイキャスの手数料はチケット販売価格の5%と一人当たり100円の配信料だ。
つまりツイキャス 3,000円の配信であれば、150円と100円の配信料で250円がツイキャス側の収益となる。
アーティスト側としては、1枚3,000円のチケットであれば、2,850円という利益が生まれる。100円の配信料はユーザー負担。
つまり、アーティスト側にとっては、チケット価格の95%が利益になるというプラットフォームなのだ。
そして、ライブハウスなどでは、ライブハウスのキャパで人数が制限されるが、ツイキャスプレミア配信の場合、上限がないのだ。つまり売上は青天井ということとなる。
そうなると、いかに、告知宣伝で周知でき、顧客満足度を上げていくかということが重要だ。
■『ツイキャス プレミア配信』の方法
そして、なによりも、ツイキャスプレミア配信の収益を生む方法は敷居がとても低い。
本人確認、銀行登録、そして、審査と利用規約を遵守した上での審査だ。
あとは、ツイキャスの配信方法とほとんどかわらない配信方法だ。
今後は、ツイキャスのプレミア配信に適した、マルチカメラのシステムや照明や音声といいったニーズがライブハウスにも求められることだろう。そう、ライブハウスのキャパシティではなく、インターネットスタジオとしての、投資がいかに効果的かということがわかるようになる。
https://twitcasting.tv/usershopapply.php
■ツイキャスの支払い総額は1億円以上
特筆したいのは、ツイキャスは2019年4月の段階で、登録ユーザーは2,500万人。配信者への支払い総額も1億円以上。資金調達も13億4000万円となっている。コロナ禍で圧倒的に『プレミア配信』が増えている。
『ツイキャスプレミア配信』
https://ssl.twitcasting.tv/shop.php
手数料無料キャンペーンを経て、『海外配信支援』、そしてこの2020年11月11日からは新機能の『メンバーシップ』が開始する。
メンバーシップのサブスクがアーティストを支え、アーティストがライブイベントとオンラインイベントで工夫しながら表現する。
『ライブイベント』から『トークイベント』。いやアーティストに限らず、インターネットの『オンライン・イベント』という手法で、誰もが、メディアやコンサートホールを経由せずに、『CtoC』で直接課金できるという『夢』のような時代を迎えているのだ。
箱の規模やサイズはもはや無縁の世界だ…。現在、休業中のライブハウスは、一気にオンラインイベントのスペースとして、復活すべきなのだ。