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スマホアプリで市販車がF1のエンジン音に。

河口まなぶ自動車ジャーナリスト

話題となっているホンダの軽スポーツS660の試乗会で、開発中のプロトタイプとして報道陣に公開されたのがスマホ用のアプリである「サウンド・オブ・ホンダ Ver.S660」だ。

このアプリをスマホに入れ、そのスマホをS660とUSBケーブルで接続する。するとS660のCANのデータがディスプレイオーディオ経由で拾われて、エンジンの回転数とアプリに内蔵している音がシンクロされる仕組み。

内蔵されている音は、往年のF1マシンであるマクラーレンMP4/5、そしてNSXタイプR、シビック・タイプRの3種類。それぞれをチョイスすると、スピーカーを経由してそれぞれのマシンのエンジン音が、S660のエンジン回転とシンクロして耳に届けられるわけだ。

このアプリは現在開発中のもので、製品化を目指してさらに細かな修正を行っている。わずかなサウンドのズレや、クルマ側のスイッチでエンジンの切り替え等ができるようにして製品化するという。

最近の新型車では、エンジン音を直接車内に響かせるのではなく、スピーカーからサウンドを「盛って」聴かせているモデルも数多くあるが、この「サウンド・オブ・ホンダ Ver.S660」は、アプリで様々なモデルのエンジンをチョイスできる点がユニークだ。動画でも実際に試しているが、実際に使ってみると想像以上に楽しく、思わず童心に帰ってしまったのだった。

現代では市販車の性能が上がって、公道ではクルマ本来の走る楽しさ気持ちよさを感じにくくなっているのも事実。そうしたことを考えると、こうした「感覚」に訴えるデバイスも今後は意味あるものになる、かもしれない。

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

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