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発信源はWanna Oneメンバー!! 韓国では“盗作疑惑”まで浮上したフレーズが今年の流行語に

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
Wanna One(写真:アフロ)

今年の新語・流行語大賞は「インスタ映え」と「忖度」、今年の漢字には「北」など、今年1年の世相を表す“言葉”が続々と発表されている今日この頃だ。

「忖度」という言葉が韓国で流行することはなかったが(ちなみに韓国語で忖度は“チョンタク”)、韓国でも「インタス映え」のような流行はあった。

素人美女イ・ジュビンさんが“歴代最高クラスのインスタ女神”ともてはやされたこともあったし、「もっとも愛されたアカウント」「TOP 5アカウント」「もっとも成長したアカウント」という3部門からなる『インスタグラム・アワード』なるものも開催されたほどだ。

(参考記事:真のインスタグラマーは誰だ?今年最も“いいね”されたK-POPアイドルが判明!!)

もちろん、韓国独自の新語や流行語も誕生している。韓国には日本の「新語・流行語大賞」のようなものはないが、それでも各メディアやネットコミュニティが“今年の流行語”を選んで1年を振り返ったりする。

今年、韓国ではたくさんの流行語が世間を賑わせたが、中でも印象的だったのは「私の心の中に保存」という流行フレーズだ。

これは、韓国で人気を博したアイドル選抜オーディション番組『プロデュース101 シーズン2』の参加者で、現在は人気急上昇中のアイドルグループ“Wanna One”のメンバーでもあるパク・ジフンが放った言葉だ。

『プロデュース101』は最近、AKB48の生みの親であり作詞家である総合プロデューサー秋元康氏とタッグを組んだプロジェクトを発表したので、その名をご存知の方々もいらっしゃるだろう。

(参考記事:「絶対ウケる」「K-POPは死んだ」秋元康プロデュースの韓流アイドルに韓国ネット上で賛否両論)

この『プロデュース101 シーズン2』の5月5日放送分で「もっともイケメンなメンバー」1位に輝いたのがパク・ジフンなのだが、彼は受賞の席で満面の笑みを浮かべながらこう言ったのだ。

「国民プロデューサー(視聴者)さん、私の心の中に保存〜」。そう言いながら指フレームを作ってみせた彼の仕草が、視聴者から「可愛すぎてたまらない」と大きな反響を呼び、それがそのまま流行語にまでなったのである。

それどころか流行語の“パクリ疑惑”まで起きたほど。パク・ジフンが番組内でそのフレーズを発する前から、防弾少年団のメンバーたちがSNSなどでかなり前から発信してきたという主張が防弾少年団のファンたちの間で巻き起こった。

もっとも、「私の心の中に保存」は単純に言葉を並べただけに新造語とは言えず、そのフレーズを“パクリ”と決めつけるのも難しい。防弾少年団のメンバーたちは普段からSNSを積極活用するだけに、何気なく「私の心の中に保存」という言葉を使っていても決しておかしくはない。

(参考記事:防弾少年団で一番SNSを楽しんでいるメンバーは!? 韓国メディアに明かしたヒミツ)

話題や流行が生まれると“元祖”や“本家”争いがときたま起きるのが韓国であるが、「私の心の中に保存」もそれに近い争いとも言えなくもない。

ただ、興味深いのは、この流行語が日本のTVアニメ『しゅごキャラ!パーティー!』(テレビ東京)から由来したということだろう。

同作は2008〜2011年にわたって韓国でも吹替え版が放送され、それなりの人気を誇った作品。パク・ジフンは「あたしのこころ、アンロック!」という主人公の決めゼリフと仕草にアレンジを加え、真似したのだという。

アニメ・マニアの戯れ事だと軽んじていることはできない。何しろ「私の心の中に保存」は、韓国コンテンツ振興院が選ぶ“今年上半期の最高流行語”にも選ばれるほど、韓国社会に影響を与えた。

8月17日の文在寅大統領就任100日記念イベントでは、大統領秘書室長をはじめ青瓦台の関係者たちがパク・シフンの仕草を真似して記念写真を撮って話題を呼んだこともあった。

若者が作り出した新語フレーズを大統領府の関係者たちまで使ったのだから、韓国版・流行語大賞があれば、間違いなくノミネートされていたことだろう。

「私の心の中に保存」。家族や友人との思い出を心に焼き付けたいとき、この流行フレーズを使ってみるのも面白いかもしれない。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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